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中国で外国人旅行者が狙われる詐欺は、種類が少なく、パターンさえ知っていれば見分けられます。行き先を相手が決めてくる親切な人、本物のタクシーではない車、頼んでもいないのに出てくるQRコード、公式の窓口ではないところで売られているチケット――形はだいたいこのあたりです。どれも力ずくでは始まりません。必ず先にこちらが何かに同意する必要があるので、離れるタイミングは「はい」と言う前になります。以下では、手口ごとの見分けるポイント、出くわす可能性がとくに高い2つ、そしてすでに払ってしまった場合にやること(どのお金なら現実に戻ってくるかも含めて)を書きます。
手口の一覧、見分けるポイント、その場の対処
| 手口 | 始まり方 | 見分けるポイント | 対処 |
|---|---|---|---|
| お茶会/バーの請求 | 若い地元の人が英語を練習したいと声をかけ、茶館やバーを提案してくる | 店を選ぶのが相手側。値段の表示がない | 「人と待ち合わせがあるので」と言ってそのまま歩く |
| 美術学生 | 「学生」が自分の作品の無料展示に誘ってくる | 展示会場は実は店で、買うよう圧力をかけてくる | 誘いを断る。中には入らない |
| 白タク(無許可の車) | 空港や駅の建物の中で声をかけられ、車を勧められる | 公式の乗り場ではない。メーターも屋根の表示灯もない | 公式の乗り場か配車アプリを使う |
| メーター拒否/遠回り | 運転手が定額を提示する、または不自然な経路を通る | メーターが動いていない。「メーターが壊れている」 | 車が動き出す前に降りる。すでに走っているならナンバーを控えて通報する。メーターを使わない運行なら、支払いを拒む権利がある |
| 偽札のすり替え | 高額紙幣を「確認する」と言って受け取り、偽札にすり替えて返してくる | 見えないところで紙幣がすり替えられている | スマホで払う。受け取った紙幣は確認する |
| QRコードのすり替え/偽の返金 | 店のコードの上に別のコードが貼ってある。または「返金」に先にスキャンが必要だと言われる | そのコードが店のものではない。返金なのに支払いを求められる | 店自身のコードだけをスキャンする。返金にスキャンは絶対に不要 |
| 偽チケット・偽ガイド | 入口近くの客引きがチケットやツアーを売る。「今日は休みです」と言ってくる | 公式の窓口やアプリではない | 公式チャネルで買う。開いているかどうかは自分で確認する |
| 「無料」のマッサージや写真 | 路上で無料のサービスを持ちかけられ、あとから請求が来る | 事前に値段を決めていない | 先に値段を決めるか、断る |
出る場所は決まっています。有名な歩行者天国や広場(北京の王府井や天安門、上海の南京路や外灘)、空港と鉄道駅の出口、主要な観光地の入口、そして夜の繁華街です。ふつうの住宅街を歩いているぶんには、旅行中ずっと誰にも声をかけられないまま終わることもあります。遭遇する頻度そのものは高くありません。それでも一覧を知っておく意味があるのは、実際に出くわす2回か3回が、上の説明とそっくり同じ形で来るからです。

声をかけてくる型――お茶、美術学生、「英語の練習」
いちばん有名なのがお茶会の詐欺です。請求書が出てくるまでは終始感じがいいので、うまくいってしまいます。観光名所の近くで、身なりのいい若い人が2〜3人、話しかけてきます。学生だと名乗ることが多く、女性が多く、英語はいつもとても上手です。あなたの国のことを楽しそうに聞いてきて、10分ほど雑談したところで、知っている伝統的な茶館やバーに行こうと誘ってきます。お茶は作法どおりに出てきますが、メニューは出てきません。そして請求額は、お茶の相場の何倍にもなります。払い終わるまで、店の人があなたと出口の間に立ちます。さっきまでの新しい友人は、いなくなるか、演出の一部として「自分の分を払う」かのどちらかです。美術学生の型は、茶館がギャラリーに変わり、絵を買えという圧力に変わるだけです。「英語を練習させてほしい」という入り方も、最初の一言が違うだけで中身は同じです。
見分けるポイントはいつも同じです。次の場所を決めるのが相手だ、という点です。本当に親切な地元の人はいますし、その場で楽しく話してくれます。ただ、どこかの店へ誘導することはしません。だから対処も単純で、失礼な態度を取る必要もありません。話したいだけ話して、店の名前が出てきたら「友達と待ち合わせがあるので」と言って歩き出せば済みます。お茶が飲みたいなら、店は自分で選んで、値段の書かれたメニューを見せてもらってください。それで気持ちよく過ごせます。すでに店の中にいて請求書が来てしまった場合は、テーブルで値段の交渉をしないことです。印刷されたメニューに載っている分しか払わない、とはっきり伝えます。それでも外に出してもらえないなら、それはもう料金の揉め事ではなく警察の話です――110番にかけてください。上海の110は、英語のほか日本語にも対応しています。上海以外では中国語だと思っておいてください。近くにいる人や隣の店の人に電話を代わってもらうか、翻訳アプリをスピーカーに向けます。たいていの店はこの時点で引き下がります。この詐欺は、あなたが電話をかけないことを前提にしているからです。
タクシー――白タク、「壊れた」メーター、遠回り
タクシーがらみの詐欺は、着いた直後に集中します。空港や駅の建物の中で「タクシー?」と声をかけられ、そのまま個人の車に案内されて、勝手に決めた値段を言われる型です。本物のタクシーは建物の外の公式の乗り場に並んでいます。2つめは、正規のタクシーなのに運転手が「メーターが壊れている」と言ったり、定額を提示してきたりする型です。3つめは、メーターは本物で、道だけがやたら長い型です。2つめと3つめは、全国のタクシー規則に違反します。規則では、運転手は乗客が指定した目的地まで合理的な経路で走り、メーターを使い、定められた料金で計算し、有効な料金の領収書を自分から渡さなければならず、乗車拒否、値段の交渉、途中で降ろすこと、わざとの遠回りは禁止されています。メーターが使われない場合や領収書が出ない場合、乗客には支払いを拒む権利があり、運転手にはこうした違反に対して200元以上500元以下の罰金が科されます。北京市のタクシー条例も同じ内容で、釣り銭を渡す義務や、実際に払った金額と一致する正式な領収書を渡す義務まで定めています。
実際の対処はこうです。公式の乗り場を使うか、できれば配車アプリを使ってください。アプリなら乗る前に値段が出ますし、走っている経路も画面に出ます。運転手がメーターを拒んだら、車が動き出す前に降りてください。降りてしまえばそれで終わりますし、判断にかかるのは数秒です。取られすぎたうえで追及したい場合は、ナンバープレート、ドアに書かれた会社名、時刻を控え、領収書があれば取っておいて、タクシーの苦情を受け付けている交通運輸サービス監督ホットライン12328に申し立てます。ただし言葉が心配なら、北京と上海では市民ホットライン12345に外国語対応の窓口があり、日本語でも話せます。それ以外の都市では、ホテルに頼んで12328にかけてもらってください。中国のタクシーと配車アプリ、そしてDiDiアプリの使い方の記事で、乗車時のナンバー照合など実務的な部分を扱っています。

お金の詐欺――偽札、すり替えQRコード、返金の口実
偽札は現金時代の代表的な手口でしたが、現金そのものが使われなくなったのと一緒に、ほとんど消えました。支払いのほぼすべてがスマホのスキャンになると、偽札の行き場がなくなるからです。それでも完全になくなったわけではありません。100元札を「確認する」と言って受け取り、別の札を返してくるタクシー運転手や、偽の釣り銭を渡す市場の屋台です。だから習慣を2つ持っておくと安心です。ひとつは、払えるところではスマホで払うことです(外国発行のカードでAlipay(支付宝)を使う方法の記事を参照)。もうひとつは、渡された高額紙幣を中国人民銀行が公表している偽造防止の特徴と照らし合わせることです。現行の2019年版50元札なら、表の大きな額面数字は傾けると緑と青の間で変わり、セキュリティスレッドは赤から緑に変わり、肖像は触ると凹凸があるので、この3点をその場で確認してください。銀行があなたの現金の中から偽札を見つけた場合は、目の前で回収し、「偽札」を示す印を押して、回収したことの証明書を渡します。納得できないときは、回収から3営業日以内に無料の真偽鑑定を申請して確認してもらえますが、札は銀行が保管したままで、本物と交換してはくれません。だから実際のルールはひとつで、怪しいと思った札は受け取らないことです。いったん自分の手に渡ってしまえば、損をするのは自分だからです。
QRコードの手口が、その現代版です。よく聞くのは2つです。ひとつは、店の本物のコードの上に偽の決済用コードのシールを貼るものです。あなたは払ったつもりでも、その代金は店には届きません。もうひとつは、「返金します」「当選しました」と言って、先にコードのスキャンやカード情報の入力をさせるものです。返金に支払いやスキャンが必要になることはありません。店のコードなら、頼めば店員が自分のスマホやレジの画面で見せてくれます。電柱やテーブルの端に貼ってあるコードは、誰が貼ったものか分かりません。スキャンしないでください。もう2つあります。見知らぬ人の代わりに支払うためのスキャンはしないでください。「アプリが使えなくて」という話がどれだけよくできていても同じです。あなたの現金だけが相手の手に渡り、支払いは成立しません。それから、店で教わったわけではない公共Wi-Fiでは、銀行アプリや決済アプリにログインしないことです。すでに相手にお金を送ってしまった場合は、警察の詐欺対策専用回線96110にかけてください。逆に96110と表示された番号から着信があったら、必ず出てください。あなたが詐欺の最中かもしれないと警察が見ている、という意味です。そのうえで、銀行か決済アプリに連絡して、送金を止められないか試します。ここでは、とにかく速さが大事です。
チケットとガイド、そして「今日は休みです」
主要な観光地の門の前には、3つの型が出ます。1つめは、偽物だったり使用済みだったりするチケットを売る客引きです。2つめは、資格を持たないのに割高な料金を取り、店に連れて行く「ガイド」です。3つめは、「今日はここは休みです」と教えてくれて、別の場所(土産物店、別の「お寺」、茶館)までのタクシーを勧めてくる親切な人です。大きな観光地は自前の公式アプリ、WeChat公式アカウント、公式サイトでチケットを売っていて、外国人はパスポート番号での予約になることが多く、事前予約が必須の施設も少なくありません。買うならそこか、Trip ComやKlookのような実績のあるプラットフォームです。同じ入場チケットや英語のツアーを、値段を先に表示したうえで売っています。誰かに「今日は休みだ」と言われたら、公式ページで自分で確認してください。本当に休みであることはめったにありません。資格のあるガイドはガイド証(导游证、dǎoyóuzhèng)を持っています――見せてもらってください。ガイドを頼むなら門の前ではなく、観光地自身かプラットフォーム経由にします。ツアーやガイドへの苦情については、いまも案内されていることがある旅行ホットライン12301が2021年末に市民ホットライン12345へ統合されたので、かけるべき番号は12345です。買ったものが説明と違った、あるいは偽物だった場合は、消費者向けの苦情窓口12315があり、ウェブサイトは12315.cnです。
詐欺に遭ってしまったら――いまやること
番号は、何が起きたかで分かれます。閉じ込められている、脅されている、外に出してもらえない――これは警察の話で、すぐに110番です。タクシーに取られすぎた、ツアーが説明と違った、というのは苦情で、政府はこうした苦情を110ではなく12345に回すことにしています。110は犯罪と危険のための番号です。払ってしまった高すぎる請求や偽物の商品は12315です。どの番号か迷ったら12345が総合窓口で、担当に回してくれます。詐欺相手への送金やフィッシングの支払いは96110です。盗難や茶館での恐喝など、犯罪として届け出る場合は、警察署(派出所、pàichūsuǒ)に行って、書面の受理証明(受案回执、shòu'àn huízhí)をもらってください。届け出た人には必ず発行しなければならないことになっています。保険会社が「ポリスレポート」と呼んでいるのは、この書類のことです。緊急連絡先の記事で、何を伝えればいいか、警察署で何が起きるかを説明しています。
取り戻せるかどうかは、現実的に見ておいてください。カードで払ったお金は、銀行を通じてチャージバックとして争える場合があります。とくに偽物の商品や、提供されなかったサービスならその可能性があるので、領収書とスクリーンショットは全部残しておきます。詐欺相手に送金してしまったお金は、96110か銀行が数分以内に凍結できなければ、たいてい戻りません。茶館で手渡した現金は戻らないと考えてください。警察は届け出を受理しますし、店に出向くこともありますし、その届け出は保険の請求にも使えますが、返金をあてにする話ではありません。戻らないお金は戻らないと先に見きっておけば、店と言い争うのではなく、届け出と保険の請求のほうに力を使えます。
よくある質問
中国の「お茶詐欺(茶館詐欺)」とは何ですか?
観光名所の近くで親しげに声をかけてきた若い地元の人が、知っている茶館へ誘う手口です。メニューはなく、作法の凝ったお茶が出てきて、請求額は本来の何倍にもなり、払うまで店の人が出口をふさぎます。見分けるポイントは、店を選ぶのが相手だという点です。話すのは好きなだけ話して、店の名前が出てきたら「人と待ち合わせがあるので」と言って離れてください。すでに中にいて出してもらえないなら、それは警察の話です――110番にかけてください。110は犯罪と身の安全に関わる通報を受ける番号です。
そのタクシーが正規かどうか、どう見分けますか?
公式の乗り場に並んでいて、屋根に表示灯があり、ドアに会社名が書かれていて、運転手が言われなくてもメーターを倒す――これが正規のタクシーです。全国の規則はメーターの使用、定められた料金、領収書の発行を義務づけていて、メーターが使われなければ支払いを拒めます。ターミナルの建物の中で近づいてきて車を勧める人は、タクシーではありません。配車アプリを使えば、この判断自体が不要になります。ナンバー、値段、経路がすべて画面に出るからです。
中国で詐欺に遭いました。どうすればいいですか?
番号を状況に合わせます。閉じ込められている、脅されているなら110、詐欺相手に送金してしまったなら96110、サービスの揉め事や取られすぎなら12345、偽物や説明と違う買い物なら12315です。そのうえで書類を確保します。届け出たものについては警察の受案回执(受理証明)をもらい、領収書とスクリーンショットを揃えます。カード払いはチャージバックできることがありますが、送金と現金はたいてい戻りません。
中国では偽札は多いですか?
以前よりずっと少なくなりました。支払いの大半がスマホになり、偽札の行き場がなくなったからです。それでもタクシーや市場の屋台の釣り銭として出てくることはあるので、払えるところはスマホで払い、渡された高額紙幣は確認してください――現行の2019年版50元札なら、見る角度で色が変わる額面数字とセキュリティスレッドは、その場で見れば分かります。銀行が偽札を見つけた場合は、回収して証明書を出しますが、本物と交換はしません。
これだけで全部カバーできる5つの習慣
- 次に行く場所を、知らない人に決めさせないでください。
- サービスを受ける前に値段を決めるか、メニューで値段を確かめてください。値段が出ていないなら、そこでは頼まないでください。
- タクシーは公式の乗り場のメーター車か配車アプリを使い、誰かに連れて行かれた車には乗らないでください。
- 支払いはスマホで、スキャンするのは店自身のコードだけにして、スキャンを求めてくる「返金」は詐欺だと考えてください。
- チケットは公式チャネルか実績のあるプラットフォームで買い、「今日は休み」は自分で確認してください。
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最終更新:2026年9月
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