華南

広州・深圳 完全旅行ガイド

2都市を1度の旅で。広州は2,000年の交易の歴史と中国屈指のグルメが楽しめる美食の都。深圳は香港から30分の最先端テクノロジー都市。両都市を効率よく巡る完全ガイドです。

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広州(広州、Guǎngzhōu)と深圳(深圳、Shēnzhèn)は、珠江デルタに位置する約100km離れた2つの都市です。数分おきに運行する列車で1時間もかからずに移動でき、セットで訪れるのに最適な組み合わせです。広州は2,000年の歴史を持つ古き良き広東の都で、寺院、点心(ディムサム)、そして美しい川沿いの夜景が魅力。一方、深圳はわずか40年前まで漁村だった場所が、今や人口1,700万人を超えるIT・テクノロジーの最先端都市へと変貌を遂げました。どちらの都市も240時間トランジットビザ免除の対象で、香港・マカオ・珠海へのアクセスも抜群です。このガイドでは、3〜4日間で両都市を効率よく巡るための観光・グルメ・交通情報をすべてお伝えします。

Split view of Guangzhou's Canton Tower over the Pearl River and Shenzhen's modern skyline

まず知っておきたい:対照的な2つの都市

この2都市は「隣り合った正反対の都市」と考えるとわかりやすいでしょう。

広州は歴史と文化が層のように積み重なった街です。広東文化の中心地であり、中国第3の都市。点心(ディムサム)発祥の地でもあります。のんびりとしたペースで街を歩き、食を楽しむことができます。旧市街はゆっくり散策するほどに発見がある街です。

深圳は対照的に、まったく「古さ」がありません。ガラス張りの高層ビル、広大な公園、街丸ごとのようなショッピング複合施設が連なる、計画都市です。ビジネス、ショッピング、そして香港への玄関口として機能しています。伝統的な観光スポットは少ないものの、現代的なアトラクションと独自のエネルギーがあります。

多くの旅行者は広州に2日、深圳に1〜2日を費やすか、深圳を香港への通過点として利用します。どちらのパターンでも問題ありません。両都市とも亜熱帯気候のため、訪問時期の選択が重要です。

💡 ポイント: 5月〜9月は高温多湿で、大雨や台風の影響を受けることがあります。快適に旅するなら秋〜春(10月〜4月頃)がおすすめ。特に10〜11月は気温も穏やかで晴れの日が多く、観光に最適です。服装など準備については秋の中国旅行ガイドもご参照ください。

広州の観光スポット

広州の魅力は、未来的な川沿いの景観と、緑豊かな旧市街・歴史的な寺院が共存するコントラストにあります。主要スポットは1日半あれば十分に回れます。

Canton Tower lit up at dusk above the Pearl River in Guangzhou

広州塔(カントンタワー)

広州塔(広州塔、Guǎngzhōu Tǎ)は、広州を代表するランドマーク。珠江南岸にそびえる高さ600mのタワーで、中央部がくびれた独特のシルエットから「スリムウエスト」の愛称で親しまれています。世界でも有数の高さを誇り、展望台からは珠江の蛇行と、対岸の珠江新城に並ぶ高層ビル群を一望できます。

展望台は複数のフロアに分かれており、料金もいくつかのプランがあります。スリルを求める方は、最頂部を回転するバブルトラムや、ドロップライドなどの追加アトラクションも体験できます。夕暮れ時に訪れると、日中の眺望・夕焼け・夜景をすべて一度に楽しめるのでおすすめです。チケットはオンライン予約が割安になっています。

💡 ポイント: 無料でも十分楽しめます。対岸の花城広場(ファーチョン広場)周辺の遊歩道から眺める夜の広州塔は圧巻で、写真映えも抜群です。入場料なしで最高のショットが撮れる穴場スポットです。

沙面島(シャーミエン島)

沙面島(沙面島、Shāmiàn Dǎo)は、珠江に浮かぶ小さな島で、19世紀にイギリスとフランスの租界地となった歴史を持ちます。現在も当時の面影を色濃く残す、ヨーロッパ風の邸宅・教会・商館が建ち並ぶ静かなエリアです。高層ビルはなく、交通量も少なく、まさに散策向けの空間です。

淡いパステルカラーの花崗岩の建物、大きなバンヤンツリー、リノベーションされた洋館のカフェ、そして現役のカトリック教会とプロテスタント教会。写真好きな方やカップルに人気で、ウェディングフォトの撮影地としても有名です。近くの清平市場(チンピン市場)と組み合わせて、のんびりとした半日コースがおすすめです。

Tree-lined street of colonial-era European buildings on Shamian Island, Guangzhou

その他の見どころ

広州でぜひ立ち寄りたい場所をまとめました:

  • 陳家祠(チェンジアツー) — 19世紀の豪壮な一族の廟で、木彫・レンガ彫刻・陶器彫刻が精緻に施されています。現在は民間工芸博物館として公開されており、屋根の装飾だけでも見応え十分です。
  • 越秀公園と五羊像 — 広州最大の公園と、市のシンボルである五羊の像。広州の別名は「羊の都市」です。
  • 聖心大教堂(石室聖心大教堂) — 全面花崗岩造りのゴシック様式大聖堂。世界でも珍しい総石造りの教会で、1880年代に完成しました。
  • 北京路・上下九歩行街 — ショッピングと街歩きが楽しめる歩行者天国。上下九エリアは騎楼(アーケード付き建物)が立ち並ぶ風情ある通りです。

広州グルメガイド:食の都を味わう

中国旅行で一番の食事をどこで食べるか?広州はその最有力候補です。広東料理は「素材の味を生かす」哲学に基づいており、ソースで覆い隠すのではなく、食材そのものの旨味を大切にします。ここはその本場です。

A table of Cantonese dim sum including shrimp dumplings and rice noodle rolls with tea

飲茶(ヤムチャ)・朝茶(早茶、zǎochá)は広州旅行で最優先すべき体験です。地元の人々は朝、茶館に集まり、お茶を飲みながら小皿料理を注文します。エビ餃子(虾饺、ハーガウ)、叉焼包(チャーシューまん)、エッグタルト、腸粉(チョンフン、ライスヌードルロール)など、種類は豊富です。少量ずつ来るので、思い切って多めに注文しましょう。有名店としては「広州酒家」や「陶陶居」がありますが、地元客で賑わっているお茶館ならどこでもレベルが高いです。

その他のおすすめグルメ:

  • 焼き鵝(ローストグース)・叉焼(チャーシュー) — 窓に吊るされた広東式の焼き物。ご飯の上に刻んでのせたものは絶品です。
  • 雲呑麺(ワンタンメン) — コシのある細麺、エビ入りワンタン、澄んだスープのシンプルな一杯。
  • お粥(粥、ジョウ) — なめらかな米粥。魚や皮蛋(ピータン)入りが定番です。
  • 老火煲湯(薬膳スープ) — 広東人がとても大切にする、長時間煮込んだ薬膳スープ。
  • 糖水(タンシュイ、デザートスープ) — マンゴーサゴや黒ごまのスープで夜を締めくくりましょう。
💡 ポイント: メニューが読めなくても大丈夫。近くのテーブルを指差してマネするか、翻訳アプリを使えば乗り切れます。注文の仕方に不安な方は中国語ゼロでも注文できるガイドもご参照ください。

深圳の観光スポット

深圳は広州とはまったく異なる楽しみ方ができます。テーマパーク、現代的なデザイン、電気街、そして訪れた人を驚かせるアートの村。深圳ならではの体験が待っています。

世界の窓

世界の窓(世界之窓、Shìjiè zhī Chuāng)は、その名の通り世界の名所をミニチュアで再現したテーマパークです。高さ約108mのエッフェル塔(エレベーターで登れます)、ピラミッド、タージマハル、ナイアガラの滝、コロッセウムなど、世界の名建築が一堂に。キッチュと言えばそうですが、中国の家族連れに大人気で、本物の楽しさがあります。夜はショーやパレードも開催。地下鉄でアクセスしやすく、半日コースに最適です。

Miniature world landmarks including a scaled Eiffel Tower at Window of the World, Shenzhen

大芬油画村(ダーフェン・オイルペインティングビレッジ)

大芬油画村(大芬油画村、Dàfēn Yóuhuà Cūn)は、両都市の中でも最もユニークな場所のひとつです。数十年にわたり、この一区画だけで世界中に出荷される複製油絵の大半を生産してきました。ゴッホやモネを手描きで複製し、世界のホテルや家庭に届けていたのです。路地を歩けば、開放的なアトリエで絵を描く画家たち、積み上げられたキャンバス、漂う油絵具の香りが出迎えてくれます。

近年はオリジナル作品へのシフトも進み、複製画家に並んで地元の本格アーティストの作品も見られます。写真からの肖像画や好きな画像の複製をオーダーすることも可能。安価に作品を購入したり、ただ見て歩くだけでも十分楽しめます。入場無料で、中国でここ以外では見られないような体験ができます。

深圳のその他の見どころ

  • OCT-LOFT・デザインエリア — 廃工場をリノベーションした複合施設にカフェ・ギャラリー・デザインショップが集結。テクノロジー都市のクリエイティブな一面を体験できます。
  • 華強北(ファーチャンベイ) — 世界最大の電気街。フロアいくつもにわたって電子部品・ガジェット・スマートフォン・修理店が並ぶ、テック好き必見の聖地です。
  • 蓮花山公園 — 丘を登れば、深圳の新中央ビジネス地区を一望できる無料の展望スポット。
  • 錦繡中華・中国民俗文化村 — 中国の縮小模型と民族文化のパフォーマンス。世界の窓に隣接しています。

市内交通と都市間移動

両都市とも、英語表示が整った清潔で安価な地下鉄網があります。これが最も便利な移動手段です。1回数人民元(RMB)で、スマートフォンのタッチ決済かトークンで乗れます。アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)などのモバイル決済を事前に設定しておくと、改札もスムーズです。詳しくは地下鉄ガイドタクシー・配車アプリガイドをご覧ください。

💡 ポイント: 広州・深圳のルート計画や日程作成にはWaysChina アプリがおすすめです。オフライン地下鉄マップと旅程プランナー機能を搭載しており、地下で電波がない状況でも活躍します。

広州 ↔ 深圳の移動

この区間は世界でも有数の多頻度路線です。高速鉄道(中国版新幹線)は広州南駅から深圳北駅まで約30〜35分で結び、日中は数分おきに出発しています。チケットは安価で、売り切れになることはほぼありませんが、事前予約すると駅の窓口に並ぶ手間が省けます。公式の12306(中国鉄道公式サイト)か、英語対応のTrip Com Trainでシート指定・eチケット発行まで完結できます。

※ パスポートが切符の代わりになります。駅のゲートとセキュリティを通過する際に必ず必要ですので、必ず携帯してください。

香港・マカオ・珠海へのアクセス

この一帯は国内でも特にアクセスが充実しています。日帰り旅行の目安は以下の通りです:

目的地出発地移動手段所要時間
香港深圳地下鉄で国境へ、徒歩で越境後に香港MTR約1時間
香港広州・深圳高速鉄道(香港西九龍駅直通)広州から約48分・深圳から約19分
マカオ珠海拱北(ゴンベイ)国境ゲートを徒歩で越境国境到着後すぐ
珠海広州高速鉄道・都市間鉄道約1時間
香港・マカオ深圳フェリー約1〜1.5時間
⚠️ 注意: 香港・マカオは中国本土とは別の出入国管理区域です。中国の一部ではありますが、実際に国境を越えることになります。本土のビザ(または免除資格)によっては、香港・マカオから本土への再入国が認められない場合があります。シングルエントリービザで本土に入国した場合、香港に出た後に本土へ戻れない可能性があります。越境前に必ず国家移民局のルールとビザ免除・トランジットポリシーガイドを確認してください。

深圳〜香港の日帰り旅行は定番コースです。地下鉄で福田(フティエン)か羅湖(ルオフー)などの国境ゲートまで行き、徒歩で越境すれば1時間以内に香港MTRに乗れます。詳しくは香港・マカオガイドをご覧ください。

おすすめ宿泊エリア

広州は地下鉄の沿線に宿泊すれば、どこへでもアクセスできます。特におすすめのエリアは以下の3つです:

  • 珠江新城(ジューチャン新城) — 現代的で中心部に位置し、広州塔や金融街に近い。初めての訪問者やビジネス旅行者に最適なエリア。
  • 北京路・越秀エリア — 歴史ある中心部で、観光スポットやショッピング街へ徒歩でアクセス可能。
  • 広州南駅周辺 — 深圳や香港への鉄道移動を最優先する場合に便利ですが、観光スポットからは遠い。

深圳では、福田(フティエン)が交通の便が良くおすすめです(香港国境や国際コンベンションセンターに近い)。南山(ナンシャン)はテックエリアやテーマパーク目的の方に向いています。香港へのアクセスを重視するなら、福田や羅湖の国境近くに泊まると越境がスムーズです。

両都市ともホステルから国際的な5つ星ホテルまで揃っており、香港より料金はリーズナブルです。Booking Com Hotelでは英語対応・無料キャンセル可能なホテルを多数掲載しています。広州交易会(広交会・カントンフェア)などの大規模見本市期間中はホテルが満室・価格高騰になりますので、早めの予約が重要です。なお、すべてのホテルはチェックイン時に外国人宿泊者を公安に届け出る義務があります(宿泊届出(公安届出))。詳細はホテル予約と宿泊届出ガイドをご覧ください。

Night cruise boats on the Pearl River with illuminated Guangzhou skyline

ショッピング

この2都市は中国でも有数のショッピングスポットですが、それぞれ得意分野が異なります。

広州は卸売の一大拠点です。布地・お茶・宝石・革製品など、あらゆるジャンルの市場があります。天河(ティエンフー)エリアには洗練されたショッピングモールも揃っています。北京路や上下九の歩行街はブラウジングと屋台グルメを楽しむのに最適です。

深圳は電気製品のメッカ。華強北(ファーチャンベイ)は圧倒的な規模を誇り、存在するガジェットはすべてここで買えるか作ってもらえます。値段交渉は必須で、支払い前に動作確認を忘れずに。コピー品にも注意が必要です。値引き交渉・返品・偽造品を避けるためのヒントは中国ショッピングガイドをご参照ください。

おすすめ3〜4日間モデルコース

両都市を無理なく組み合わせる標準的なプランをご提案します:

  • 1日目(広州): 朝は飲茶(ヤムチャ)でスタート。沙面島と清平エリアを散策。午後は陳家祠へ。夕方は広州塔・川沿いの遊歩道を楽しみ、夜は珠江クルーズ。
  • 2日目(広州): 越秀公園、聖心大教堂、北京路を巡る。広東料理のランチをたっぷり楽しんで、午後は深圳へ(高速鉄道で30分)。
  • 3日目(深圳): 午前は世界の窓、午後は大芬油画村へ。電気街に興味がある方は午後を華強北に替えてもOK。夜はOCT-LOFTでクリエイティブな深圳の夜を。
  • 4日目(オプション): 香港への国境越え日帰り旅行、または珠海経由でマカオへ。もしくは、出発前にのんびりショッピングやグルメを楽しむ余裕の1日に。
💡 ポイント: フライトでの帰国を検討中の方へ。広州白雲国際空港、深圳宝安国際空港に加えて、香港国際空港も鉄道やフェリーでアクセス可能です。長距離フライトは香港発の方が安い場合もありますので、3つを比較してから予約することをおすすめします。

旅の前に準備しておきたいこと

中国旅行をスムーズにするために、出発前に以下を済ませておくと安心です:

  • モバイル決済の設定: アリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)を事前に設定しておきましょう。地下鉄・タクシー・飲食店など、ほぼすべての場面でキャッシュレス決済が可能です。外国人でも設定できます。
  • 翻訳アプリ: カメラで料理メニューを翻訳できるアプリが便利です。特に食の宝庫・広州では大活躍します。
  • パスポートを常に携帯: 鉄道の改札・国境越え・ホテルのチェックインで必ず必要です。
  • VPNについて: 中国本土ではグレート・ファイアウォール(インターネット規制)によりGoogle・LINE・Instagram・WhatsAppなどが使用制限を受けます。事前にVPNを用意しておくと安心です(現地でのダウンロードは困難です)。
  • 144時間トランジットビザ免除: 日本国籍の方は所定の条件を満たせばビザなしで中国を観光できる制度があります。最新情報を必ず事前に確認してください。

まとめ

広州と深圳は、セットで訪れることで真価を発揮する2都市です。広州では2,000年の歴史・寺院・中国最高峰のグルメを体験し、深圳では現代中国のスピードと輝き、そして香港・マカオへの最短ルートを楽しめます。3日間あれば主要スポットは網羅でき、4日間あれば国境越えの日帰り旅行もゆっくり楽しめます。出発前にモバイル決済と翻訳アプリを準備し、できれば涼しい季節に訪れて、パスポートは常に持ち歩くことを忘れずに。珠江デルタを起点に、南中国の旅はここから始まります。

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最終更新日:2026年6月

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