市内交通

中国のタクシー&配車アプリ完全ガイド

中国でのタクシーの乗り方、Didi(滴滴)配車アプリの使い方、料金の目安、そして日本人旅行者が注意すべき詐欺の回避方法を徹底解説します。

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中国の都市内を車で移動する方法は、大きく分けて2つあります。流しのタクシーを拾う方法と、配車アプリで予約する方法です。どちらも日本と比べてリーズナブルで、主要都市では広く利用でき、正しく使えば安全です。主な違いは料金体系・言語・支払い方法の3点です。流しのタクシーは政府が定めた固定メーター制で現金払いが基本。一方、Didi(滴滴)などの配車アプリはすべてアプリ内で完結し、英語表示にも対応しており、オフピーク時はタクシーより安くなることもあります。このガイドでは、それぞれの使い分け・料金の目安・気をつけるべき詐欺の手口を詳しくご説明します。

A licensed street taxi and a passenger using a ride-hailing app on a busy Chinese city street

まず知っておきたい:タクシーvsアプリ 比較表

日本語が通じない環境での移動は不安ですよね。ほとんどの旅行者にとって、スマホのデータ通信が使えてGPSで現在地を確認できる状況なら、配車アプリの方が言語の壁がなく便利です。一方、スマホのバッテリーが切れた・電波がない・目の前にタクシー乗り場がある、という場合は流しのタクシーの方が手っ取り早いこともあります。

流しのタクシー 配車アプリ(Didi)
料金体系 政府固定メーター制、割増なし 基本料金は安いが、ピーク時・雨天時は割増あり
支払い方法 現金 / アリペイ・WeChat PayのQRコード アプリ内:外国カード・アリペイ・WeChat Pay
言語対応 基本的に中国語のみ 英語UI対応、アプリ内翻訳機能あり
乗車方法 路上で手を挙げる、または乗り場で待つ アプリで注文、ドライバーが指定場所へ来る
こんな時におすすめ スマホなし・電波なし・駅や空港の乗り場 ほぼすべての場面、空港移動、中国語不要

料金の目安として、上海市内10kmの昼間移動を例に挙げると、流しのタクシーで約45元(人民元・RMB)、Didiのエコノミークラスで約35元(人民元・RMB)です。ただし、Didiはラッシュアワーだと60元(人民元・RMB)近くになることも。「料金の安定性」を取るならタクシー、「通常時の安さ」を取るならDidi、という使い分けが基本です。

💡 日本人旅行者へのアドバイス:「中国語が話せないから不安…」という方には配車アプリが特におすすめです。日本語に近い感覚で使える英語UIで、目的地入力もテキストやマップから選ぶだけ。言葉が通じなくてもスムーズに乗車できます。

流しのタクシーの乗り方

正規のタクシー(出租车 / チューズーチョー)は見分け方を知っていれば簡単に識別できます。中国の交通規則により、正規の流しタクシーはメーター・GPS・緊急警報・統一カラーの車体・屋根上の表示灯(「出租汽车」と中英両語で表示)の搭載が義務付けられています。屋根のランプが点灯していれば空車、消えていれば乗車中または非番です。車内には料金表・乗客向け告知・事業者名・苦情電話番号が掲示されています。

Close-up of a licensed Chinese taxi rooftop light showing the taxi sign

乗り方の手順:

  • 停車できる安全な場所に立ち、手を挙げて合図します。屋根のランプが点灯しているタクシーを探しましょう。
  • 空港・鉄道駅・大型ホテルでは、必ず公式のタクシー乗り場を利用してください。到着ロビーで声をかけてくる「客引き」は絶対に無視しましょう。
  • 乗車後はメーターが動いているか確認してください。法律上、メーター使用は義務です。
  • 目的地は中国語(漢字)で書いたものを見せるのが確実です。ほとんどのドライバーは英語・日本語を話しません。
  • 降車時は領収書(发票 / ファーピャオ)を必ずもらいましょう。会社名・苦情番号・走行距離・時刻が記載されており、トラブル時の証拠になります。
💡 便利ワザ:ホテルの名前と住所を中国語で書いたスクリーンショットをスマホに保存しておくと、帰り道に困りません。ドライバーに画面を見せるだけでOKです。外出前に必ず準備しておきましょう。

タクシー料金の目安

料金は各都市の行政が設定しており、初乗り料金と1kmあたりの単価は都市によって異なります。メーター料金が絶対で、「特別価格」などの交渉は正規タクシーでは一切ありません。

北京・上海の詳細料金

【北京】初乗り13元(人民元・RMB)(最初の3km)、以降は1kmあたり2.3元。23:00〜05:00の深夜は1kmあたり2.76元(約20%割増)。15kmを超えると空車回送料が加算されます。

【上海】初乗り14元(人民元・RMB)(最初の3km)、4〜15kmは1kmあたり2.70元、15km超は4.05元。深夜は初乗りが18元に上がります。電気タクシーは初乗り16元。

都市 初乗り料金の目安
北京 13元(人民元・RMB)
上海 14〜16元(人民元・RMB)
広州 約12元(人民元・RMB)
杭州 約13元(人民元・RMB)
成都 約9元(人民元・RMB)
深圳 約10元(人民元・RMB)
西安 約8.5元(人民元・RMB)

※北京・上海以外の料金はあくまで目安です。料金は定期的に改定されるため、乗車時に車内の料金表で必ず確認してください。

配車アプリはDidi(滴滴)一択

Didi(滴滴出行 / ディーディー・チューシン)は中国最大の配車プラットフォームで、北京・上海・広州・成都をはじめとするほぼすべての主要都市をカバーしています。外国人旅行者にとって最もおすすめな理由は以下の通りです:

  • ✅ 英語UIに完全対応
  • ✅ 海外の電話番号で登録可能
  • ✅ ドライバーとのチャットが双方向で自動翻訳される
  • ✅ 英語・中国語の24時間サポートあり
DiDi ride-hailing app English interface showing a ride request and fare estimate

アプリの設定方法(ステップ別)

  1. アプリストアで「Didi China」(正式名称:「DiDi: Ride Hailing in China」)を検索してインストール。※「Didi Rider」は中国本土以外専用のため注意。
  2. 英語に切り替える:「Me(マイページ)」→「Settings(設定)」→「General(一般)」→「Language 语言」→「English」→「Confirm」
  3. 海外の電話番号とクレジットカードで登録します。

別アプリを入れたくない場合は、アリペイ(支付宝)またはWeChat(微信)のミニプログラムからDidiを使うこともできます。アリペイ版は中国の電話番号不要でアリペイ残高やリンクしたカードで支払えます。WeChat(微信)版は「滴滴出行」と中国語で検索する必要があり(英語の「didi」では見つかりません)、WeChat Pay(微信支付)のみ対応で外国カードは使えません。

これらはすべて現地でのモバイルデータ通信が前提です。到着直後から使えるよう、渡航前にeSIMを用意しておくのがおすすめです。AiraloのトラベルeSIMなら、空港に着いてすぐに配車アプリを使い始められます。通信手段の詳細は中国SIMカード・eSIMガイドをご覧ください。

Didiの支払い方法

Didiが対応している支払い方法は以下の通りです:

  • 国際クレジット・デビットカード(Visa、Mastercard、JCB、ダイナースクラブ)
  • WeChat Pay(微信支付)
  • アリペイ(支付宝)
  • Apple Pay

ほとんどの車種はオンライン支払いのみで、アプリ経由で予約した従来型タクシーのみ現金対応です。国際カードやApple Payの対応状況は都市によって異なる場合があります。渡航前にアリペイ(支付宝)など予備の支払い手段を設定しておくと安心です。なお、外国カード決済に追加手数料がかかる可能性があるため、ご利用のカードの海外取引手数料もご確認ください。

💡 便利ワザ:Didiは予約確定前に料金の見積もりが表示され、渋滞があっても合意した価格から変わりません。乗車後、混雑した場所でのピックアップをスムーズにするため、自分の電話番号の末尾4桁をスクリーンショットしてドライバーに見せましょう。

他の配車アプリについて

Didi以外にも配車アプリはありますが、外国人向けに設計されているのはDidiだけです。地図アプリ「高德地図(Amap)」は複数の配車サービスを比較できますが、Apple IDやFacebook、WeChat(微信)でのログインが必要です。美団の配車サービスは安くてドライバーも多いですが、中国語・中国のSIMカード前提で、短期滞在の外国人には使いにくいです。各アプリの詳しい設定方法はDidiガイド地図アプリガイドをご参照ください。

安全機能について

中国の配車サービスは、多くの旅行者が思う以上に厳しく規制されています。国の規則により、車両とドライバーの両方が配車ライセンスを保持し、オンラインとオフラインで同一のドライバーでなければなりません。遠回り・途中下車・不当料金は禁止されており、プラットフォームには乗客向けの損害賠償保険の加入も義務付けられています。上海ではさらに踏み込んで、乗車中の安全事故発生時はプラットフォームが先に乗客へ補償することが定められています。

Didiアプリには以下の安全機能が搭載されています:

  • リアルタイムの乗車ルート追跡
  • 緊急連絡先への乗車情報シェア機能
  • 双方の電話番号を非表示にする番号保護機能
  • SOSボタン(警察110番への直接通報)
  • トラブル・料金に関するサポートへの報告機能
Ride-hailing app safety center screen with trip sharing and SOS button

要注意!よくある詐欺と対策

深刻なトラブルはまれですが、空港・駅・観光地周辺では観光客を狙った手口が存在します。以下の基本的な習慣を守るだけで、ほぼすべてを回避できます。

⚠️ 最重要警告:「黒タク」(黒车 / ヘイチョー)に乗らない
到着ロビーや駅の出口で外国人に声をかけてくる無認可の「黒タク」は、メーターも領収書もなく、乗車後に正規料金の何倍もの料金を要求することがあります。必ず公式タクシー乗り場を利用するか、アプリで予約してください。

その他に注意すべき手口:

  • 改ざんメーター・「メーターが壊れている」詐欺:メーターの上がり方が異常に速い、または「メーターが故障している」と言って定額を提示してくる場合は要注意。メーター使用を主張し、拒否されたら降車してください。
  • お札のすり替え詐欺:渡した本物のお札を隠し、偽札を見せて「偽造品を渡された」と言う手口。小額紙幣で支払うか、できればモバイル決済を利用し、何を渡したか常に確認しましょう。
  • 「ホテルが閉まっている」詐欺:ドライバーが「予約したホテルは閉店した」などと言い、キックバックのある別の宿へ連れていこうとする手口。ホテルに直接電話するか、当初の目的地を変えないよう主張してください。
  • 「空港スタッフ」を名乗る客引き:タクシー乗り場に着く前に声をかけてくる人物は無視が一番です。空港タクシーには10〜20元(人民元・RMB)程度の正規の空港料金が加算されることがありますが、それ以外はメーター制です。

中国での旅行詐欺について詳しくは、中国の観光詐欺ガイドもご覧ください。

空港でのタクシー乗り場の見つけ方

主要空港では、到着ロビーの案内板に従って公式タクシー乗り場(「出租车乗り場」または「タクシー乗り場」と表示)へ進み、列に並んでください。

例えば上海浦東国際空港(PVG)では、第1ターミナルのタクシー乗り場は到着階の12番ゲート外、第2ターミナルは25番ゲート外にあり、どちらも24時間営業です。

料金の目安:北京首都国際空港から天安門まではタクシーで約100〜140元(人民元・RMB)、大興国際空港から天安門は約180〜250元(人民元・RMB)、所要時間は交通状況により45〜70分ほどです。空港の詳細情報は上海空港ガイド北京空港ガイドをご参照ください。

トラブルが発生したときの対処法

緊急時の連絡先

番号 用途
110 警察(緊急時)
119 消防
120 救急車
122 交通事故
12328 交通サービス苦情ホットライン(タクシー・配車アプリ)
12345 市政サービス総合ホットライン(多くの都市)

※これらの番号はロック中・SIMカードなしのスマホからもかけられます。オペレーターは基本的に中国語対応ですが、可能であれば現在地を中国語で伝えられるよう準備しておくと安心です。

非緊急のトラブル(料金過剰請求・遠回り等)への対応

  • 国家交通サービスホットライン 12328 に連絡(他の都市から電話する場合は市外局番を加えてください)
  • 市政ホットライン 12345 または地域の交通局WeChat(微信)アカウントへ報告
  • 証拠として残すもの:ナンバープレート、ドライバーの氏名や電話番号、領収書(发票)

交通部の規定により、プラットフォームとドライバーは正確な料金請求と領収書の発行が法的に義務付けられているため、証拠があれば苦情は有効に機能します。

詳しい規則については、交通部のネット配車暫定弁法および巡回タクシー管理規定をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q. チップは必要ですか?

不要です。中国ではタクシーも配車アプリもチップの習慣はなく、ドライバーも期待していません。詳しくは中国のチップ文化ガイドをご覧ください。

Q. 流しのタクシーで日本のクレジットカードは使えますか?

基本的には使えません。流しのタクシーは現金払いが主流で、アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)のQRコード払いはほぼ対応していますが、外国カードのタッチ決済端末は基本的にありません。念のため現金を持参するか、モバイル決済を事前に設定しておきましょう。

Q. DiDiはタクシーより安いですか?

オフピーク時はDidiの方が安いことが多いです。ただし、Didiはダイナミックプライシングを採用しており、ラッシュアワー・雨天・需要集中時は料金が上がります。メーター制のタクシーには割増がありません。土砂降りの雨の中でみんなが車を探している時は、タクシーの方がお得な場合もあります。

Q. 英語・日本語が話せないドライバーばかりでどうすれば?

流しのタクシーでは中国語以外が通じないのが通常です。目的地を中国語で書いたメモを見せることが必須です。Didiならアプリ内チャットに自動翻訳機能があるので、言語の壁をほぼ気にせず利用できます。

Q. 地方の小さな都市でもDidiは使えますか?

主要都市のほとんどはカバーされていますが、農村部や離島エリアでは配車可能なドライバーが少なく、待ち時間が長くなることがあります。そのような地域では流しのタクシーを利用する場面も出てくるでしょう。

Q. 日本から中国旅行する際、渡航前に準備すべきことは?

以下の3点を出発前に準備しておくと、到着後すぐにスムーズな移動ができます:

  • ✅ eSIMまたはSIMカードの手配(到着直後からデータ通信が使える)
  • ✅ Didiアプリのインストールと支払い方法の設定
  • ✅ ホテルの名前・住所を中国語でスクリーンショット保存

まとめ:どちらを使うべきか

ほとんどの場面ではDidi(滴滴)が第一選択肢です。英語UI・自動翻訳・透明な料金設定・言語の壁なしでのピックアップと、外国人旅行者にとって使いやすい点が揃っています。スマホのバッテリー切れ・電波なし・雨天でのサージ料金が気になる時は、流しのタクシーをうまく活用しましょう。

どちらを利用する場合も、安全のための基本は同じです:

  • 必ず公式乗り場またはアプリ経由で乗車する
  • メーターが動いているか確認する
  • 領収書を受け取る
  • できる限りモバイル決済を利用する

渡航前にモバイルデータ通信と支払い手段を整えておけば、最初の移動から快適に過ごせます。緊急時は110、クレームは12328です。車を使わない移動手段については、地下鉄ガイド都市交通ガイドもぜひご覧ください。

最終更新日:2026年6月

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