市内交通

中国の路線バス完全ガイド

外国人旅行者向け・中国の路線バスの乗り方を徹底解説。アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)のQRコード決済、交通カード、現金払いの方法から、運賃のしくみ、乗降ルール、日本語サポートの有無まで、実用的なヒントをまとめました。

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中国の路線バスは、運賃が安く本数も多く、地下鉄が通っていないエリアにもアクセスできる便利な交通手段です。ただし、中国語が読めなかったり支払い方法がわからなかったりすると、最初は少し不安に感じるかもしれません。でも、ご安心ください。現在は外国人旅行者でも、海外の電話番号と海外発行のクレジットカードがあれば、アリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)のQRコードでバスに乗れるようになっています。中国の銀行口座は不要です。運賃は通常1〜3人民元(RMB)程度とかなりリーズナブルです。

このガイドでは、外国人旅行者が実際に使える支払い方法、乗り方のルール、車内での注意点、そして快適に利用するための実践的なコツをわかりやすく解説します。

Passengers boarding a modern city bus in China at a street-side stop

中国の路線バス:支払い方法まとめ

中国の路線バスで使える支払い方法は大きく4種類あります。外国人向け情報サービス(GNIS)が公表する外国人向け公式ガイドによると、①アリペイの交通コード、②WeChat Payの交通コード、③交通系ICカード(物理カードまたはスマホNFC)、④現金、の4つが案内されています。観光客にとっては、モバイル決済が最も手軽でおすすめです。

※ バスの運賃体系は都市ごとに異なります。以下で紹介する方法は全国共通ですが、均一運賃か距離別運賃か、乗車時のみタップか降車時もタップが必要かは都市によって違います。このガイドでは北京・上海を例に説明します。

方法①:アリペイ(支付宝)の交通コード ― 外国人旅行者に最もおすすめ

支払い方法をひとつだけ準備するなら、アリペイ(支付宝)の交通コードをおすすめします。乗車時(一部の都市では降車時も)にQRコードをスキャンするだけで支払いが完了します。

設定手順:

  1. アリペイアプリを開き、「出行(交通)」をタップ
  2. 現在いる都市を選択
  3. 簡単な本人確認を行う
  4. バス用QRコードが表示される

乗車時はQRコードを車内のスキャナーにかざすと「ピッ」という音でOKです。

外国人にとって嬉しいポイント:2024年5月以降、海外の9桁電話番号を持つ外国人旅行者もアリペイの交通コードが利用できるようになりました(パスポートや在留証明書による認証に加え)。対応都市は北京・上海・広州・深圳・杭州・南京・成都・蘇州・昆明・武漢・青島など主要観光都市を含みます。また「乗車後払い」方式なので、乗った後に運賃が精算されます。

Alipay transit QR code screen on a smartphone used to pay for a China bus

方法②:WeChat Pay(微信支付)の交通コード

WeChat Pay(微信支付)も同様に使えます。すでにWeChat Payを使っている方はこちらをサブの手段として設定しておくと安心です。

設定手順:

  1. WeChatを開き「マイ」→「ウォレット」からカードを登録
  2. 「サービス」→「移動サービス」→「交通コード」を選択
  3. 都市を選んで本人確認を完了するとQRコードが生成される

乗車時は「マイ」→「サービス」→「交通コード」でQRコードを開き、スキャナーにかざします。「ピッ」または「支払い完了」のメッセージが出ればOKです。

💡 ヒント:交通コードの設定は、ホテルやカフェのWi-Fiが使える状態で事前に行いましょう。また、アプリ内のどこにQRコードがあるか、スクリーンショットを撮っておくと便利です。混んだバスの中でメニューを探し回るのは大変です。

方法③:交通系ICカード(物理カード)

滞在期間が長い方や、お子さんと旅行する方、スマホをその都度出したくない方には物理カードも便利です。パスポートを持参してバス会社のサービス窓口へ行けば、現金・WeChat Pay・アリペイで購入できます。

カードは都市ごとに発行されますが、「交通聯合(Jiāotōng Liánhé)」ロゴ付きのカードは全国300都市以上で相互利用可能です。たとえば上海の交通聯合カードは300以上の都市で使えます。

※ チャージは発行都市でのみ可能、返金・デポジット手続きも発行都市で行う必要があります。

外国人向け:BEIJING PASS(北京専用)
北京では、外国人旅行者向けのチャージ式交通カード「BEIJING PASS」が発行されています。全国300都市以上の公共交通に加え、北京市内の指定店舗や観光施設でも利用可能です。首都国際空港・大興国際空港・指定の地下鉄窓口などで外国パスポート等の証明書を提示して購入できます。

  • ※ 販売品のため返品・紛失再発行は不可(残高返金は残高200人民元以下の場合のみ可)
  • チャージは10人民元単位、上限1,000人民元
A reloadable Chinese public transport card held near a bus card reader

方法④:Apple Pay(NFCトランジットカード)

iPhoneユーザーはApple WalletにICカードを追加し、iPhoneまたはApple Watchをタッチするだけで乗車できます。Apple公式サイト(中国)によると、北京・上海・広州・重慶・杭州・深圳・蘇州・厦門・西安・南京などが対応しています。バッテリー残量が少なくなっても、電源オフ後約5時間は予備電力でタッチ決済が使えるため安心です。

方法⑤:現金(最終手段)

現金払いも利用可能です。中国政府の方針として「高額は銀行カード、小額はQRコード、現金はバックアップ」の原則が定められており、主要な交通機関では現金の受け入れが義務付けられています。詳細は国務院の公式文書でご確認いただけます。

⚠️ 注意:バスでは原則としておつりは出ません。運賃箱に入れた金額が支払い金額となります。現金払いを予定している場合は、1人民元硬貨や小額紙幣を事前に用意してください。ほとんどの都市の標準運賃は2人民元程度です。

海外カードの登録方法と注意点

中国の銀行口座や中国の電話番号がなくても、海外発行のクレジットカードをアリペイまたはWeChat Payに登録すれば、バス・地下鉄・配車サービスなどで利用できます。

広東省の海外向け公式Q&Aをもとにした主なポイントは以下のとおりです。

  • 手数料:1回200人民元以下の取引は手数料無料。200人民元超の場合は3%の手数料。バス運賃は少額なのでほぼかかりません。
  • 対応カード:アリペイ・WeChat Pay両方でVisa・Mastercard・Diners Club・Discoverが使用可能。WeChat PayはJCBも対応しています(日本人旅行者には嬉しいポイント)。
  • 本人確認書類:外国パスポートを含む複数の書類で本人確認が可能。SMSコードを受信できる番号であれば海外の電話番号でもOK。

利用上限の注意:アリペイは1回3,000人民元まで、WeChat Payは1回6,000人民元まで。アリペイは累計利用額が約500米ドルに達すると本人確認情報のアップロードを求められる場合があります。バス運賃でこれを超えることはまずありませんが、旅行全体でアリペイをメイン決済にする場合は早めに認証を済ませておきましょう。

カード登録の詳細な手順は、アリペイへの海外カード登録ガイドおよびWeChat Payへの海外カード登録ガイドをご参照ください。

実際の乗り方:ステップ別解説

支払い方法が準備できたら、あとは以下の手順に沿って乗るだけです。

  1. バス番号と乗車停留所を確認する
    地図アプリで乗るべきバスの番号と停留所を調べます。詳細は後述のアプリ紹介をご覧ください。
  2. 前扉から乗車する
    多くのバスは前扉から乗車し、後扉から降車します。どちらの扉にもスキャナーがあります。
  3. 乗車時に支払う
    ICカードをタッチするか、QRコードをスキャンするか、硬貨を投入します。「ピッ」という音で確認。
  4. 降車停留所を把握する
    停留所のアナウンスは基本的に中国語(普通話)です。大都市の一部路線では英語アナウンスもありますが、すべての路線で期待しないほうが無難です。地図アプリで現在地をリアルタイム確認するのが最も確実です。
  5. 距離別運賃の都市では降車時もタップする
    距離別運賃の都市では、降車時にもカードをタッチまたはQRコードをスキャンする必要があります。忘れずに!
Inside a Chinese city bus showing the front-door fare scanner and farebox

均一運賃 vs 距離別運賃:最重要ポイント

中国のバスには「均一運賃」と「距離別運賃」の2種類があります。これを知らないと余分に運賃を取られる可能性があるので必ず確認しましょう。

  • 均一運賃:乗車時に1回だけ支払えばOK。
  • 距離別運賃乗車時と降車時の両方でタップ・スキャンが必要です。

北京は距離別運賃の代表例です。北京市公共交通の公式運賃規定によると、最初の10kmは2人民元、その後5kmごとに1人民元加算されます。カードやQRコード利用者は市内割引が適用されます。

※ 北京では乗車・降車の両方でタップが必須です。降車時のタップを忘れると、システムが乗車距離を計算できず、次回乗車時に最大運賃(割引なし)が請求されます。また、同一路線での乗車から降車まで4時間以内にタップする必要があります。

💡 ヒント:その都市が距離別運賃かどうかわからない場合は、周りの乗客の行動を見ましょう。後扉でみんながスマホやカードをタッチしていたら、自分もそうしてください。迷ったら降車時もタップするクセをつけると安心です。均一運賃の路線でタップしても問題ありませんし、距離別運賃では必須です。

子ども連れの方へ:料金のルール

中国のバスでは子どもの運賃は「年齢ではなく身長」で判断します。これは多くの外国人旅行者が驚くポイントです。身長130cm以下の子どもは無料(要保護者同伴)、130cm超は大人と同額の運賃がかかります。このルールは北京公式規定でも確認されており、全国のバス・地下鉄で広く適用されています。お子さん連れの旅行については子連れ中国旅行ガイドもあわせてご覧ください。

言語の壁を乗り越える:地図アプリの活用

「中国語がわからなくてバスに乗れるの?」と心配される方も多いと思いますが、スマホの地図アプリを使えば十分対応できます。車内の表示や路線図、停留所アナウンスは基本的に中国語ですが、地図アプリで現在地をリアルタイム追跡すれば、言語に関係なく降車タイミングが正確にわかります。

  • Amap(高徳地図、Gāodé Dìtú):外国人に最もおすすめ。App Storeの表記で英語・簡体字・繁体字に正式対応。海外電話番号でも登録可能で、バスの経路検索も信頼性が高いです。
  • Baidu Maps(百度地図):バスデータの網羅性はNo.1ですが、インターフェースがほぼ中国語のみ。中国語または拼音(ピンイン)で検索する必要があります。
  • Apple マップ:英語対応が最も充実していますが、主要都市の基本的な交通情報のみのカバーにとどまります。

地図アプリの詳しい比較は地図アプリ比較ガイドをご覧ください。主要都市の地下鉄路線図オフライン表示や旅程プランナーが必要な場合はWaysChina アプリも便利です。出発前にルートを組み立てておき、バス車内ではリアルタイムナビ地図アプリに切り替えるという使い方がおすすめです。

A passenger checking a map app's live bus route on a phone while riding

バスをスムーズに使うための実践的なコツ

  • 支払い方法は複数用意する:アリペイの交通コードに加え、WeChat Payまたは物理カードも設定しておきましょう。スキャナーの不具合やスマホの電池切れでも困りません。
  • ルート情報はスクリーンショットで保存:バス番号・乗車停留所・降車停留所を事前に保存しておきましょう。地下区間や電波が弱いエリアでも安心です。
  • 降りる1停留所前から後扉へ移動する:ラッシュ時はバスが混みます。早めに後扉付近に移動しておきましょう。
  • 緊急用に小銭を持ち歩く:アプリが使えなくなった時のために2人民元分の硬貨があると助かります。
  • 混雑時は荷物に注意:混んだ公共交通機関では貴重品の管理を徹底しましょう。詳しくは旅行者向け安全対策ガイドをご覧ください。

日本人旅行者からよくある質問

中国のSIMカードがないとバスに乗れませんか?

いいえ、不要です。アリペイの交通コードは海外の電話番号で取得でき、WeChatの本人確認もSMSコードを受信できる番号であれば海外番号でOKです。中国SIMカードがあると何かと便利ですが、バスの支払いには必須ではありません。

日本で使っているコンタクトレス(タッチ決済)クレジットカードをそのまま使えますか?

一部の北京・上海の路線では外国のコンタクトレスカードが直接使えることもありますが(アプリより若干高くなる場合あり)、対応は限定的で都市・路線によって異なります。主な決済手段としては使えないと考えておき、アリペイ・WeChat Payの交通コードをメインにするのが確実です。

降車時のスキャンを忘れてしまったらどうなりますか?

距離別運賃のバスで降車スキャンを忘れると、システムが乗車距離を算出できず、次回乗車時に最大運賃(割引なし)が請求されます。数人民元の差額なので大きな問題ではありませんが、次回からは必ず忘れないようにしましょう。

英語アナウンスのあるバスはどうやって見つけますか?

全国的な一覧はなく、同じ都市内でも路線によって異なります。アナウンスに頼るよりも、地図アプリで現在地をリアルタイム追跡する方が確実です。どの路線・どの言語でも使えます。

バスと地下鉄、どちらが初心者向けですか?

初めての方には地下鉄(メトロ)がおすすめです。二か国語表記のサインが充実し、渋滞もなく、時間通りに運行します。バスは行ける場所が多く街並みを見られる楽しさがありますが、少しコツが必要です。多くの旅行者は長距離移動は地下鉄、最後の短区間はバスという組み合わせで使っています。地下鉄については地下鉄完全ガイドもご覧ください。

まとめ:中国バス、実はこんなに使いやすい

中国の路線バスは、多くの旅行者が思っているよりずっと安くて便利です。出発前にアリペイ(支付宝)の交通コードを設定しておきましょう(海外の電話番号と海外カードで数分で完了します)。主要観光都市すべてで使えます。バックアップとしてWeChat Payまたは物理カードも用意し、緊急用に小銭も忘れずに。

そして最も大切なルールを一つ:北京のような距離別運賃の都市では、乗車時と降車時の両方でタップ・スキャンしてください。Amapのような地図アプリで現在地を追跡すれば、言語の壁も問題なくなります。運賃は1〜3人民元程度と、中国旅行で最もコスパの高い交通手段のひとつです。

※ 運賃・支払いルールは都市ごとに設定され変更される場合があります。旅行前に最新の現地情報をご確認ください。

最終更新:2026年6月

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