市内交通

中国の都市交通完全ガイド:地下鉄・タクシー・Didi・バスの使い方

中国の主要都市での移動手段(地下鉄・タクシー・Didi・バス)を徹底解説。外国人旅行者が使える支払い方法、料金の目安、場面別のおすすめ選択肢をわかりやすくまとめました。

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中国の都市での移動は、多くの旅行者が想像するよりずっと簡単です。主要都市には英語表示のある近代的な地下鉄が整備され、タクシーはメーター制で料金も手頃、配車アプリのDidi(滴滴)は英語インターフェースで利用できます。

以前は「支払い」が外国人にとって大きなハードルでしたが、現在はほぼ解決されています。海外発行のVisaやMastercardをアリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)に登録することで、中国の銀行口座や中国の電話番号がなくても、地下鉄・バス・Didiの支払いが可能になっています。北京・上海・成都など一部の都市では、海外発行の非接触型カードをそのまま地下鉄の改札にタッチするだけで乗車できます。

このガイドでは、都市内の主要な移動手段4つ(地下鉄・タクシー・Didi・バス)について、支払い方法・料金の目安・使い分けのポイントを詳しく説明します。

Collage of city transport in China: a modern metro platform, a city taxi, and a ride-hailing pickup on a busy street

中国の都市で使える4つの移動手段

中国の大都市での移動手段は、大きく次の4つに絞られます。

  • 地下鉄(Metro)――速くて安く、渋滞の影響を受けない。地下鉄がある都市では最優先の選択肢です。英語の案内表示が充実しており、日本人にも利用しやすい環境が整っています。
  • タクシー――メーター制で台数も多く、アプリ不要。ただしドライバーが英語を話せないケースがほとんどです。行き先を中国語で書いたメモや地図アプリの画面を見せると、スムーズに対応してもらえます。
  • 配車アプリ・Didi(滴滴)――中国版のUberで、英語アプリに対応。目的地を地図上でピン指定できるため、言葉が通じなくても安心して使えます。アプリ内に中国語・英語の双方向翻訳機能も搭載されています。
  • 路線バス――最も安い移動手段で、地下鉄が通っていないエリアにも行けます。ただし停留所名やルートが中国語のみの場合が多いため、ある程度慣れてから活用するのがおすすめです。

多くの旅行者は、長距離の移動には地下鉄を使い、地下鉄の駅から離れたホテルやレストランへの「ラストワンマイル」にタクシーやDidiを組み合わせる使い方をしています。都市間の移動(高速鉄道(中国版新幹線)・飛行機・長距離バスなど)については、交通手段概要ガイドをご覧ください。

外国人旅行者の支払い方法:出発前に準備しておこう

支払い方法の準備は、到着前に済ませておくことを強くおすすめします。これが整っているだけで、ほぼすべての移動手段がスムーズに使えるようになります。

モバイル決済が基本:アリペイとWeChat Pay

アリペイ(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)は、中国で日常的に使われているキャッシュレス決済アプリです。どちらも外国人ユーザーが海外発行のVisaやMastercardを登録して利用することができます。

中国政府の外国人向け決済ガイドによると、1回の取引上限はUS$5,000、年間合計はUS$50,000で、少額取引は本人確認不要です。

手数料について:少額決済は実質無料です。アリペイ・WeChat Pay共に、約200人民元(RMB)(約US$28)以下の取引では海外カード手数料が免除されており、それを超える場合は約3%の手数料がかかります。交通機関の運賃はほぼすべて200人民元(RMB)以下なので、追加手数料を心配する必要はほとんどありません。※手数料体系は変更される場合があるため、渡航前にアプリ内で最新情報をご確認ください。

💡 ポイント:アリペイまたはWeChat Payへのカード登録は、日本を出発する前に済ませておきましょう。自宅のWi-Fi環境があれば約10分で完了します。現地到着後に焦って設定する必要がなくなります。詳しくはアリペイの海外カード登録ガイドおよびWeChat Payの海外カード登録ガイドをご参照ください。

アリペイで地下鉄に乗る方法

アリペイで地下鉄に乗るには、訪問する都市ごとに「交通QRコード」を事前に取得する必要があります。手順は次のとおりです。

  1. アリペイのアプリを開き、「出行(交通)」タブをタップ
  2. 利用する都市を選択
  3. 「すぐに取得(Get now)」をタップし、利用規約に同意
  4. 乗車時・下車時にそれぞれQRコードをかざす

※都市ごとにコードが異なります。また、都市によっては地下鉄用とバス用のコードを別々に有効化する必要があります。

海外カードをそのまま改札にタッチ(一部都市)

ロンドンやシンガポールと同様に、海外発行の非接触型カードを改札機にタッチするだけで乗車できる都市が増えています。

  • 北京:VisaおよびMastercardのタッチ決済に対応。27路線・490駅をカバーしており、料金は地元住民と同じです(北京市タッチ決済の公式案内)。
  • 上海:全路線で「タッチ乗車」が可能。UnionPay・Visa・Mastercard・American Express・JCBの非接触型カードおよびデジタル人民元ウォレットに対応しています。カードの少額決済(パスワード不要)機能を事前に有効化しておく必要があります(上海市公式案内)。
  • 成都:全路線で海外カードのタッチ乗車に対応。券売機での海外カード決済も可能です。

その他の都市では状況が異なります。深セン(Shenzhen)では主要乗換駅8箇所のスマートPOS端末で海外カードが使えます。対応状況が不明な場合は、モバイル決済のQRコードがもっとも汎用性の高い方法です。

A traveler tapping a contactless bank card and scanning a phone QR code at a Chinese metro fare gate

地下鉄:中国都市観光の最強移動手段

地下鉄がある都市では、ほぼ間違いなく地下鉄が最適な移動手段です。本数が多く(ラッシュ時は2〜5分間隔)、駅は清潔で近代的、案内表示や車内アナウンスは中国語と英語の二カ国語対応、渋滞の影響も受けません。北京・上海・広州・深セン・成都・武漢・西安・南京など、多くの都市で充実した路線網が整備されています。

料金の目安

地下鉄の運賃は距離制で、非常にリーズナブルです。

都市基本料金特記事項
北京最初の6kmまで3人民元(RMB)〜12km:4元、〜22km:5元、〜32km:6元、以降20kmごとに1元加算。1回の乗車で改札内に最大4時間滞在可能。首都空港エクスプレスは一律25人民元(RMB)。
上海最初の6kmまで3人民元(RMB)〜16km:4元、〜26km:5元、以降10kmごとに1元加算。上限15人民元(RMB)。4時間超の滞在は3元加算。

北京のお得な1日乗車券:電子1日乗車券も販売されており、1日券20人民元(RMB)、2日券30元、3日券40元、5日券70元、7日券90元で、有効期間中は空港線を除く全線が乗り放題になります。1日に何度も地下鉄を乗り降りする方には特にお得です。

💡 ポイント:多くの都市では、身長1.3m以下の子どもは同伴する大人1人につき1名まで無料で乗車できます(2人目以降は有料)。ご家族での旅行に役立つ情報です。

地下鉄の乗り方と支払い方法

支払い方法は都市によって異なりますが、主に次の選択肢があります。

  • モバイル決済QRコード(アリペイ/WeChat Pay)――ほぼ全都市で利用可能。乗車時と降車時にQRコードをかざします。
  • 海外発行の非接触型カードをタッチ――北京・上海・成都などの対応都市で利用可能。
  • 券売機で1回乗車券を購入――現金または海外カードで購入可能。券売機は英語表示に切り替えられます。困ったときはサービスウィンドウのスタッフに声をかけてください。
  • 交通系ICカード(プリペイドカード)――駅の窓口で購入(北京は20人民元(RMB)のデポジットあり、返却時に払い戻し可)。スマートフォンに頼りたくない方や、バス・フェリーでも使いたい方に便利です。

上海を例に挙げると、500駅以上での海外カードタッチ乗車、随申行(SH MaaS)アプリのユニバーサルQRコード(地下鉄・バス・フェリー共通)、Metro大都会アプリ(WeChat Pay・アリペイ・国際カード対応)、有人窓口での1回乗車券購入と、多くの選択肢が共存しています。詳細は上海市公式地下鉄アクセスガイドをご参照ください。

路線図の読み方、乗り換え方法、セキュリティチェックの流れ、都市別の支払い詳細については、地下鉄システム完全ガイドをご覧ください。

⚠️ 注意:すべての地下鉄駅の入口で、空港のような手荷物検査(X線検査)が行われます。飲み物を持っている場合は、飲んで確認を求められることもあります。通常は1〜2分程度で通過できますが、混雑する駅では少し時間を見ておきましょう。ライターの大量持ち込みや引火性液体などは持ち込み禁止です。

タクシー:メーター制で安心、どこでも捕まえられる

中国の都市ではタクシーが豊富で、すべてメーター制、日本から見ても手頃な料金です。アプリや電話は不要で、「空車」表示のタクシーに手を挙げるだけで乗車できます。

唯一の課題はコミュニケーションです。ドライバーが英語をほとんど話せないケースがほとんどなので、行き先を中国語で示す準備が必要です。ホテルの名刺、スクリーンショット、地図アプリの画面を見せるのが効果的です。

料金の目安

都市初乗り料金加算料金の目安
北京13人民元(RMB)(最初の3km)昼間2.30元/km、夜間(23:00〜05:00)2.76元/km+燃料サーチャージ1元(電気タクシーを除く)
上海約15人民元(RMB)約2〜3元/km
広州約12人民元(RMB)約2〜3元/km
成都約9人民元(RMB)約2元/km

※料金は変更される場合があります。車内に掲示されている料金表でご確認ください。

⚠️ 注意:必ずメーターを使用するよう求めてください(「打表(dǎ biǎo)」と言うか、メーターを指さす)。交渉による定額料金は断りましょう(長距離の事前合意を除く)。乗車時にメーターがゼロにリセットされているか確認し、降車時には領収書(タクシー会社の電話番号が記載)を受け取ってください。万が一、メーターが「故障している」と言われた場合は、別のタクシーを選ぶ権利があります。気になることがあればナンバープレートを写真に撮っておくと安心です。

タクシーの支払い方法

ほとんどのメータータクシーでアリペイ・WeChat Payが使えます(ドライバーがQRコードを提示するか、あなたのQRコードを読み取る方式)。現金も必ず使えます。お釣りの用意が少ないドライバーもいるので、小額紙幣を用意しておくと便利です。

配車アプリ・Didi(滴滴)を使う

Didi(滴滴)は中国最大手の配車アプリで、外国人旅行者でも使いやすい仕様になっています。公式アプリ情報によると、英語インターフェース対応、海外の電話番号で登録可能、ドライバーとのやり取りを中英語で翻訳する機能あり、海外発行カードで支払い可能、24時間英語サポートありと、外国人に優しい機能が揃っています。

Didiが特に便利なのは、目的地の発音や説明が難しい場合です。地図上でピンを置くだけで目的地を設定でき、翻訳機能でドライバーとのやり取りもカバーできます。事前に運賃の目安が表示されるため、料金の不透明さがなく安心です。料金はタクシーと大差なく、ピーク時はやや高くなることもありますが、交渉の手間がかかりません。

DiDi ride-hailing app English interface showing route, pickup point and estimated fare
💡 データ通信について:DidiやモバイルQRコード決済を使うには、外出中もモバイルデータ通信が必要です。渡航前に設定できる旅行用eSIMが最も手軽な方法です。Airaloなどのプロバイダーで中国対応データプランを事前に購入・インストールしておけば、到着直後からネットに繋がれます。詳しくは中国SIMカード・eSIMガイドおよびDidi完全ガイドをご覧ください。

路線バス:慣れてきたら活用したい最安の移動手段

路線バスは最も安い移動手段で、地下鉄が通っていないエリアへのアクセスにも便利です。デメリットは、停留所名やルート案内が中国語のみのケースが多く、目的地のバス停を事前に把握しておく必要があること。地図アプリを活用すればある程度対応できますが、都市に慣れてきてから使うのがおすすめです。

料金は安く、均一制または距離制です。北京の場合、最初の10kmは2人民元(RMB)、以降5kmごとに1人民元(RMB)加算されます。距離制の場合は乗車時と降車時の両方でQRコードまたはカードをタッチする必要があります。支払いはアリペイ・WeChat Payの交通QRコード、交通系ICカード、または現金(つり銭なし)が使えます。都市によってバスで海外カードが使えるかどうかが異なるため、現地で確認することをおすすめします。

ルートの調べ方、乗降時のスキャン操作、中国語がわからない場合のコツは、路線バス完全ガイドをご覧ください。

地図アプリ:中国ではGoogle マップより高德地図を

中国本土ではGoogle マップ(Google Maps)の精度が低く、実用的ではありません。地元の高德地図(Amap・Gāodé Dìtú)百度地図(Baidu Maps・Bǎidù Dìtú)の方が交通案内の精度が格段に高く、乗換駅・出口番号・所要時間・リアルタイムの列車到着情報なども確認できます。ただし外国人向けの英語サポートは不完全な部分もあるため、渡航前に一度試しておくことをおすすめします。アプリの比較については地図アプリガイドをご覧ください。

WaysChina アプリも便利なツールです。主要都市のオフライン地下鉄路線図、経路検索、日程別旅行プランナーが一体になっており、事前にルートを組み立てておくのに役立ちます。リアルタイムナビというよりは「オフラインの地下鉄ガイド&旅程管理ツール」としてご活用ください。

移動手段の比較:どれを選ぶべきか

移動手段料金速さ英語対応おすすめの場面
地下鉄非常に安い(3〜15人民元(RMB))速い・渋滞なし◎ 英語表示あり市内の長距離移動・ラッシュ時
タクシー安〜中程度オフピークは速い・渋滞時は遅い△ 中国語の行き先メモが必要ドアツードア・深夜・大荷物
Didi(滴滴)タクシーとほぼ同じタクシーと同じ◎ 英語アプリ+翻訳機能口頭での説明が難しい目的地
路線バス最安(1〜3人民元(RMB))遅い・停車多数△ ほぼ中国語のみ短距離・地下鉄圏外エリア

日本人旅行者がよくやる失敗と対策

  • 現地でアリペイ・WeChat Payを設定しようとする――通信環境や本人確認の手順で手間取ることがあります。必ず日本を出発する前に設定を完了させましょう。
  • タクシーで行き先を口頭で伝えようとする――日本語や英語は通じないことが大半です。ホテル名や観光スポットを中国語で表示した画面を事前に用意しておくと安心です。
  • Google マップを使おうとする――中国本土では精度が低く、迷子になることがあります。高德地図(Amap)または百度地図をインストールしておきましょう。
  • 地下鉄のセキュリティチェックを考慮せずに時間を組む――混雑する駅では数分かかる場合があります。乗車の余裕時間を少し多めに見ておきましょう。
  • データ通信の準備を忘れる――中国では多くの日本の通信キャリアのローミングが使えない、または高額になる場合があります。渡航前にeSIMを購入しておくのが最も確実です。

おすすめの準備と移動の基本戦略

ほとんどの旅行者にとって、最もシンプルな方法は次のとおりです。

  1. 出発前にアリペイまたはWeChat Payをセットアップし、海外カードを登録しておく
  2. 地下鉄を基本の移動手段として活用する(ある都市では最優先)
  3. 地下鉄が届かない場合はDidiを使う(深夜・大荷物・説明しにくい目的地)
  4. タクシーに乗る場合は行き先を中国語で示す準備をしておく
  5. バスは都市に慣れてから活用する

中国の銀行口座も中国の電話番号も不要です。支払いアプリと地図アプリを準備しておけば、日本での移動と同じくらい気軽に、そしてずっとリーズナブルに中国の都市を移動できます。

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最終更新:2026年6月

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