中国滞在中にビザの有効期限が近づいてきた場合、延長手続きは現地の公安局出入境管理処(PSB)で直接行う必要があります。日本のように大使館や領事館に郵送するシステムではなく、必ず対面での申請が基本です。観光ビザ(Lビザ)の延長手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、申請期限・延長可能日数・オーバーステイのペナルティについては厳格なルールが存在します。このガイドでは、申請先・必要書類・費用・処理日数・よくあるミスまで、日本人旅行者が知っておくべきことを網羅的に解説します。
まず大前提として、ビザ延長は必ず許可されるわけではありません。公安局が「理由が適切かつ十分である」と判断した場合に限り承認されます。早めに申請し、適切な書類を揃え、明確な理由を示せば、ほとんどの観光客は問題なく延長できます。

ビザ延長の申請先:どこに行けばいい?
ビザ延長の申請は、現在滞在している場所の公安局出入境管理処(「出入境管理局」と表記されている場合もあります)で行います。入国した都市ではなく、現在いる都市の管轄PSBが窓口です。
例えば、上海から入国したけれど今は成都にいる場合は、成都のPSBに申請します。
【最重要】7日前申請ルールを守ること
これがビザ延長において最も重要なルールです。現在の滞在期限が切れる少なくとも7日前までに申請しなければなりません。出入境管理法には「ビザ保有者は、ビザに記載された滞在期間の満了日の7日前までに申請しなければならない」と明確に規定されています。
期限ギリギリまで待つのは絶対NGです。残り2日で窓口に行っても、処理が間に合わずオーバーステイになるリスクがあります。期限の10〜14日前に申請するのが安全です。
どのくらい延長できる?ビザカテゴリ別の上限
延長できる日数の合計は、元のビザに記載された滞在可能日数を超えることができません。例えば60日間のビザであれば、延長分も合わせて最大60日間が上限です。
さらに、ビザのカテゴリ(種類)ごとに1回あたりの最大延長日数の上限もあります:
| ビザカテゴリ | 最大延長日数 |
|---|---|
| L(観光)・C・G・J2 | 最大30日間 |
| F・M・Q2・R・X2 | 最大180日間 |
| S2(家族訪問) | 最大180日間(その他の目的は最大90日間) |
観光で中国を訪れる日本人旅行者のほとんどはLビザ(観光ビザ)に該当し、最大30日間の延長が可能です(上記の合計日数制限あり)。自分のビザの種類はパスポートのビザページに記載されているアルファベット(例:「L」)で確認できます。

必要書類リスト
国家移民管理局(NIA)のサービスガイドによると、ビザ延長に必要な基本書類は全国共通で以下のとおりです:
- ✅ 有効なパスポートまたはその他の国際旅行証明書
- ✅ 記入済みの外国人ビザ・居留許可申請書(規格に合ったパスポートサイズの写真1枚を貼付)
- ✅ 延長理由を示す補足資料
- ✅ 担当窓口が個別に求める書類
Lビザ(観光ビザ)の場合、補足資料として主に旅行の行程表・計画書が必要です。ツアーグループで来た場合は、旅行会社の証明書も必要です。
特に重要なのが「補足資料」の部分です。なぜ追加の滞在が必要なのかを明確に示した、日付入りの旅程表(予約済みホテル・列車・飛行機チケット、帰国便のチケットなど)を用意すると審査が通りやすくなります。また多くの窓口では宿泊届出(住宿登记、zhùsù dēngjì)の確認も求められます。
本人申請が原則!代理申請できるケースは?
原則として、本人がPSBの窓口に出向いて申請する必要があります。ただし、以下の条件に該当する場合は代理申請が認められる場合があります:
- 16歳未満または60歳以上の方
- 病気・障害により移動が困難な方
- 過去の滞在・居留記録が良好なリピーター
- 招聘機関または個人がコスト保証をしている場合
一般的な観光旅行者の場合は、ご自身で窓口に行く必要があると考えてください。
費用:延長ビザの手数料
手数料はビザの種類によって異なり、相互主義協定の有無によっても変わる場合があります。相互主義協定のない国の場合、NIAが公表している手数料は以下のとおりです:
| 発行ビザの種類 | 手数料(1人あたり) |
|---|---|
| 入国回数なし(0回) | 160元(人民元/RMB) |
| 1回入国ビザ | 206元(人民元/RMB) |
| 2回入国ビザ | 313元(人民元/RMB) |
| 複数入国・6ヶ月以内有効 | 413元(人民元/RMB) |
| 複数入国・1年以内有効 | 619元(人民元/RMB) |
| 同行者の追加・削除 | 160元(人民元/RMB) |
※ 相互主義協定のある国の国民は、二国間取り決めに基づいた金額が適用されるため、上記と異なる場合があります。支払い方法(現金・カード・オンライン)は窓口によって異なるため、事前に確認してください。最新の手数料はNIA公式サイトで確認できます。
処理日数:どのくらい待つ?
申請が受理されると、窓口から受理証明書(受理通知)が発行されます。審査・決定は受理日から最大7営業日以内に行われます。
ここで多くの方が安心するポイントがあります。パスポートは審査中に窓口に預けることになりますが、受理証明書が「合法的に中国に滞在できる証明」として機能します。一時的にパスポートが必要になった場合は返却を求めることができますが、受理証明書の有効期間内に必ず返却する必要があります。

延長が却下された場合はどうなる?
申請前に必ず知っておいてほしいことがあります。出入境管理法のもとで、PSBのビザ延長拒否は最終決定です。日本のように行政不服申立てや再審査を求める手続きは設けられていません。延長が認められなかった場合は、現在の滞在期限内に出国する必要があります。
これが「早めに申請する」ことが重要なもう一つの理由です。期限ギリギリに却下された場合、出国の準備をする時間がほとんど残りません。
オーバーステイのペナルティ【絶対に避けること】
ビザの滞在期限を超えて中国に滞在することは不法滞在として扱われ、深刻な結果をもたらします。出入境管理法第78条に基づくペナルティは以下のとおりです:
- ⚠️ 警告処分
- ⚠️ 重大な場合:1日あたり500元(人民元)の罰金、最大10,000元
- ⚠️ または5日〜15日間の身柄拘束
罰金が科された場合は、処分決定書を受け取った日から15日以内に指定の銀行で支払わなければなりません。
お子様連れの旅行者へ:16歳未満の子供の監督を怠り不法滞在を生じさせた保護者には、警告および最大1,000元の罰金が科される場合があります。
罰金だけでなく、オーバーステイの記録は将来のビザ申請に悪影響を及ぼす可能性があります。延長が間に合わなさそうな場合は、オーバーステイするくらいなら一度出国して新しいビザで再入国する方が賢明です。
ビザなし入国・トランジット免除の方は別ルール
ビザなしまたはトランジット免除で入国した場合は、通常のビザ延長とは異なるルールが適用されます。
ビザなし(片側的免除)で入国した場合、入国翌日から起算して最大30日間の滞在が可能です。30日を超えて滞在したい場合は、渡航前に中国の大使館・領事館でビザを取得する必要があります。入国後に正当な事情が生じた場合は、PSBで滞在許可証(停留証件)の申請が可能で、最大180日間有効です。
トランジット免除(144時間トランジットビザ免除など)での滞在は、一切延長できません。第三国への続きのチケットに紐づいているため、延長申請は受け付けられません。トランジット免除の詳細については、下記の関連記事をご参照ください。
中国大使館・領事館で取得したビザについて
中国の大使館・領事館で発給されたビザは、発給元では変更・延長できません(手数料の返金も不可)。すでに中国国内にいる場合、選択肢は2つです:
- 滞在期限内に出国する
- 現地のPSB出入境管理処で延長または滞在許可の申請をする
つまり、「ビザ延長」は中国国内のPSBで行うもので、ビザを発給した領事館に連絡しても対応してもらえません。
手続きの流れ:ステップバイステップ
- 書類の種類と有効期限を確認する
ビザ(観光など)→ 期限の7日以上前に申請。居留許可証 → 期限の30日前に申請。 - 最寄りのPSB出入境管理処の情報を確認する
営業時間、予約システム、必要書類チェックリストを事前に確認。不明な点は12367(中国国内)または+86-12367(海外から)へ。 - 必要書類を準備する
パスポート・記入済み申請書・規格写真・旅行行程表・補足書類・宿泊届出書類を揃える。 - 本人が窓口に行き、申請・手数料を支払う
受理証明書を受け取ること(パスポート預け中の合法滞在証明として機能)。 - 審査結果を待つ(最大7営業日)
決定後、パスポートを受け取る。
まとめ:中国ビザ延長で覚えておくべき2つのルール
中国のビザ延長は、現地PSBに出向いて手続きする対面申請が基本です。複雑ではありませんが、タイミングに関しては厳格です。覚えておくべき最重要ルールは2つ:
- ✅ 滞在期限の少なくとも7日前に申請すること
- ✅ 絶対にオーバーステイしないこと(1日500元の罰金+拘束リスク)
観光ビザ(Lビザ)は通常最大30日間の延長が可能ですが、自動承認ではなく却下の場合は不服申立て不可です。明確な旅行行程表を準備し、宿泊届出を済ませ、事前に各窓口の最新情報を確認してください。不明点があれば、12367ホットラインと最寄りのPSBが公式情報の確認先です。
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最終更新日:2026年6月
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