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中国では、アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)があらゆる場面で使えるため、大量の現金を持ち歩く必要はほとんどありません。しかし、屋台や農村部、寺院、外国カードが使えない自動販売機などでは、やはり人民元(RMB)の現金が必要になります。このガイドでは、人民元を手に入れる主な方法――銀行、空港・ホテルの両替カウンター、ATM、モバイル決済――を比較し、レートで損をしない最適な組み合わせをご紹介します。税関の持ち込み・持ち出しルールや、余った現金を帰国時に戻す方法も詳しく解説します。

【まず確認】現金はどのくらい必要?
正直なところ、思っているより少なくて済みます。アリペイまたはWeChat Payに外国カードを登録しておけば、旅行のほぼ全行程をモバイル決済でカバーできます。現金はあくまで「バックアップ」として考えるのがおすすめです。到着初日のタクシー代、屋台での食事代、小銭が必要な場面に対応できる程度の金額を用意し、必要なら現地のATMで追加引き出しするのが賢い方法です。
※ 現金を持ち込む際は、以下の税関ルールを必ず確認してください。
| 種類 | 上限・申告ルール |
|---|---|
| 外貨現金(入国時) | 米ドル換算5,000ドル超は書面申告が必要(上限なし) |
| 人民元現金(RMB) | 1人あたり1回の入出国で20,000元まで |
中国税関公式情報によると、外貨現金・旅行小切手・信用状の持ち込み自体に上限はありませんが、5,000ドル相当を超える場合は申告書の提出が必要です。
方法①:銀行窓口 ― 現金両替なら最もレートが良い
外貨現金を人民元に両替するなら、銀行窓口が最も信頼できるレートを提供しています。外国人旅行者に最も対応しているのが中国銀行(Bank of China)で、米ドル・ユーロ・英ポンド・日本円・香港ドル・オーストラリアドル・カナダドル・スイスフラン・シンガポールドル・韓国ウォン・タイバーツなど38通貨に対応しています。
中国銀行の外国為替サービスによる手続きの流れは以下の通りです。

銀行窓口での両替手順
- 有効なパスポート(原本)を持参する
- 窓口で申請書を受け取り、必要事項を記入する
- 外貨現金と申請書を窓口に提出する
- 人民元と「両替証明書(水单)」を受け取る
※ 少額の両替では口座開設は不要です。「両替証明書(水单)」は必ず保管してください――帰国時に余った人民元を外貨に戻す際に必要になります。
銀行両替の注意点
- パスポート原本が必須:コピーや写真では手続きできません。
- 営業時間に注意:主要な国有銀行(中国銀行・中国工商銀行・中国建設銀行・中国農業銀行)は基本的に月曜〜金曜の9:00〜17:00。主要都市の一部フラッグシップ店舗は週末も営業しています。事前に最寄り支店の営業時間を確認しましょう。
- 大額両替は追加申告が必要:1日に米ドル換算5,000ドル相当を超える両替は、追加の申告書が必要です。
- 非居住者でも両替可能:外国人旅行者はパスポートのみで両替でき、中国居住者に適用される年間換算枠(5万ドル相当)の影響を受けません。
方法②:ATM ― 手軽さ重視ならこれ一択
多くの旅行者にとって、外国のデビットカードやクレジットカードでATMから直接引き出す方法が最も手軽です。中国銀行のATMは、海外発行のUnionPay・Visa・Mastercard・JCB・American Expressカードに対応し、24時間365日引き出しと残高照会が可能です。

ATM利用時の重要事項
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 1回あたりの引き出し上限 | 3,000元(外国カード) |
| 1日の上限 | カード発行銀行の規定による |
| 手数料(日本側) | 海外ATM利用手数料+外貨取引手数料(カードにより異なる) |
| 手数料(中国側) | カードネットワーク・発行銀行の規定による |
| 営業時間 | 24時間対応 |
3,000元以上必要な場合は2回に分けて引き出すこともできますが、1回ごとに手数料がかかる場合があります。中国農業銀行のATMでは、クレジットカードの場合1日5回まで、カード1枚につき最大5,000元まで引き出せるなど、銀行によって条件が異なります。迷ったときは中国銀行のATMを選ぶのが最も確実です。
ATMの画面で「日本円で請求しますか?」と表示された場合は、必ず「人民元(RMB)で請求」を選択してください。日本円での請求を選ぶと、ATMが適用する為替レートは銀行のレートより大幅に不利になります。
方法③:空港・ホテルの両替カウンター ― 緊急時のみ
入国審査を通過するとすぐに両替カウンターが目に入りますし、ホテルのフロントでも両替できます。確かに便利ですが、その「便利さ」には高いコストが伴います。

Remitlyによると、空港の両替レートは銀行に比べて約5〜10%不利で、さらに1回あたり約7〜2,000円(米ドル換算5〜15ドル)程度の手数料がかかります。例えば5万円(約500ドル相当)を両替すると、銀行より2,500〜6,500円程度余計に損をする計算になります。
空港・ホテルの両替カウンターを使う場合は、「市内に移動するための最低限の金額だけ」にとどめ、残りは銀行やATMで調達するようにしましょう。
なお、多くの空港・ホテルカウンターは中国銀行の認定代理店として運営されており、パスポート提示で1人1日最大10,000元、年間累計50,000元まで両替できます。制度上の上限は問題ないですが、レートの悪さは変わりません。
方法④:モバイル決済 ― 日常の買い物はこれが最強
日々の支出には、両替そのものをスキップする方法が最もスマートです。アリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)に外国カードを登録すれば、ショップ・レストラン・タクシー・地下鉄・自動販売機など、ほぼあらゆる場面でスムーズに決済できます。

対応カードと手数料の比較
| サービス | 対応カード | 手数料 | 利用上限 |
|---|---|---|---|
| WeChat Pay(微信支付) | Visa・Mastercard・Amex・Discover・JCB・Diners・UnionPay(2023年7月〜) | 200元以下:無料 200元超:3% ※新規ユーザーは60日間、1日1,000元未満は3%免除 | 1回6,000元・月5万元・年6万元 |
| アリペイ(支付宝) | Visa・Mastercard・JCBなど主要カード | アリペイ自体の上乗せなし(カードのレート・手数料が適用) | アプリで最新情報を確認 |
WeChat Payが7つの国際カードネットワークに対応したのは2023年7月。アリペイの海外版(International Version)は電話番号で登録し、海外カードを直接追加できます(Alipay+公式ページ参照)。
※ 外国カードで利用できるのは加盟店での支払いのみです。個人間送金、紅包(红包)の送受信、金融商品への投資には使えません。
詳しい設定方法は、アリペイを外国カードで使う方法およびWeChat Payを外国カードで使う方法のガイドをご参照ください。
【一覧表】4つの方法を比較
| 方法 | 為替レート | おすすめシーン | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 銀行窓口 | ◎ 現金両替で最優 | 外貨現金を人民元に換えたい | 平日のみ・パスポート原本必須 |
| ATM(中国銀行) | ○ インターバンクレートに近い | いつでも手軽に現金が欲しい | 1回3,000元上限・日本側の手数料に注意 |
| 空港・ホテル | △ 5〜10%不利 | 緊急時のみ | 手数料も高く二重の損失 |
| アリペイ/WeChat Pay | ○ カードネットワークレート | 日常のほぼすべての支払い | 200元超は3%手数料(WeChat)・個人送金不可 |
日本人旅行者におすすめの組み合わせ
経験上、最もコストが低くストレスの少ない組み合わせは次の通りです。
- 出発前:アリペイとWeChat Payに外国カードを登録しておく(日常支払いの主力)
- 到着後:中国銀行のATMで3,000〜5,000元程度を引き出す(現金バックアップ)
- 外貨現金がある場合:銀行窓口で両替(パスポート原本持参)
- 空港・ホテルカウンター:本当に困ったときの最終手段
日本の銀行の海外手数料が高い場合は、Wise のようなマルチカレンシートラベルカードも選択肢に入ります。中間レートで人民元を保有・換算でき、ATM引き出し手数料も予測しやすくなります。中国対応状況と最新手数料は公式サイトでご確認ください。
余った人民元を帰国時に外貨に戻す方法
旅行後に人民元が余った場合、外貨に再両替できます。ただし、手続きには書類の有無によって条件が変わります。
| 状況 | 再両替の上限 | 必要書類 |
|---|---|---|
| 両替証明書(水单)あり | 元の両替額まで(証明書は両替日から24ヶ月有効) | パスポート+両替証明書 |
| 両替証明書なし(銀行窓口) | 1日500ドル相当まで | パスポートのみ |
| 両替証明書なし(出国前・税関内) | 1日1,000ドル相当まで | パスポートのみ |
現金の持ち出しルール
- 人民元現金:1人あたり20,000元まで持ち出し可能
- 外貨現金(入国申告額以内):5,000ドル以下は自由に持ち出し可能
- 外貨現金5,000〜10,000ドル:銀行発行の「携帯許可証」が必要
- 外貨現金10,000ドル超:外国為替管理当局の許可証が必要
詳細は中国税関公式サイトをご確認ください。
日本人がよく間違えること(よくある誤解)
- 「中国でも日本円がそのまま使える」 → 使えません。人民元への両替が必要です。
- 「QRコード決済は中国のカードだけ」 → 現在はアリペイ・WeChat Payともに日本発行のVisaやMastercardが登録可能です。
- 「ATMで日本円表示を選んだほうが安心」 → DCC(動的通貨換算)は割高になります。必ず人民元を選択してください。
- 「余ったRMBは日本で換えられる」 → 日本国内での人民元両替は対応金融機関が限られ、レートも不利な場合が多いため、帰国前に中国で手続きするほうが賢明です。
よくある質問(FAQ)
最もレートが良いのはどこですか?
現金両替なら銀行窓口(中国銀行が外国人対応で最も充実)。手軽さも求めるなら中国銀行のATM(インターバンクレートに近いレートで引き出せる)。日常の支払いはアリペイ・WeChat Payのカードネットワークレートが便利です。空港・ホテルカウンターは緊急時以外は避けましょう。
口座を開設しないと両替できませんか?
いいえ。中国銀行では少額の現金両替はパスポート提示のみで可能で、口座開設は不要です。
日本のカードは中国のATMで使えますか?
中国銀行のATMでは、UnionPay・Visa・Mastercard・JCB・American Expressの海外発行カードが24時間利用可能です(1回あたり3,000元上限)。他行のATMはカードによって対応状況が異なります。
日本で人民元を両替してから行くべきですか?
到着直後に使う少額(5,000〜10,000円程度)を日本で換えておくのは合理的です。ただし、それ以上の金額は中国国内のATMや銀行窓口を利用するほうがレートで有利なことが多いです。
両替やカードでトラブルが起きたら?
中国銀行のカスタマーサービス:中国国内からは95566、海外から(日本)は+86-(市外局番)-95566にご連絡ください。両替の際のレシート・証明書類は必ず保管しておきましょう。
WeChat(微信)のアカウントがないとWeChat Payは使えませんか?
WeChat Payを利用するにはWeChatアカウントが必要です。旅行前に日本でアカウントを作成し、外国カードを登録しておくとスムーズです。
まとめ:中国旅行での両替、この3点を押さえれば安心
- モバイル決済を主力に:アリペイとWeChat Payに外国カードを事前登録。日常の9割はこれでカバーできます。
- 現金は中国銀行ATMで少額ずつ:空港ATMでの第一引き出しが最もシンプル。余らせないよう少額を心がけて。
- 書類は必ず保管:両替証明書(水单)は帰国時の再両替に24ヶ月間有効。捨てずに財布に入れておきましょう。
為替レートや手数料は変動しますので、出発前に銀行の公示レートや通貨換算ツールで最新情報を確認してください。中国のキャッシュレス決済文化の全体像については、中国の決済システム概要ガイドもあわせてご覧ください。
最終更新日:2026年6月
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