アプリと通信

中国旅行者向けWeChat(微信)完全セットアップガイド

中国渡航前にWeChat(微信)を準備しましょう。アカウント登録方法、外国カードをWeChat Pay(微信支付)に連携する手順、日本語設定、メニュー翻訳機能、旅行者に役立つミニプログラムまで、日本人旅行者向けに徹底解説します。

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WeChat(微信、Wēixìn)は、中国旅行中に欠かせないアプリです。月間アクティブユーザー数約14億人を誇り、メッセージのやり取り、ほぼすべての支払い、レストランのメニュー閲覧、タクシーの配車、地下鉄の乗車など、あらゆる場面で活躍します。外国人旅行者にとって特に重要なのは、①アカウントの登録(海外からだと少し手間がかかる場合があります)と、②外国カードをWeChat Pay(微信支付)に連携すること(2023年以降、大幅に簡単になりました)の2点です。このガイドでは、その両方を詳しく解説するとともに、日々の生活をスムーズにする翻訳ツールとミニプログラムもご紹介します。

Foreign traveler using WeChat to scan a QR code and pay at a street stall in China

※ 必ず日本出発前にセットアップを済ませてください。安定したインターネット環境と十分な時間がある自宅での作業が理想的です。混雑した空港のWi-Fiでは、登録が途中で止まってしまうことがあります。

ステップ1:WeChatを正規ルートからダウンロードする

WeChat(微信)は、公式サイト(www.wechat.com)、App Store、またはGoogle Playから入手してください。渡航前のダウンロードを強くおすすめします。すでに中国本土にいてGoogle PlayにアクセスできないAndroidユーザーは、weixin.qq.comからAPKファイルを直接ダウンロードできます。

⚠️ 注意:必ず公式版をインストールしてください。登録時はVPNをオフにし、安定した通信環境で行うことが重要です。非公式アプリや不安定なネットワークは、登録失敗やアカウント凍結の最も多い原因です。

ステップ2:アカウントを登録する

1つの電話番号につき、作成できるWeChatアカウントは1つだけです。今後も使い続ける番号を使用してください。登録に中国の電話番号(+86)は不要です。SMS認証コードが受信できれば、日本の電話番号(+81)で問題ありません。

アプリを開き、「アカウント登録(Sign Up)」をタップし、名前・電話番号・パスワードを入力して、SMSコードを確認します。ここまでは通常の手順です。問題は次のステップです。

QRコード認証ステップについて

海外からの新規登録では、アカウント有効化の前に追加のセキュリティ確認が求められることがあります。多くの場合、既存のWeChatユーザーに画面のQRコードをスキャンしてもらう「認証サポート(アシスト登録)」が必要です。近くに協力者がいない場合は、「支払いカードで認証(Verify via Payment Card)」オプションが選択できる場合もあります。

ただし、誰でも認証サポートができるわけではありません。WeChat公式ルールによると、スキャンする協力者は以下の条件を満たす必要があります:

  • アカウント取得から1ヶ月以上(海外ユーザーの場合)、または6ヶ月以上(中国本土ユーザーの場合)
  • 過去1ヶ月以内に他の人の登録サポートをしていない(年間上限3名まで)
  • 過去1ヶ月以内にアカウントがブロックされていない
  • 中国本土のユーザーの場合、WeChat Pay(微信支付)を有効化済みであること

QRコードは動的に生成され、表示から約3分で有効期限が切れます。協力者に事前に準備してもらってから操作を始めてください。日本を出発する前に、WeChatを使っている友人・知人に依頼しておくのが最もスムーズです。

💡 ヒント:中国到着後すぐに現地SIMカードまたはeSIMを使えると、登録やSMS認証がずっと楽になります。Airaloでは、出発前にインストールできる中国向けeSIMデータプランを購入できます。
WeChat registration screen showing a QR code for assisted verification by another user

ステップ3:インターフェースを日本語(または英語)に切り替える

WeChatは複数の言語に対応しています。言語を変更するには、「マイ(Me / 我)」→「設定(Settings / 设置)」→「一般(General / 通用)」→「多言語(Multilanguage)」から希望の言語を選択してください。

※ 残念ながら現時点では日本語インターフェースは提供されていないため、英語(English)の選択をおすすめします。公式のWeChat ヘルプセンターに詳細な手順が掲載されています。メニューが最初から中国語で表示されていても、アイコンの位置は言語に関係なく同じなので、場所で判断しながら操作できます。

ステップ4:外国カードをWeChat Pay(微信支付)に登録する

多くの旅行者が最も気になる部分です。2023年7月以降、WeChat Pay(微信支付)は外国カードへの対応を大幅に拡充しました。中国の銀行口座がなくても、中国本土のほとんどの店舗・レストラン・ホテル・交通機関で支払いが可能です。

必要なもの

  • 対応カード:Visa、Mastercard、Discover Global Network、JCB、Diners Club、UnionPayが対応しています。American Expressは一部の公式リストには記載がありますが、確実ではないため、アプリ内で事前に確認することをおすすめします。JCBは日本人旅行者にとって特に使いやすい選択肢です。
  • 有効な身分証明書:パスポート、中国外国人永久居留証(外国人居留証)、本土往来旅行証(台湾・香港・マカオ居民向け居留許可)などが使用できます。日本人旅行者はパスポートをご用意ください。

カードの追加手順

  1. WeChat(微信)を最新バージョンにアップデートし、サインインします。
  2. 「マイ(Me)」→「支払いとサービス(Pay and Services)」(または「設定 → 一般 → ツール」)→「ウォレット(Wallet)」をタップします。
  3. 銀行カード(Bank Cards)→ 銀行カードを追加(Add a Bank Card)」をタップし、Weixin Pay利用規約とプライバシーポリシーに同意します。
  4. 本人情報を入力します(パスポートのアップロードを求められる場合があります)。
  5. カード情報を入力し、SMS認証を完了させます。
  6. 6桁の支払いパスワードを設定して完了です。

公式の詳細手順はWeChat ヘルプセンターの国際カードガイドでご確認ください。

WeChat Pay Add a Bank Card screen with fields for card number, expiry and identity details

手数料と利用限度額

外国カードでの支払いには手数料がかかる場合があります。WeChat公式および北京市政府が公表している料金体系は以下の通りです:

取引金額WeChat Pay手数料
1回の取引が200人民元(RMB)以下手数料なし(無料)
1回の取引が200人民元(RMB)超取引金額の3%

北京市政府の公式情報によると、初めて外国カードを使用する利用者向けに、初回使用日から60日間、1日の取引合計が1,000人民元(RMB)未満の場合に3%手数料が免除されるキャンペーンが実施されていることがあります(1回の取引につき最大30人民元まで)。キャンペーンは期間限定のため、渡航時に適用されているかどうかご確認ください。

⚠️ 注意:3%の手数料以外にも、お使いのカード会社や為替換算による手数料がWeChat外で発生する場合があります。また、利用限度額はソースによって異なります(現在のヘルプセンターでは、1回あたり約6,500人民元、月間50,000人民元、年間65,000人民元と記載されています)。変更される場合もあるため、アプリ内で最新の情報をご確認ください。

もう一点重要なこと:外国カードのみで実名認証(実名认证)を完了していない場合、红包(ホンバオ、赤い封筒)の送受信、他ユーザーへの送金、零钱(電子マネー残高)へのチャージは原則できません。ただし、飲食店・交通機関・ホテル・ショッピング・観光施設などでの日常的な支払いはすべて問題なく利用できます。WeChat Pay(微信支付)と外国カードの詳しい比較については、外国カードでWeChat Payを使う方法もご参照ください。

ステップ5:メッセージとメニューを翻訳する

WeChat(微信)の翻訳機能は日常的にとても役立ちます。

  • メッセージの翻訳:中国語のメッセージを長押しして、「翻訳(Translate)」を選択します。翻訳先の言語は「マイ → 設定 → 一般 → 翻訳(Translation)」から設定できます。英語に設定することをおすすめします。
  • ミニプログラムのメニュー翻訳:2024年末以降、ミニプログラムを開いた状態で右上の三点アイコンをタップし、「翻訳(Translation)」を選択することで翻訳できます。英語・日本語・韓国語・スペイン語など18言語に対応しています。

上海市の公式情報サービスによると、WeChat(微信)のシステム言語を英語に設定しておくと、レストランのQRコードメニューをスキャンした際に自動的に英語で表示されることが多いとのことです。上海市のWeChat活用公式ガイドにもさらに詳しい使い方が掲載されています。

💡 日本人旅行者へのヒント:中国のレストランでは日本語メニューがない場合がほとんどです。WeChat(微信)の翻訳機能を積極的に活用しましょう。特に火鍋(ホットポット)店や点心(ディムサム)レストランでは、料理名の翻訳が大変役立ちます。
WeChat translating a Chinese restaurant QR menu into English on a phone screen

ステップ6:旅行者が実際に使うミニプログラム

ミニプログラム(小程序)とは、WeChat(微信)の中で動作するアプリのことです。別途ダウンロード不要で、WeChat内のミニプログラム版は独立アプリが求める中国の電話番号認証をスキップできる場合が多い点が旅行者には大きなメリットです。チャット画面を下にスワイプするか、「Discover(発見)→ ミニプログラム(Mini Programs)」から検索してアクセスできます。

ミニプログラム名主な用途
Didi(滴滴出行)配車サービス。中国のタクシー代替として最もポピュラー
Meituan(美团)フードデリバリー、レストランのお得情報、観光スポットのチケット
Ctrip(携程)高速鉄道(中国版新幹線)・ホテル・航空券の予約
SF Express(顺丰速运)荷物・スーツケースの発送・配送

各ミニプログラムの英語対応状況はまちまちなので、すべての画面が翻訳されているとは限りません。Didi(滴滴)の配車については、Didiガイドでステップごとに詳しく解説しています。

地下鉄・バス用「乗車QRコード(乘车码)」の使い方

WeChat(微信)の「シティサービス(City Services)」メニューから現在地の都市を選択し、「交通(Transport / 出行)→ 乗車QRコード(Transit QR Code / 乘车码)」をタップして有効化し、支払い方法を認証します。あとは地下鉄の改札や路線バスのリーダーにスキャンするだけです。地下鉄では入場と退場で同じコードを使用する必要があります。北京・上海・広州・成都・重慶などの主要都市で利用可能ですが、外国人が利用できない都市もあります。渡航先で利用できるかどうか、事前に確認しておきましょう。詳しくは地下鉄システムガイドもご参照ください。

リアルタイム位置情報共有

混雑した観光地でグループ行動をする際にとても便利な機能です。任意のチャット画面で「+ → 位置情報(Location)→ リアルタイム位置情報(Real-Time Location)」をタップすると、グループ全員の現在地を共有・確認できます。家族旅行に特におすすめの機能です。

Traveler scanning a WeChat Transit QR code at a metro turnstile in China

よくあるトラブルと解決方法

Q. 登録が何度やっても失敗する

VPNをオフにして、安定したWi-Fiまたはモバイル通信に切り替えてください。また、公式アプリを使っているかどうかも確認してください。それでもQRコード認証が必要な場合、近くに協力者がいないときは支払いカードによる認証オプションをお試しください。

Q. カードが登録できない

カードブランドが対応しているか、国際オンライン取引が許可されているか、カード名義がIDと一致しているかを確認してください。不正利用防止のため、初回の試みをカード会社がブロックする場合があります。引き落としが拒否された場合は、カード会社に連絡してください。

Q. 支払いに関するトラブルはどこに相談すればいい?

WeChat Pay(微信支付)のサポートホットラインは、中国国内からは95017、海外からは+86 571 95017です。法人向けの問い合わせは[email protected](月〜金、9:00〜18:00 GMT+8)まで。詳細はWeChat Pay公式サイトでご確認ください。

日本人旅行者がよく陥る誤解

  • 「LINEのように使えると思っていた」:WeChat(微信)はLINEと似た部分もありますが、決済・行政サービス・ミニプログラムなど機能がはるかに多岐にわたります。中国滞在中の生活インフラとして活用しましょう。
  • 「グレート・ファイアウォールの影響でWeChatも使えないのでは?」:WeChat(微信)自体は中国国内で問題なく使用できます。ただし、Google・LINE・Twitter・Instagram等は引き続きVPN無しではアクセスできません。
  • 「現金でも大丈夫」:中国の多くの場所ではキャッシュレス決済が主流です。WeChat Pay(微信支付)またはアリペイ(支付宝)の事前準備を強くおすすめします。

まとめ:出発前チェックリスト

  • ✅ 日本出国前に公式WeChatをインストール済み
  • ✅ SMS受信可能な電話番号でアカウント登録済み
  • ✅ QRコード認証用のWeChat使用済み友人・知人を確保済み
  • ✅ インターフェースを英語に切り替え済み
  • ✅ Visa・Mastercard・JCBなど対応カードをWeChat Pay(微信支付)に追加済み
  • ✅ Didi(滴滴)・Meituan(美团)・Ctrip(携程)のミニプログラムを確認済み
  • ✅ 渡航先の都市で乗車QRコード(乘车码)が使えるかどうか確認済み

200人民元(RMB)以下の支払いは手数料無料、200人民元超は3%の手数料がかかります。実名認証なしでは红包(赤い封筒)の送受信や他ユーザーへの送金はできませんが、飲食・交通・ホテル・観光施設での支払いは問題なく利用できます。翻訳機能とミニプログラム(Didi、Meituan、Ctrip、乗車QRコード)を使いこなせば、中国旅行中のほとんどの場面に対応できます。自宅で安定したインターネット環境を使ってすべてを設定しておけば、現地到着後はタップするだけで支払いが完了します。なお、WeChat Pay(微信支付)とアリペイ(支付宝)は機能が重複する部分も多いため、バックアップとして両方セットアップしておくことをおすすめします。

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最終更新日:2026年6月

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