アプリと通信

中国旅行のSIMカード・eSIM完全ガイド

中国旅行中にインターネットを使う方法を徹底解説。物理SIMカードとトラベルeSIMの違い、空港・オンラインでの購入場所、料金比較、設定手順まで。GoogleやWhatsAppが実際に使える方法もわかります。日本人旅行者向けの実用情報満載です。

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中国旅行中にスマートフォンをインターネットに接続する方法は、大きく分けて2つあります。「+86番号付きの現地物理SIMカードを購入する」か、「出発前にトラベルeSIMをインストールする」かです。どちらが自分に合っているかは、一つの重要な問いにかかっています——中国のSMS(ショートメッセージ)を受信する必要があるか(アプリの本人確認などのため)、それとも単にデータ通信さえできれば十分か、という点です。

このガイドでは、両方の選択肢について、購入場所・料金・eSIMの設定手順をステップごとに詳しく説明します。また、初めて中国を訪れる方が見落としがちな重要ポイントもお伝えします。現地SIMを使う場合はVPNがないとGoogle・Instagram・WhatsAppに接続できませんが、トラベルeSIMの多くは追加設定なしでこれらのサービスに自動的にアクセスできます。

Split image showing a tourist buying a physical SIM card at a China airport counter and an eSIM QR code being scanned on a phone

物理SIMカード vs トラベルeSIM:何が違う?

どちらも実用的な選択肢です。ただし、それぞれ解決できる課題が少し異なります。

現地物理SIMカード

現地物理SIMカードを使うと、実際の中国の電話番号(+86)が付与され、通話やSMSの受信が可能になります。これは思った以上に重要な場合があります。WeChat(微信)の新規登録時にSMS認証が求められることがあり、フードデリバリーや一部の予約サービスでも中国の電話番号が必要なケースがあるからです。

デメリットは、現地SIMは中国国内ネットワークを経由するため、Google・Gmail・WhatsApp・Instagram・YouTubeなどのサービスはVPNを使わないと閲覧できない点です。

トラベルeSIM

トラベルeSIM(AiraloやHolaflyなどのサービス)は、ほぼすべてデータ通信専用です。中国の電話番号はなく、SMSも受信できません。ただし、国際ローミングで接続するため、通信トラフィックが中国本土外(通常は香港またはシンガポール)のゲートウェイを経由します。そのため、GoogleやWhatsAppなどの西側のアプリが追加設定なしで使えます。地図・決済・配車アプリ・メッセージのやり取りが主な用途であれば、eSIMの方がシンプルです。

比較項目現地物理SIMカードトラベルeSIM
中国の+86番号ありなし(データ通信のみ)
SMS・通話の受信可能不可
Google・WhatsApp接続VPNが必要通常は自動で接続可能
購入・設定方法窓口で対面、パスポート必須出発前にQRコードをスキャン
こんな人に最適長期滞在・電話番号が必要な方短期旅行・手軽にデータ通信したい方
💡 ヒント:両方を使い分ける旅行者も少なくありません。Western(海外)アプリに接続できるトラベルeSIMをデータ用に使いつつ、日本のSIMもそのまま入れておけば、銀行やその他のアカウントからのワンタイムパスワードのSMSも受信できます。

※日本人旅行者がよく迷うポイント

日本のスマートフォンはeSIM対応機種が多く、特に近年のiPhoneやAndroid(Samsung Galaxy・Pixelなど)はほぼ対応しています。ただし、以下の点に注意してください。

  • 中国本土で販売されたiPhoneはeSIM機能が搭載されていません
  • 香港・マカオ版のiPhoneも一部の古い機種を除きeSIM非対応です
  • 日本で購入したiPhone(SIMフリー含む)はeSIM対応です
  • 楽天モバイルや格安SIM(MVNO)のeSIM契約をお持ちの方は、スロットの空き状況を事前に確認してください

お使いのスマートフォンはeSIM対応?

特にiPhoneユーザーが引っかかりやすいポイントです。中国本土で購入したiPhoneにはeSIM機能が一切搭載されていません。また、香港・マカオ版も多くは非対応です(XSや2020年モデルのSEなど一部の例外あり)。米国・欧州・日本・韓国で購入したiPhoneであれば、eSIMは問題なく使えます。ご自身の機種が対応しているかは、Airaloのデバイス対応リストで確認できます。

Androidの場合、eSIM対応はモデルや販売地域によって異なります。スマートフォンの設定から「eSIMを追加」または「SIMをダウンロード」などのオプションを探してみてください。eSIM非対応の場合は物理SIMカードを選びましょう。

⚠️ 注意:中国本土または香港・マカオで購入したスマートフォンをお持ちの場合は、eSIMが使えないものと考えて、物理SIMカードを用意しておくことをおすすめします。出発当日に気づいても手遅れです。

選択肢①:現地物理SIMカードを購入する

外国人旅行者もパスポートがあれば観光客向けSIMカードを購入できます。中国では2010年以降、全SIMカードの実名登録制が施行されており、回線登録のためにパスポート原本を持参して対面で手続きする必要があります。外国人パスポートも明示的に受け付けられており、上海市の公式案内では有効期限が6ヶ月以上残っているパスポートの持参を推奨しています。

China Unicom and China Mobile SIM card counters in an airport arrivals hall with travelers

3大キャリアの比較

中国には3つの主要キャリアがありますが、外国人旅行者にとっての使い勝手はそれぞれ異なります。

  • 中国联通(チャイナ・ユニコム) — 外国製スマートフォンとの相性が最も良く、都市部での安定性が高いとされています。上海市の公式ガイドでも訪問者にユニコムを勧めており、外国人パスポートでの登録手続きがスムーズな市内中心部の店舗での登録を推奨しています。
  • 中国移动(チャイナ・モバイル) — 農村部や山間部を含む最も広いエリアカバレッジを誇ります。加入者数が圧倒的に多い最大手キャリアです。
  • 中国电信(チャイナ・テレコム) — 南部での通信が強く、料金が比較的安い傾向があります。

都市部が中心の旅程であれば、ユニコムを選ぶのが無難です。雲南省の農村地帯やシルクロード沿いなど、地方エリアへの訪問が含まれる場合は、チャイナ・モバイルのカバレッジの広さが有利になることもあります。

どこで買う?空港・市内店舗・オンラインの比較

購入場所メリットデメリット
空港カウンター到着後すぐ購入・使用可能。手続きが便利プランが短期向け中心でやや割高。英語対応は限定的
市内キャリアショッププランが豊富、料金が安い。長期滞在に最適並ぶ可能性あり。英語サポートが少ない。パスポート必須
オンライン(Trip.comなど)事前に比較検討できる。空港での受け取りも可能在庫や対応状況が変わることがある

主要空港のカウンター設置場所の目安は以下の通りです(変更になることがあるため、出発前に最新情報をご確認ください):

  • 上海浦東国際空港(PVG):T2の手荷物受取26〜28番付近にユニコムカウンターあり。到着ロビーにもSIMカウンターあり。T1は9番ゲート付近に24時間対応カウンターあり
  • 上海虹橋国際空港:国際線到着ロビーのサービスデスク(カウンター101)、目安として7:00〜19:00
  • 西安咸陽国際空港T3・成都天府国際空港T1:チャイナ・テレコムカウンターあり
  • その他の空港については、出発前にご確認ください

観光客向けプランの料金目安

キャリアや購入場所によって異なりますが、空港・オンラインで購入できる観光客向けプランの目安は以下の通りです(市内店舗の方が通常安くなります)。

利用期間データ量・通話おおよその料金
7〜10日間20〜35GB+通話100〜150分約85〜120元(約1,700〜2,400円)
15日間30〜50GB+通話200分約125〜150元(約2,500〜3,000円)
30日間50〜80GB+通話300分約195〜250元(約3,900〜5,000円)

参考として、アグリゲーター経由で確認できるユニコムの空港価格は、7日間30GBプランが約50元、15日間40GBが約80元、30日間50GBが約150元程度です。チャイナ・テレコムのインバウンドパッケージはやや高めの設定です。これらはあくまで目安であり、購入時に確認してください。払い戻し不可のプランが多く、料金は変動します。

SIMカード購入の手順(ステップごと)

  1. パスポート原本を窓口スタッフに渡す(実名登録のため必須)
  2. 滞在日数とデータ通信量・通話・SMSの必要性を伝え、プランを選ぶ
  3. スタッフにその場でSIMカードの挿入と開通をしてもらう
  4. 帰る前に、電波がつかめているか・(中国の)サイトが表示されるか・残高確認・チャージ方法を確認する

チャージや残高確認は後からWeChat Pay(微信支付)、アリペイ(支付宝)、または各キャリアのアプリ・ミニプログラムから行えます。チャイナ・テレコムの場合は「108」を10001宛てにSMSするか、10001に電話することで利用量を確認できます。

💡 データ使用量の目安:地図・決済・配車・チャットなど軽めの使い方で1日あたり0.5〜1GB程度。SNSや短い動画を見ると1〜3GB/日、ショート動画をヘビーに視聴したりテザリングをすると3GB/日以上になります。10日間の旅行なら合計5〜10GBが目安です。

選択肢②:トラベルeSIM(Airalo・Holafly など)

多くの旅行者にとって最も手軽な選択肢です。オンラインで購入し、出発前にインストールしておけば、着陸した瞬間からデータ通信が使えます。Western系のアプリにも接続できます。窓口での並び、パスポート登録、VPNの設定も不要です。

Traveler using a smartphone with maps and messaging apps working on a China travel eSIM

なぜeSIMはVPNなしでGoogleやWhatsAppに繋がるのか

ここは少し理解しておく価値があります。トラベルeSIMのサービス会社は「グレート・ファイアウォールを迂回するVPN内蔵」と宣伝することがありますが、これは主にマーケティング上の表現です。実際に起きているのは「国際ローミング」です。データが中国本土の外(香港またはシンガポール)のゲートウェイを経由して出ていくため、ネットワーク的には海外からアクセスしているように見えます。そのためブロックされているアプリも使えるようになるのです。独立系のeSIMデータベースeSIMDBがこの仕組みを詳しく解説しています。

なお、出口ゲートウェイの場所によってアクセスできるサービスが異なる場合があります。香港経由ではTikTokやChatGPTがブロックされることがある一方、シンガポール経由の方がアクセス範囲が広い傾向があります。どのプロバイダーがどのゲートウェイを使っているかは公式に公開されていないため、100%の保証はありません。

Airalo(データ上限あり)vs Holafly(無制限):どちらが向いている?

2大プロバイダーのアプローチは異なります。AiraloはGB単位の固定データプランを販売しています。中国向けeSIMは中国联通経由で提供され、中国移动の5G含むネットワークで動作します。ただしデータ通信専用で、電話番号・SMS受信はできません。Holaflyは日数単位の無制限データプランを販売しています。ただし、Holaflyの無制限プランではテザリング(ホットスポット機能)は使えません。

比較項目Airalo(データ上限あり)Holafly(無制限)
料金体系GB単位での課金1日単位・データ無制限
料金例3GB/7日間:約$10
10GB/15日間:約$25
20GB/30日間:約$40
(最安1GB/3日間:$4〜)
5日間:$20.90
10日間:$36.90
15日間:$50.90
30日間:$74.90
テザリング(ホットスポット)可能無制限プランでは不可
電話番号・SMSなしなし
こんな人に最適使用量が少〜中程度でテザリングしたい方データ量を気にせず使いたいヘビーユーザー

使用量が少〜中程度で、ノートPCやタブレットにテザリングする可能性がある場合は、Airaloの上限ありプランの方が通常安くて柔軟性も高いです。動画ストリーミングを多用したり、データ量を管理したくない場合はHolaflyの無制限プランが向いています。現在のプランと料金はAiraloのChina eSIMページで比較できます。プロモーションや為替レートによって変動するため、購入時にご確認ください。

⚠️ 注意:トラベルeSIMはデータ通信専用です。アプリのSMS認証などで中国の電話番号が必要な場合、eSIMだけでは対応できません。日本のSIMも引き続き利用するか、現地の物理SIMカードも追加で購入することをご検討ください。

eSIMのインストール・開通手順

安定したWiFi環境で、出発の1〜2日前にインストールしておきましょう。インストールと開通は別物です。プランのカウントが始まり、実際に使えるようになるのは、中国に到着してネットワークに接続した時点からです。ほとんどのプロバイダーは購入後にQRコードをメールで送ってきます。

Infographic showing the four steps to install and activate a China travel eSIM

iPhoneの場合

  1. 設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」を開く
  2. QRコードを使用」を選択し、プロバイダーから届いたQRコードをスキャンする
  3. 開通が完了したら、デフォルトのデータ通線をeSIMに設定する
  4. eSIM回線の「データローミング」をオンにする(これが必須です。ローミング接続の仕組み上、必要な設定です)

Androidの場合

  1. 設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM/SIM管理」を開く
  2. eSIMを追加」または「SIMをダウンロード」をタップする(表示名はメーカーによって異なります)
  3. QRコードをスキャンし、ダウンロード完了まで待つ
  4. eSIMをデータ回線に設定し、データローミングを有効にする
💡 ヒント:日本のSIMはそのまま挿したままにしておきましょう。日本の銀行やその他のサービスからのワンタイムパスワードのSMSは、引き続き日本の番号に届きます。データ専用のeSIMでは受信できません。

中国キャリアのeSIMは使えない?

この点は最近状況が変わりました。2025年末、中国の3大キャリアが商用eSIM電話サービスの承認を受け、iPhone Airが中国本土でeSIMを利用できる初のiPhoneになりました(iPhone 17/17 Pro/Pro Maxは引き続き物理SIMのみ対応。詳細はAppleのeSIMサポートページをご参照ください)。

ただし旅行者にとっては、まだ実用的な選択肢ではありません。キャリアのeSIMサービスは公式店舗での対面手続きと実名確認・現地での開通が必要で、国内ユーザー向けのサービスです。また中国では「1人5回線まで」という制限もあります。短期滞在の外国人旅行者が利用できる明確な公式手続きは現時点では存在しないため、空港での物理SIMか、国際トラベルeSIMをご利用ください。参考として、中国联通の公式eSIMサービス詳細は公式eSIMページでご覧いただけます。

VPNと法律について

現地の物理SIMを使ってGoogle・WhatsApp・Instagramにアクセスしたい場合は、VPNが必要です。中国本土ではVPNの使用は厳しく規制されており、外国人個人がVPNアプリを使うことは自己責任となります。多くの旅行者にとって、トラベルeSIMが人気の理由はまさにここにあります。ローミング接続によってこれらのサービスに接続でき、別途VPNアプリが不要だからです。詳しくはインターネット&VPNガイドをご覧ください。

結局どちらを選ぶべき?まとめ

  • 短期旅行・主にデータ通信が必要・eSIM対応スマートフォントラベルeSIM。最もシンプルで、Westernアプリにも接続でき、出発前に設定完了
  • 中国の電話番号(SMS・通話)が必要・長期滞在現地物理SIMカード(都市部はユニコム推奨)。市内店舗ならGBあたりの料金が安い
  • 中国本土で購入したスマートフォン・eSIM非対応の古い機種物理SIMカード
  • 両方の良いとこ取りをしたい → トラベルeSIM(データ用)+日本のSIM(SMS受信用)、または必要に応じて現地SIMも追加

出発前の最終チェックリスト

以下の項目を出発前に確認しておきましょう。

  • ※ eSIMを使う場合は、スマートフォンが対応しているか確認する
  • ※ eSIMは安定したWiFi環境で出発前にインストールし、データローミングをオンにしておく
  • ※ 現地でSIMカードを購入する場合は、有効期限が6ヶ月以上残ったパスポートを持参する
  • ※ 現地SIMはブロックされたアプリにVPNなしではアクセスできない。トラベルeSIMなら通常不要
  • ※ 日本のSIMは引き続き挿したままにし、各種サービスの認証SMS受信に使う
  • ※ 到着直後(または出発前)に通信環境を整えておくと、地図・決済・翻訳アプリが最初から使えて現地での行動がスムーズになる

通信環境が整ったら、次はスマートフォン決済の準備を進めましょう。外国カードでアリペイ(支付宝)を使う方法中国旅行前に入れておきたいアプリ一覧もあわせてご覧ください。

最終更新日:2026年6月

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