中国では日本の「110番・119番」のように、警察・救急・消防がそれぞれ別の番号になっています。具体的には、警察が110番、救急車が120番、消防が119番です。この3つさえ覚えておけば、どんな緊急事態にも対応できます。いずれも全国どこからでも無料でかけられ、公衆電話からも利用可能です。
ただし、日本人旅行者が意外と知らない落とし穴があります。オペレーターは基本的に中国語のみ対応で、一部の大都市を除いて英語や日本語対応は保証されていません。このページでは、緊急時に使える全番号・通報時の伝え方・各国大使館の連絡先を網羅した「保存版リファレンス」として役立てていただけます。渡航前に印刷またはスクリーンショットして携帯してください。

まず覚えるべき3つの番号
他に何も覚えなくても、この3つだけは必ず覚えてください。全国共通・無料・市外局番なしで直接かけられます。
| 番号 | サービス | 利用シーン |
|---|---|---|
| 110 | 警察(警察、jǐngchá) | 盗難・強盗・暴行・パスポートの紛失・盗難・交通事故・犯罪全般、またはどこに連絡すべきか迷ったとき |
| 120 | 救急車(救护车、jiùhùchē) | けが・心筋梗塞や脳卒中の疑い・重篤なアレルギー反応・意識不明などの医療緊急事態 |
| 119 | 消防(火警、huǒjǐng) | 火災・爆発・化学物質漏洩・建物崩壊・大規模交通事故・自然災害 |
上海市政府の国際サービスガイドによると、110番はあらゆる緊急事態の総合窓口としても使えます。間違った番号にかけてしまっても、オペレーターが適切な部署に転送してくれます。迷ったら110番にかけましょう。
※重要:日本語は通じる?オペレーターの言語対応について
多くの旅行ガイドでは触れられていませんが、正直にお伝えします。110・120・119番のオペレーターは基本的に中国語のみ対応です。全国的に日本語や英語対応は保証されていません。通訳が折り返し電話をかけてくることもありますが、それが必ずしも期待できるわけではありません。
確認されている例外を2つご紹介します:
- 上海の110番ホットラインでは、英語・日本語・ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・アラビア語・韓国語の8言語に対応しています。
- 北京・上海の12345番(非緊急サービスホットライン)は多言語対応が充実していますが、緊急事態向けではありません(詳細は後述)。
中国語が話せない場合の現実的な対策:ホテルのフロントスタッフや近くにいる人に電話を代わりに取り次いでもらう、または音声翻訳アプリを活用するのが最善策です。最初に「場所」を伝えることが最優先です。
通報時の伝え方:番号別フレーズガイド
緊急通報では、最初に伝える情報が重要です。番号ごとに必要な内容をまとめました。
110番(警察)に電話する場合
- 事件の発生時刻と場所、自分の名前、連絡先番号を最初に伝える。
- 正確な住所がわからない場合は、近くの大きな建物やランドマークを説明する。
- 電話を切らずに待つ(警察から折り返し確認の電話が来る場合がある)。
- パトカーが来たら手を振って知らせる。
120番(救急車)に電話する場合
- 詳細な住所と患者の状態・主な症状を伝える(例:吐血している、意識がない、高所から転落した、など)。
- 自分の連絡先を伝える。
- 誰かをビルの入口や最寄りの交差点で待機させ、救急車を誘導する。
- オペレーターが切るまで電話を切らない(追加の質問や指示がある場合がある)。
119番(消防)に電話する場合
- 正確な場所を明確に伝える(通り名・路地名・番地・目印となる建物)。
- 緊急事態の種類(火災・爆発・化学物質漏洩)と、閉じ込められた人やけが人がいるかどうかを伝える。
- 自分の連絡先を伝える。

救急車は有料?費用について
はい、120番の救急車サービスには費用がかかります(警察・消防と異なり無料ではありません)。費用は「病院前救急処置費」と「救急車使用料」の組み合わせが一般的で、都市によって異なります。北京の公式料金表によると、市内搬送は1人120人民元(RMB)+車両使用料、長距離の省をまたいだ搬送は距離に応じた料金設定となっています。費用は後払いのため、本当の緊急時には費用を気にせず即座に電話してください。
これが海外旅行保険に加入しておくべき大きな理由の一つです。また、生命に関わる緊急事態でない場合は、最寄りの病院よりも日本語・英語対応スタッフがいる病院への搬送を希望することもできます。事前に確認しておくことをお勧めします。
その他の便利な番号一覧
状況によって役立つ専門ホットラインをまとめました。
| 番号 | 用途 |
|---|---|
| 122 | 交通事故通報(110番経由でも対応可) |
| 12110 | SMS(テキスト)による警察への通報。声で通話できない場合(聴覚・言語障害のある方、声を出せない状況)に使用。12110の後に市外局番の下3桁を付加して送信(例:北京→12110101、上海→12110021、福州→12110591) |
| 12395 | 海上・水上での遭難・捜索救助(衝突・転覆・落水・海上での急病など) |
| 12315 | 消費者相談ホットライン(不当請求・商品の欠陥・店舗とのトラブル) |
| 114 | 電話番号案内 |
※ 12110番のSMS通報は、公安部が110番の補完として全国展開した制度で、あまり知られていませんが重要な選択肢です。ただし、通常の緊急事態では110番への音声通話の方が対応が速いです。
12345番:トラブル・クレーム・非緊急事態に最適なホットライン
真の緊急事態ではないトラブル(ツアーガイドによる強引な買い物・タクシーでのぼったくり・サービストラブル・遺失物の問い合わせ・交通や生活に関する一般相談など)には、12345番が最適です。中国の24時間非緊急公共サービスホットラインで、各都市が運営しており、外国人の利用も明示的に歓迎されています。海外からかける場合は「+86+市外局番+12345」です。
旅行者にとって特に嬉しいのが主要都市での多言語対応です:
- 北京12345番:英語・韓国語・日本語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・スペイン語・アラビア語・ポルトガル語・イタリア語の10言語に対応。ダイヤル:(+86 10)12345。詳細は北京12345公式ページをご確認ください。
- 上海12345番:24時間対応、中国語に加えて18言語の外国語に対応、24時間以内の回答を目標としています。ダイヤル:+86 21 12345。詳細は上海12345ページをご参照ください。
※ 以前使われていた全国旅行ホットライン「12301番」は、文化観光部の通達により各都市の12345番に統合されました。旅行関連のクレームや問い合わせは現在12345番が窓口となっています(一部地域では旧来の案内に12301番が記載されている場合がありますが、現在は12345番をご利用ください)。
北京の在中国大使館・領事館の緊急連絡先
パスポートの紛失・逮捕・入院・その他の深刻なトラブルが発生した場合は、自国の大使館または領事館に連絡してください。大使館は領事支援を提供してくれます。北京の大使館情報を以下に掲載します。上海・広州・成都・瀋陽・武漢などにも総領事館があり、それぞれ独自の緊急ラインを持っていますので、最寄りの領事館は政府の公式旅行サイトで確認してください。

在中国日本国大使館
北京の在中国日本国大使館へは、緊急時・非常時は領事サービス担当部署までお問い合わせください。最新の緊急連絡先・住所・領事サービスの詳細については、在中国日本国大使館公式サイトを必ず渡航前にご確認ください。上海・広州・成都・瀋陽・青島・重慶にも総領事館があります。
アメリカ大使館(北京)
U.S. Embassy Beijing:北京市安家楼路55号(Beijing 100600)。緊急の場合:010-8531-4000(時間外は010-8531-3000、中国国外からは+86 10-8531-4000)。24時間対応の全世界支援ライン:+1-202-501-4444(海外から)または+1-888-407-4747(米国・カナダから)。詳細は在中国米国大使館ページをご参照ください。
イギリス大使館(北京)
British Embassy Beijing:北京市建国門外光華路11号(100600)。一般問い合わせ:+86 (0)10 5192 4000。英国籍の方への領事支援:+86 (0)10 8529 6600。詳細はGOV.UK 在北京英国大使館ページをご参照ください。
オーストラリア大使館(北京)
Australian Embassy Beijing:北京市朝陽区東直門外大街21号(Beijing 100600)。電話:+86 10 5140 4111(時間外は1番を押して領事緊急センターへ)。24時間領事緊急センター直通:+61 2 6261 3305(海外から)または1300 555 135(オーストラリア国内から)。詳細は在中国オーストラリア大使館ページをご参照ください。
カナダ大使館(北京)
Embassy of Canada, Beijing:北京市朝陽区東直門外大街19号(Beijing 100600)。電話:+86 (10) 5139-4000。緊急領事支援24時間対応、オタワの緊急対応センター(コレクトコール):+1 613 996-8885。詳細はカナダ政府大使館ページをご参照ください。
上記以外の国籍の方も、ドイツ・フランス・韓国・その他の国が北京に大使館を、主要都市に領事館を置いています。第三者サイトの情報は古くなっていることがあるため、渡航前に必ず自国の政府公式サイトで最新の連絡先を確認してください。
渡航前チェックリスト:保存・印刷用
以下を出発前に確認し、スマートフォンのロック解除なしでも確認できる場所(財布のカードや手帳など)にもコピーを保管しておきましょう。
- 📞 110番:警察(無料・全国共通)
- 📞 120番:救急車(通報は無料。搬送には費用がかかります)
- 📞 119番:消防(無料・全国共通)
- 📞 122番:交通事故通報
- 📞 12345番:非緊急・苦情・旅行者トラブル(北京・上海では日本語対応)
- 📱 12110番:SMSによる警察通報(市外局番下3桁を追加)
- ☐ 在中国日本国大使館・最寄り総領事館の緊急連絡先を電話帳に保存済み
- ☐ ホテルの住所を中国語でスクリーンショット済み
- ☐ 海外旅行保険の緊急アシスタンス番号と証券番号を控えた
- ☐ 通話・翻訳アプリに使える中国SIMカードまたはeSIMを用意済み
通話前に知っておくべき実際的なポイント
通話できる環境を整えておくことは、多くの方が思っている以上に重要です。電話をかけるためだけでなく、翻訳アプリを使うためにも、通話・データ通信が使える中国SIMカードまたはeSIMが不可欠です。
また、中国滞在中の安全・健康に関する全般的な情報も事前に確認しておくことをお勧めします。パスポートを紛失した場合の対応手順についても、渡航前に把握しておくと安心です。
まとめ
中国の緊急システムは、サービス別に分かれていることを理解すればシンプルです。警察は110番、救急は120番、消防は119番——すべて無料、すべて直接ダイヤル。実際の課題は言語の壁ですが、現地の住所を中国語で保存し、スマートフォンのバッテリーとデータ通信を確保し、必要なら中国語話者に電話を代わってもらうことで対応できます。
真の緊急事態ではないトラブル(詐欺・口論・クレームなど)には12345番が適切で、北京・上海では日本語で対応してもらえます。そして、在中国日本国大使館の緊急連絡先と海外旅行保険のアシスタンス番号を必ず渡航前に保存しておきましょう。5分間の事前準備が、いざというときに大きな差をもたらします。
公式情報としては、上海市政府の緊急ガイダンスと中国中央政府の緊急番号ガイドも渡航前の参考にしてください。
最終更新:2026年6月
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