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中国ではレストラン、タクシー、コンビニ、さらにはお寺の賽銭箱まで、ほぼすべての支払いがQRコード決済で行われています。これまで、外国人旅行者はアリペイ(支付宝)を利用するために中国の銀行口座が必須だったため、長年にわたって事実上締め出されていました。しかし2024年に中国人民銀行の指導のもと、アリペイとWeChat Pay(微信支付)が海外発行のVisa・Mastercardなどの国際カードに対応し、外国人でも簡単に利用できるようになりました。
このガイドでは、外国カードでアリペイを設定する手順、利用限度額と手数料の仕組み、そして実際の支払い方法を日本人旅行者向けにわかりやすく解説します。セットアップにかかる時間は約10〜15分です。

外国人でもアリペイは使えるの?
はい、使えます。海外の電話番号でアリペイに登録し、中国本土以外で発行された銀行カードを紐付けることができます。アリペイ公式サイトでも、海外在住者が「国際版(International Version)」に登録して、主要な国際カードを紐付ければ中国本土で決済できると明記されています。
ただし、一点だけ最初に理解しておきたいことがあります。外国カードを紐付けたアリペイは「支払い専用」です。お店でのQRコード決済はできますが、以下の機能は利用できません。
- 他のユーザーへの送金
- 紅包(ホンバオ/デジタルお年玉)の送受信
- 金融商品の購入
- 保険サービスの利用
これらは中国の銀行口座を持つユーザー専用の機能です。旅行者にとっては「お店で支払えれば十分」なので、ほとんどの場面では問題になりません。
セットアップ前に準備するもの
| 必要なもの | 補足 |
|---|---|
| スマートフォン(iOS / Android) | アプリをインストールできる空き容量が必要 |
| SMS受信できる電話番号 | 日本の番号(+81)でOK |
| パスポート | 本人確認に使用。顔写真のページが必要 |
| 国際クレジット/デビットカード | VisaまたはMastercardが最も安定して使える |
| インターネット接続 | 安定したWi-Fiまたはモバイルデータ通信 |
インターネット接続については特に注意が必要です。アリペイアプリ自体は中国国内でも動作しますが、GoogleマップやGmail、LINEなどのアプリは中国のネットワーク(グレート・ファイアウォール)によってブロックされています。到着前にデータ通信を確保しておくと、現地でのカード認証もスムーズに進みます。多くの旅行者はAiraloなどの中国対応eSIMを事前に購入して、到着時から通信できるようにしています。
手順①:アリペイをダウンロード・登録する
App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)からアリペイをダウンロードします。すでに中国にいてGoogle Playにアクセスできない場合は、App StoreまたはアリペイのSilkWebサイトからダウンロードできます。
登録の流れは以下のとおりです。
- アプリを開き、電話番号を入力して「次へ」をタップ
- SMSで届いた確認コードを入力
- 「国際版(International Version)」を選択(※海外カードに対応しているのはこちら)
- ログインパスワードを設定
※ 国際版を選ぶことが重要です。中国国内版では海外カードが登録できません。

手順②:本人確認(パスポート認証)を行う
カードを紐付ける前に、本人確認(実名認証)が必要です。手順は以下のとおりです。
- パスポートの顔写真ページを撮影してアップロード
- アプリ内で顔認証スキャンを行う
撮影の際は明るい場所で行い、パスポートの文字がはっきり写るようにしましょう。認証は数分で完了することが多いですが、時間がかかる場合もあります。支払いが必要になる直前ではなく、前日の夜までに済ませておくことをおすすめします。
手順③:外国カードを登録する
本人確認が完了したら、カードを登録します。アプリ内の操作手順は以下のとおりです。
- 「マイページ(Me)」→「銀行カード(Bank Cards)」→「+(追加)」をタップ
- 「銀行カードを追加(Add Bank Card)」を選択
- 以下の情報を入力:
- カード名義(カード表面に記載の英語表記と完全一致)
- 16桁のカード番号
- 有効期限(MM/YY)
- CVV(カード裏面の3桁のセキュリティコード)
- 6桁の支払いパスワードを設定(決済のたびに使用するので覚えやすいものを)
カード登録時に、カード会社から少額(1〜2ドル程度)の仮請求が行われることがあります。これはカードの有効性確認のためで、後日取り消されます。アプリ内で確認コードや金額の入力を求められる場合があります。

使えるカードの種類
| カード種別 | 対応状況 |
|---|---|
| Visa | ◎ 最も安定して使える |
| Mastercard | ◎ 最も安定して使える |
| JCB | ○ Tour Pass経由で対応(日本人に馴染みのあるカード) |
| Diners Club | ○ 対応リストに記載あり |
| American Express | △ 機能によって不安定。メインカードとしては非推奨 |
※ JCBは日本人旅行者に広く使われているカードですが、直接登録よりもTour Pass経由の利用が確実です(Tour Passについては後述)。バックアップとして必ずVisaかMastercardも持参することをおすすめします。

利用限度額について
2024年初頭、中国人民銀行は外国人旅行者向けモバイル決済の上限額を大幅に引き上げました。中国政府の公式発表によると、1回あたりの取引上限が1,000ドルから5,000ドルに、年間累計上限が10,000ドルから50,000ドルに引き上げられました。
| 本人確認の状態 | 1回の取引上限 | 年間利用上限 |
|---|---|---|
| 本人確認完了後 | 約5,000米ドル相当 | 約50,000米ドル相当 |
| 本人確認なし | 少額のみ | 約2,000米ドル相当 |
また、CNBCの報道によると、本人確認を完了していない利用者でも年間2,000ドル(従来は500ドル)まで利用できるようになっています。
手数料と為替レートの仕組み
外国カードで支払う際、為替レートはアリペイが設定するのではありません。公式案内によると、為替レートはカードブランド(VisaやMastercard)および発行銀行が設定するもので、実際の請求はカードの明細に反映されます。つまり、実質的に「あなたのカード会社が適用する為替レート」+「カード会社が徴収する海外取引手数料」がかかるということです。
アリペイ自体が外国カード決済に追加手数料を上乗せするかどうかは、公式情報が不明瞭な部分です。支払い確認画面に表示される金額を必ず確認し、最初の数回の取引後にカードの明細をチェックして、実際にいくら引き落とされているか把握しておきましょう。
アリペイ Tour Pass(ツアーパス):別の登録方法
カードの直接登録がうまくいかない場合、アリペイの「Tour Pass(ツアーパス)」という代替手段があります。これは上海銀行が提供するプリペイドカードサービスで、以下のような仕組みです。
- 国際カードからチャージ(人民元(RMB)に自動換算)
- チャージした残高でQRコード決済ができる
Tour PassはVisa、Mastercard、Diners Club、JCBにも対応しており、JCBカードしかお持ちでない日本人旅行者にとって特に有用な選択肢です。設定には氏名・連絡先・生年月日・パスポートの顔写真ページ・有効なビザ・カード情報の提出が必要です。
注意点として、Tour Passの残高には有効期限とチャージ上限があります。設定時にアプリ内で最新の有効期限とチャージ上限を必ず確認してください。

実際の支払い方法:2つのパターン
支払い方法は大きく2パターンあります。お店の形態によって使い分けましょう。
パターン1:自分のQRコードを見せる(スーパー・チェーン店など)
- アリペイを開く
- ホーム画面上部の「支払う(Pay/Receive)」アイコンをタップ
- 表示されたQRコード(またはバーコード)をレジのスキャナーに向ける
- 店員がスキャン → 完了
パターン2:お店のQRコードを読み取る(屋台・小規模店舗など)
- アリペイを開く
- 「スキャン(Scan)」をタップ
- お店に貼ってあるQRコードにカメラを向ける
- 金額を入力
- 6桁の支払いパスワードを入力 → 完了
どちらも慣れれば数秒で完了します。アリペイのインターフェースは英語表示に対応しており、メニューや請求書を自動翻訳してくれる機能もあるため、中国語がわからなくても安心です。

外国カードでできないこと(注意事項)
外国カードを使ったアリペイでは、一部のサービスが使えない場合があります。主な制限は以下のとおりです。
- 他のユーザーへの送金・割り勘機能
- 紅包(デジタルお年玉)の送受信
- 理財商品などの金融サービス
- 一部の政府系・鉄道系サービス(12306(中国鉄道公式サイト)など)
すべての場面で必ず使えると仮定せず、バックアップを用意しておきましょう。
よくあるトラブルと解決方法
カードが拒否された
最も多い原因は、カード会社が不審な取引として自動ブロックしたケースです。カード会社のアプリを確認して不正利用アラートを解除し、再度試みてください。解決しない場合は別のカードを試すか、Tour Passを設定しましょう。
本人確認が完了しない
パスポートの写真が鮮明かつ明るく撮れているか、顔認証スキャン時に顔がはっきり映っているか確認してください。通信環境が悪いと処理が止まることがあります。より安定したWi-Fiまたはモバイルデータに切り替えて再試行しましょう。
SMS確認コードが届かない
電話番号に正しい国番号(日本は+81)が入力されているか確認してください。また、eSIMや海外ローミングを使用している場合、SMSが受信できる設定になっているかテストしておきましょう。
アリペイのサポートに連絡したい
アリペイの公式カスタマーサービスは以下のとおりです:
- 中国国内から:0571-2688 6000
- 海外から:+86 571 2688 6000
- 受付時間:毎日 08:00〜24:00(中国標準時 GMT+8)
アリペイとWeChat Pay、どちらを使う?
どちらか一方に絞る必要はありません。多くの旅行者が両方をセットアップしてリスク分散しています。ほとんどのお店では両方使えます。WeChat Pay(微信支付)には独自の手数料ルールと限度額があり、アリペイとは異なる点もあります。詳しくは別ガイドで解説しています。
| 項目 | アリペイ(外国カード利用時) |
|---|---|
| 対応カード | Visa・Mastercard・JCB・Diners Club(Amexは不安定) |
| 1回の取引上限 | 本人確認完了後:最大約5,000米ドル相当 |
| 年間利用上限 | 本人確認完了後:最大約50,000米ドル相当/未確認:約2,000米ドル相当 |
| 為替レート | カードブランド/発行銀行が設定(明細に反映) |
| 送金・紅包 | 外国カードでは利用不可 |
まとめ:出発前の準備チェックリスト
- ☑ アリペイアプリをダウンロードして国際版で登録
- ☑ パスポートで本人確認を完了
- ☑ VisaまたはMastercardを登録
- ☑ カード会社に中国での利用を事前連絡
- ☑ 中国対応eSIMまたはSIMカードを準備(Airaloなど)
- ☑ バックアップカードと数百元の現金を用意
外国カードを使ったアリペイの設定は、今や本当に簡単になりました。アプリをダウンロードして国際版に登録し、パスポートで本人確認を行い、VisaかMastercardを登録するだけ。10〜15分で完了します。安定した通信環境と日本のカード会社アプリにアクセスしやすい出発前に済ませておくのがベストです。
為替レートはカード会社のレートが適用されます。最初の数回の取引後にカード明細を確認して手数料を把握しておきましょう。バックアップカードと少額の現金を持参すれば、万一の場面にも安心して対応できます。これだけ準備すれば、地元の人と同じように、QRコードをサッとかざすだけで中国での支払いができるようになります。
WeChat Pay(微信支付)の設定方法については、こちらの別ガイドをご覧ください。最新の規約については、旅行前にアリペイの公式チャンネルもご確認ください。
WaysChina アプリ最終更新日:2026年6月
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