お金と決済

中国のキャッシュレス決済完全ガイド|外国人旅行者向け支払い方法まとめ

中国ではモバイル決済が主流ですが、現金や外国カードも使えます。アリペイ(支付宝)・WeChat Pay(微信支付)・現金・カードを徹底比較。外国人旅行者が中国で困らないための決済ガイドです。

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中国は世界でも有数のキャッシュレス社会です。アリペイ(支付宝、Alipay)とWeChat Pay(微信支付)の2つのアプリが日常的な決済の大部分を担っており、デジタル決済市場の約91%を占めています。かつては中国の銀行口座がなければ使えないため、外国人旅行者には利用できませんでしたが、その状況は大きく変わりました。現在は海外発行のVisaやMastercardを両アプリに登録でき、当局は取引上限額を引き上げ、現金も引き続き法定通貨として全国で使用できます。このガイドでは、日本人旅行者が渡航前に知っておくべき決済方法を詳しく比較・解説します。

💡 日本人旅行者へのポイント: 日本のSuicaやPayPayのような感覚でQRコード決済を使うイメージですが、設定方法や手数料体系が異なります。渡航前に自宅でセットアップを完了させておくのが最大のコツです。
Tourist scanning a QR code with a phone to pay at a Chinese street food stall, showing mobile payment in China

中国の決済事情:まず全体像を把握しよう

中国では、ほとんどの支払いがスマートフォンでQRコードをスキャンする方式で行われます。自分のQRコードを店員に読み取ってもらうか、店頭のQRコードを自分でスキャンして金額を入力するかのどちらかです。屋台のB級グルメ、タクシー、コンビニ、博物館の入場券、自動販売機まで、ほぼあらゆる場所で使われています。

外国人旅行者が中国で使える支払い方法は主に4つです:

  • モバイル決済アプリ(アリペイまたはWeChat Pay)に海外カードを登録する方法 ─ 日常的な支払いに最も便利です。
  • Alipay+経由で自国のe-ウォレットを使う方法 ─ 中国のアプリをセットアップせずに、使い慣れた決済アプリで中国のQRコードを読み取れます。
  • 現金(人民元) ─ 法律上どこでも使用可能。いざというときのバックアップとして有効。
  • 物理カード(クレジットカード・デビットカード) ─ ホテル、空港、デパート、大型施設では使えますが、小規模な店舗では利用できないことも多いです。

どれか1つだけに絞る必要はありません。経験豊富な旅行者の多くは、モバイル決済アプリを1つセットアップしたうえで、数百元の現金を持ち、ホテルや緊急時用に物理カードも携帯しています。

💡 コツ: 決済アプリのセットアップは、自宅の安定したインターネット環境で行いましょう。アカウント認証に数時間かかる場合があり、空港で慌てて設定するはめになると大変です。

モバイル決済:アリペイ vs WeChat Pay 徹底比較

アリペイとWeChat Payはどちらも、海外発行カードを登録して数百万の加盟店で支払いに使えます。飲食店、ショッピング、交通機関、ホテル、スーパーマーケットなど幅広く対応しており、基本的な仕組みは似ていますが、選ぶ前に知っておきたい違いもあります。

Side-by-side comparison of Alipay and WeChat Pay mobile payment apps for foreign visitors

アリペイ(支付宝)

アリペイは、外国人旅行者にとって最も始めやすいアプリです。インターフェースが国際ユーザー向けに設計されており、アプリをダウンロードして電話番号で登録し、「International Version(国際版)」を選んでカードを登録するだけです。中国の銀行口座も中国の電話番号も不要です。Alipay+公式ガイドによると、Visa・Mastercard・Diners Club International・Discoverが利用可能です。

また、「Tour Pass(ツアーパス)」というプリペイドオプションもあります。海外カードからチャージして使う仮想カードで、上海銀行が為替レートと手数料を設定します。使い切れなかった残高はサービスページから返金申請できます。メインカードを直接登録したくない場合に便利ですが、多くの方にとってはカード直接登録のほうがシンプルです。

WeChat Pay(微信支付)

WeChat Payは、中国在住の知人や現地の友人とやり取りするためにWeChat(微信)をすでに使っている方に特に便利です。WeChat自体がメッセージングアプリとして広く使われているため、1つのアプリで連絡も決済も完結できます。WeChat Pay公式ヘルプによると、Visa・Mastercard・JCB・Discoverが利用可能です。

設定方法は次のとおりです:

  1. 電話番号でWeChatアカウントを登録
  2. 「Me(マイページ)」→「Pay and Services(支払いとサービス)」→「Wallet(ウォレット)」→「Bank Cards(銀行カード)」→「Add a Bank Card(カードを追加)」
  3. 利用規約に同意し、本人情報(パスポート番号など)を入力してカードを登録

※ 電話番号はSMSが受信できれば日本の番号(+81)でも登録可能です。中国の電話番号(+86)は不要です。本人確認書類はパスポートが使えます。

ただし、海外カードを登録したWeChat Payアカウントでは、「紅包(ホンバオ)」と呼ばれるデジタルお年玉や、個人間の送金を受け取ることができません。中国の友人から割り勘やお金を送ってもらおうとしても受け取れないため、注意が必要です。

⚠️ 注意: どちらのアプリも動作にはインターネット接続が必要です。中国到着直後からデータ通信が使えるよう、渡航前にeSIMを準備しておくことをおすすめします。AiraloのようなトラベルeSIMを使えば、手荷物受け取りエリアに到着する前にオンラインになれるため、アカウント認証や最初のタクシー呼び出しもスムーズです。

手数料と利用上限額

ここは見落としがちな重要なポイントです。アリペイ・WeChat Payともに、1回の支払いが200元(人民元)以下の場合は手数料無料です。200元を超える場合は、全額に対して3%のサービス手数料がかかります(北京市当局の公式情報より)。

屋台のご飯や地下鉄代なら関係ありませんが、ホテル代や高額なショッピングには影響があります。

WeChat Payでは、初めて海外カードを登録したユーザー向けに、初回取引から60日間・1日1,000元未満の取引について3%手数料を全額免除するキャンペーンが実施されていたことがあります(1回あたり最大30元の割引上限あり)。ただし内容は変わる可能性があるため、アプリ内で最新の条件を必ず確認してください。

利用上限額については、当局が最近、本人確認済みの外国人旅行者向けに引き上げを行いました。1回の取引上限が5,000ドル相当、年間累計上限が50,000ドル相当に拡大されています。ただしWeChat Payのヘルプページでは人民元建てで記載(1回6,500元、月間50,000元、年間65,000元)されており、ドル換算とは厳密に一致しない場合があります。上限は本人確認の完了度にも連動するため、高額な買い物をする前にアプリ内で自分の上限を確認しておくことをおすすめします。

もう1つのコストとして、ご自身のクレジットカード会社が海外利用手数料や通貨換算手数料(1〜3%程度)を別途請求する場合があります。アリペイ・WeChat Payの3%手数料に加算されるため、合計負担が増える可能性があります。アリペイは自社では為替マージンを上乗せしないと明記していますが、ご利用のカードの海外利用条件を事前に確認しておくと安心です。

Phone screen showing the add bank card setup process in a Chinese payment app

アリペイ vs WeChat Pay 比較表

項目 アリペイ(支付宝) WeChat Pay(微信支付)
対応カードブランド Visa、Mastercard、Diners Club、Discover Visa、Mastercard、JCB、Discover
中国の銀行口座 不要 不要
中国の電話番号 不要 不要(SMS受信可能な番号ならOK)
手数料 200元以下:無料 / 200元超:3% 200元以下:無料 / 200元超:3%
送金・紅包の受け取り 限定的 海外カードでは非対応
プリペイドオプション Tour Pass(ツアーパス)あり なし
JCBカード対応 非対応 対応
こんな方に最適 初めての設定・純粋に決済のみ使いたい方 すでにWeChatでメッセージを使っている方

※ JCBカードをお持ちの日本人旅行者はWeChat Payが対応しているため、選択肢として特に有利です。

ほとんどの旅行者にとって、アリペイのほうが最初の設定は少し簡単です。すでにWeChatをメッセージ用に使っているなら、WeChat Payを追加すれば別のアプリを増やさずに済みます。両方の設定を合わせても約20分程度で完了し、一方が決済できなかった際の予備にもなります。

アプリを使わない方法:Alipay+で自国のe-ウォレットを活用

中国のアプリをセットアップしたくない場合、Alipay+を使えば、対応している自国のe-ウォレットで中国本土のアリペイQRコードをスキャンして支払いができます。カードの登録も不要です。マレーシア、韓国、シンガポールなど特定の市場のユーザーが対象で、使い慣れた自国の決済アプリをそのまま利用できます。ただし対応ウォレットは変わる場合があるため、渡航前に自分のアプリが対応しているかを確認してから唯一の決済手段として頼るようにしましょう。現時点では日本の主要e-ウォレットの対応状況を渡航前にご確認ください。

現金は今でも使える──拒否は違法

キャッシュレスのイメージが強い中国ですが、人民元(RMB)の現金は法定通貨であり、受け取りを拒否することは違法です。中国人民銀行法第16条に基づき、中国国内のすべての取引は人民元で決済できなければならず、どの事業者も現金を拒否することはできません。

規制当局もこれを強く取り締まっており、現金を断った事業者に対して行政処分(3,000〜55,000元の罰金)を科した事例が国家発展改革委員会・中国人民銀行によって公表されています。大型ショッピングモール、観光地、エンターテインメント施設、ホテルは現金・カード・モバイル決済のすべてを受け付けることが国の方針で義務付けられています。

実際のところ、現金をほとんど扱わなくなった小規模な屋台などではおつりが出せないケースもあります。100元札よりも10元・20元・50元の小額紙幣を中心に200〜500元程度を用意しておくと安心です。もし事業者が本当に現金を拒否した場合は、中国人民銀行のクレームホットライン12363に連絡できます。

Chinese RMB banknotes fanned out, showing cash is legal tender in China

物理カードとATM

海外発行のVisa・Mastercard等の主要カードは、ホテル・空港・デパート・大型施設では使えますが、小さな飲食店や商店では対応していないことも少なくありません。物理カードは高額支払い時のバックアップとして位置づけておくのが賢明です。

現金の引き出しには、海外カードでも多くのATMで人民元を引き出せます。銀聯(UnionPay)ネットワークのATMは全国に広く普及しています。また中国では外貨両替サービスも拡充されており、主要空港や都市部の銀行・両替カウンターで各種通貨を両替できます。ただしレートや手数料は場所によって異なります。

消費税(VAT)の払い戻し:外国人旅行者向けタックスリファンド

まとめ買いをする場合、付加価値税(VAT)の一部を取り戻せる可能性があります。中国は「即時払い戻し制度」に移行し、出国時の空港だけでなく、認定免税店で購入時にすぐVAT還付を受けられるようになりました。

還付の概要は以下のとおりです:

  • 対象者: 183日以内の滞在の外国人旅行者および香港・マカオ・台湾からの旅行者
  • 条件: 購入日から90日以内に出国すること
  • 還付率の目安: 多くの消費財にはVAT13%が課税されており、手数料(約2%)を差し引いた約11%程度が還付される場合があります
  • 手続き: 店舗で還付申請書を受け取り、出国時に税関スタンプをもらったうえで、アリペイまたはWeChat Payの「タックスリファンド」機能から還付を受ける

※ 還付率や手続きは変更される場合があるため、購入前に必ず店舗でその時点のルールを確認してください。

Flowchart guiding tourists on which payment method to use in China

まとめ:どの決済方法を使うべきか?

短期旅行であれば、以下の組み合わせがほとんどの旅行者に対応できるシンプルなプランです:

  • 渡航前にアリペイをセットアップし、VisaまたはMastercardを登録 ─ 日常的な支払いの大半はこれでカバーできます。JCBカードをお持ちの方はWeChat Payも検討してください。
  • WeChat Payも追加 ─ すでにWeChatでメッセージをしているか、アリペイのバックアップとして。
  • 小額紙幣で200〜500元を用意 ─ 小さな屋台、お寺の賽銭箱、決済トラブルが起きた際のバックアップとして。
  • 物理カードを1枚携帯 ─ ホテル、高額な支払い、ATM引き出し用に。
  • 200元を超える支払いには注意 ─ モバイル決済アプリで3%手数料が発生するため、大きなホテル代等は物理カードのほうが安くなる場合もあります(ご利用のカードの手数料によります)。

この組み合わせで、6元のラーメンから3,000元のホテル代まで、旅行中のほぼあらゆる支払いシーンに対応できます。

よくある日本人旅行者の疑問

Q. PayPayやSuicaは中国で使えますか?
A. 現時点では、PayPayは中国本土のアリペイQRコードには対応していません。Suicaも使えません。Alipay+経由で使えるウォレットは限られているため、アリペイまたはWeChat Payを別途セットアップするのが確実です。
Q. 中国でGoogle・LINEは使えますか?
A. 中国ではグレート・ファイアウォール(インターネット規制)によりGoogle・LINE・Instagram等は通常使用できません。VPNの使用については現地の法規制に従ってください。WeChatは規制を受けずに使えます。
Q. 空港の両替とATMはどちらがお得ですか?
A. 一般的にATMのほうが有利なレートの場合が多いですが、カード会社の海外手数料によって異なります。詳しくは「お金の両替ガイド」をご確認ください。

おわりに

中国はモバイル決済が中心の社会ですが、外国人旅行者でも十分に対応できる環境が整っています。アリペイとWeChat Payはどちらも海外カードの登録に対応し、200元以下は手数料無料、200元超は3%の手数料がかかります。取引上限額も引き上げられ、現金は常に法定通貨として使用可能です。物理カードも大型施設では使えます。

最善の準備は、自宅でアリペイをセットアップしておくこと、WeChatを使うならWeChat Payも追加すること、そして少額の現金を持参することです。手数料・上限・各種規定は変更される場合があるため、渡航前にアプリ内で最新情報を確認することをお忘れなく。

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最終更新日:2026年6月

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