ビザと入国

中国ビザなし入国・トランジット完全ガイド

中国のトランジットビザ免除制度が大幅に変わりました。従来の72時間・144時間トランジットビザ免除は廃止され、新たに240時間(10日間)の制度に一本化。さらに約45カ国対象の30日間ビザ免除も。日本人旅行者が知っておくべき最新情報をわかりやすく解説します。

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「144時間トランジットビザ免除」という情報を以前に読んだことがある方は注意が必要です。その情報はすでに古くなっています。2024年12月、中国政府は従来の72時間・144時間トランジット制度を廃止し、240時間(10日間)トランジットビザ免除という新制度に一本化しました。しかも、以前のように特定の都市に滞在が制限されることなく、複数の省をまたいで移動できるようになりました。

さらに、日本を含む約45カ国の国民を対象とした30日間ビザ免除入国(トランジット要件なし)も実施中です。日本のパスポートをお持ちの方にとっては、こちらのほうが使い勝手がよい場合がほとんどです。

本ガイドでは、どの制度があなたに適用されるのか、具体的な条件、そして国境で入国を拒否されないための注意点を詳しく解説します。

※ビザ関連の規則は年に複数回変更される場合があります。渡航前に必ず中国国家移民管理局(NIA)の公式サイトや在日中国大使館で最新情報をご確認ください。

Foreign travelers at a China international airport immigration counter processing visa-free transit entry

日本人旅行者へ:まず確認すること

💡 日本人の方へ重要なポイント: 日本は30日間ビザ免除(渡航先制限なし)の対象国です。第三国への乗り継ぎチケットも不要で、中国全土を旅行できます。240時間トランジット制度よりもずっとシンプルなので、通常は30日間ビザ免除の利用をおすすめします。ただし、制度の期限や条件は変わる可能性があるため、出発前に最新情報を確認してください。

ビザなしで中国に入国できる4つの方法

中国へビザなしで入国できる主な方法は以下の4つです。ご自身の状況に当てはまるものを確認してください。

制度対象最大滞在日数第三国への乗り継ぎ便移動可能エリア
240時間トランジットビザ免除55カ国の国民10日間必要24省・地域
24時間トランジット全国籍24時間必要空港内(許可取得で市内も可)
30日間ビザ免除(片務的)約45カ国の国民30日間不要中国全土
海南島ビザ免除59カ国の国民30日間不要海南島のみ
クルーズグループ団体ツアー客15日間同船での出国北京+沿岸11エリア
💡 ヒント: 30日間ビザ免除と240時間トランジットビザ免除の両方が利用できる場合は、30日間ビザ免除を使いましょう。第三国への乗り継ぎ便が不要で、日程の制約もなく、中国全土を自由に旅行できます。

240時間トランジットビザ免除:変更点と利用方法

2024年12月17日より、従来の72時間・144時間トランジット制度が統合され、最大240時間(10日間)滞在できる新制度が始まりました。中国国務院の公式発表によると、以前は特定の都市・地域内に滞在が限られていたのが、複数の省をまたいだ移動が可能になりました。

基本的な考え方は「トランジット(通過)」です。中国を経由して別の国へ向かう旅行者が対象です。そのため、入国する国と出国する国が異なる必要があります。たとえば、バンコクから中国に入国して東京へ出国するのはOK。バンコクから中国に入国してバンコクに戻る場合はNGです。

Infographic of China's 240-hour visa-free transit policy showing eligible cities and entry steps

対象国(55カ国)

2025年半ば時点で、以下の55カ国の国民が240時間トランジットビザ免除を利用できます。

  • ヨーロッパ(40カ国): オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、モナコ、ロシア、イギリス、アイルランド、キプロス、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、アルバニア、ベラルーシ、ノルウェー
  • 南北アメリカ(6カ国): アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリ
  • オセアニア(2カ国): オーストラリア、ニュージーランド
  • アジア(7カ国): 韓国、日本、シンガポール、ブルネイ、UAE、カタール、インドネシア

※ 対象国リストは随時更新されます。最新情報はNIA公式サイトの240時間トランジットページでご確認ください。

利用するための条件

入国審査では以下のすべての条件が確認されます。

  • ※ 対象55カ国のパスポートを所持しており、有効期限が3カ月以上残っていること
  • ※ 240時間以内に出発する第三国・地域行きの確定チケット(日時・座席指定済み)を持っていること
  • ※ 入国する国と出国する国が異なること
  • ※ 指定された入出国ポートを使用すること
  • ※ 入国カードへの記入と入国審査官への回答

240時間のカウント方法

ここは多くの方が誤解しやすいポイントです。240時間のカウントは到着した瞬間から始まるわけではありません。入国した翌日の深夜0時(00:00)からカウントが開始されます。たとえば月曜日の午後に到着した場合、10日間のカウントは火曜日の0時から始まります。つまり、到着当日はカウントに含まれないため、実質的に少し余裕が生まれます。

入国できるポートと移動可能エリア

2025年11月5日時点で、制度は24省・地域の65入出国ポートに対応しています。広東省では広州・深圳・香港高速鉄道(中国版新幹線)西九龍駅や港珠澳大橋ポートなど5ポートが新たに追加されました。

対応する24省・地域:北京、天津、河北、遼寧、黒龍江、上海、江蘇、浙江、福建、山東、河南、湖北、湖南、広東、広西、重慶、四川、雲南、陝西、山西、安徽、江西、海南、貴州

⚠️ 注意: 一部の省では移動可能エリアに制限があります。山西省では太原・大同のみ、江西省では南昌・景徳鎮のみに限定されます。安徽省・海南省・貴州省は省内全域が対象です。その他の省も指定エリアが定められているため、具体的な旅程については事前にNIAの公式発表資料で確認してください。

滞在中にできること・できないこと

  • ✅ できること:観光、ビジネスミーティング、知人・親族訪問
  • ❌ できないこと:就労、就学、取材・報道活動(これらには適切なビザが必要です)
Foreign tourist exploring a Chinese city street during a visa-free transit stay

24時間トランジット:全国籍対象

240時間トランジットの対象国でない方や、乗り継ぎ時間が短い方には24時間トランジットが適用されます。全国籍を対象に、有効な渡航書類と第三国行きの確定チケットがあれば最大24時間滞在できます。

ただし、空港の制限エリア(国際線トランジットゾーン)内にとどまる場合は特別な許可は不要です。空港外に出て市内観光をしたい場合は、入国審査官に一時入国許可証の申請が必要です。2025年11月5日以降、天津浜海国際空港・昆明長水国際空港を含む10の国際空港では、空港外に出ない場合に入国手続き自体が不要になりました。

30日間ビザ免除入国(片務的ビザ免除)

トランジットとは別の制度で、多くの旅行者にとってより使いやすい選択肢です。中国は日本を含む約45カ国の普通パスポート所持者に対し、2026年12月31日まで30日間のビザ免除入国を認めています。観光・ビジネス・親族訪問・文化交流・乗り継ぎなどの目的で入国可能で、第三国への乗り継ぎ便は不要です。

対象国リストは随時変更されます。スウェーデンは2025年11月に追加、カナダとイギリスは2026年2月17日から対象となりました。ロシアは2025年9月15日〜2027年12月31日の独自の取り決めがあります。各国の開始・終了日が異なるため、中国ビザサービス公式FAQまたは在日中国大使館で最新情報を確認してください。

💡 ヒント: 30日間ビザ免除も、カウント開始はトランジットと同様に入国翌日の深夜0時からです。また、省をまたぐ制限なく中国全土を旅行できます。トランジットと両方利用できる場合は、こちらを優先することをおすすめします。

地域別・特別ビザ免除制度

海南島:59カ国対象・最大30日間

海南島には独自のビザ免除制度があります。59カ国の普通パスポート所持者は、観光・ビジネス・親族訪問・医療・会議・スポーツイベントなどの目的で最大30日間滞在できます(就労・就学は不可)。注意点として、必ず海南島の入国ポートから直接入国する必要があります。中国本土の他の空港で入国審査を受けてから海南島に入る場合は、この制度は適用されません。また、滞在中は海南島の外に出ることはできません。詳細はNIA地域ビザ免除ページをご参照ください。

Tropical beach and palm trees in Sanya, Hainan, where 30-day visa-free entry applies

クルーズ団体:最大15日間

2024年5月15日以降、中国本土の旅行会社が手配・受け入れを行う2名以上の外国人ツアーグループは、クルーズ船で13の沿岸都市港(北海、大連、広州、海口、連雲港、青島、三亜、上海、深圳、天津、温州、厦門、舟山)からビザなしで入国できます。同じ船で出国し、15日以内の滞在に限り、北京および11の沿岸省エリアでの移動が認められます。

入国を拒否されないための注意点

以下のような場合、入国審査でトランジット一時入国許可が拒否される可能性があります。

  • パスポートの有効期限が3カ月未満
  • 過去に中国ビザの拒否スタンプがある
  • 過去5年間に不法入出国・不法滞在・不法就労の記録がある
  • 過去2年間に宿泊届出(公安届出)の重大な違反記録がある
  • 国際航路で働く船員とその家族はトランジット制度の対象外

よくある失敗例

  • 同一国への往復チケット: トランジットは「入国する国と出国する国が異なること」が条件です。往復チケットは失格となります。
  • 確定チケットがない: オープンチケットやスタンバイチケットは認められません。日時・座席が指定された確定チケットが必要です。
  • 許可エリア外への移動: 許可された省・地域外への移動、滞在時間超過、指定外ポートからの出国は法的なペナルティの対象となります。
  • 宿泊届出の未登録: 下記の説明をよくお読みください。個人旅行者が見落としやすいポイントです。

宿泊届出(公安届出)について

中国に滞在するすべての外国人は地元の公安(警察)への届出が義務付けられています。

  • ホテル・旅館に宿泊する場合: チェックイン時にフロントスタッフが自動的に手続きを行います。パスポートを提示する準備をしておきましょう。
  • 友人宅・民泊などに宿泊する場合: あなた自身またはホストが到着から24時間以内に最寄りの警察署で届出を行う必要があります
⚠️ 重要: 宿泊届出は任意ではなく、短期滞在でも省略できません。ホテル以外に宿泊する場合は、到着から24時間以内に必ず届出を行ってください。警察との対応時はパスポートを必ず携帯してください。ビザなし滞在中の未届出は実際にペナルティの対象となります。詳しくはホテル予約と宿泊届出ガイドをご参照ください。

第三国行き乗り継ぎチケットの手配

トランジット制度を利用する場合、第三国行きの確定チケットが入国の可否を左右する最重要書類です。渡航前に日時・座席が確定したチケットを手配し、チェックインと入国審査の両方で提示できるように準備しておきましょう。航空会社も搭乗時にこのチケットを確認します(入国拒否の場合に責任が問われるためです)。Trip.com などの比較サイトを使えば、トランジット時間内に収まる乗り継ぎ便を簡単に探すことができます。

Onward flight ticket showing a connecting route through China to a third country, required for visa-free transit

よくある質問(FAQ)

中国での乗り継ぎにビザは必要ですか?

多くの場合、不要です。空港の制限エリア内にとどまり24時間以内であれば、全国籍を対象とした24時間トランジット制度が適用されます。空港外に出たい場合で、対象55カ国のパスポートをお持ちなら、第三国行きの確定チケットがあれば最大10日間(240時間)滞在できます。いずれも該当しない場合は、トランジットビザ(G)または観光ビザ(L)が必要です。

「144時間トランジットビザ免除」はまだ有効ですか?

いいえ。72時間・144時間トランジット制度は2024年12月に廃止され、新しい240時間制度に移行しました。ウェブサイトで「144時間」と記載されている情報は更新されていない古い情報です。最大の実質的な改善点は、旧制度では認められていなかった省をまたぐ移動が可能になったことです。

トランジットに費用はかかりますか?

入国審査が発行するトランジット一時入国許可証は無料です。

240時間トランジット中に都市間を移動できますか?

はい、許可されたエリア内であれば移動できます。これが旧制度からの最大の改善点です。訪問したい都市と出国ポートがいずれも入国ポートに対応した許可エリア内であることを事前に確認してください。

日本のパスポートで中国全土を旅行できますか?

30日間ビザ免除制度(日本が対象国の場合)を利用すれば、中国全土を自由に旅行できます。ただし、制度の有効期限や条件は変更される可能性があるため、渡航前に在日中国大使館または中国領事館で最新情報をご確認ください。

困ったときの相談先:12367ホットライン

中国国家移民管理局(NIA)は24時間対応の相談ホットラインを運営しています。

  • 中国国内からの場合:12367
  • 海外からの場合:+86-21-12367
  • 英語対応:自動音声ガイダンスあり
  • 日本語対応:通訳を介した三者通話で対応

「NIA 12367」アプリ、WeChat(微信)・アリペイ(支付宝)のミニプログラム、またはメール([email protected])でも問い合わせ可能です。詳細はNIAホットラインページをご参照ください。

NIA 12367 immigration service hotline app interface with multilingual support options

海外旅行保険について

ビザなし入国ができるからといって、旅行中のリスクがなくなるわけではありません。中国滞在中に体調を崩したり、乗り継ぎ便を逃したりした場合、特に厳しい予定で動いているトランジット旅行者にとっては大きな費用が発生する可能性があります。出発前にSafetyWingのような柔軟な旅行医療保険に加入しておくことを強くおすすめします。

まとめ:中国ビザなし入国のポイント

中国のビザなし入国制度は以前より格段に充実していますが、細かい条件の確認が重要です。

  • ✅ まず自分が対象となる制度を確認する(日本人なら通常は30日間ビザ免除)
  • ✅ パスポートの有効期限が3カ月以上残っているか確認する
  • ✅ トランジット利用の場合は、第三国行きの確定チケットを事前に手配する
  • ✅ 宿泊はホテル以外に泊まる場合、到着から24時間以内に宿泊届出(公安届出)を済ませる
  • ✅ 渡航前に対象国リスト・入国ポート・移動可能エリアの最新情報を確認する(情報は随時更新される)
  • ✅ 不明点があれば12367ホットライン(日本語通訳対応)に相談する

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最終更新:2026年6月

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