ルート&旅程

シルクロードの旅:西安から敦煌へのルートガイド

西安から蘭州・張掖を経て敦煌まで、7〜8日間のシルクロード旅行プランを徹底解説。日程別の観光スポット、高速鉄道(中国版新幹線)と飛行機の乗り継ぎ方法、費用の目安まで日本人旅行者向けに詳しく紹介します。

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中国のシルクロード(絲綢之路)は、古代王朝の都・西安(シーアン)を起点に西へ延びる歴史的な交易路です。甘粛省の河西回廊(かせいかいろう、Héxī Zǒuláng)を抜け、砂漠の都市・敦煌(とんこう)へと続くこのルートは、全長約1,800kmにおよびます。かつてはラクダの商隊が行き交ったこの道も、現代では高速鉄道(中国版新幹線)が開通し、格段に旅しやすくなりました。黄土高原から草原、カラフルな丹霞地形、そして砂丘へと変わりゆく車窓の風景は、数日間で劇的に変化します。

本ガイドでは、西安・蘭州(らんしゅう)・張掖(ちょうよく)・敦煌を巡る7〜8日間の旅程を、交通手段・費用・日程の調整方法も含めて詳しくご紹介します。

旅行のベストシーズン:春(3〜5月)と秋(9〜11月)が最適です。夏は砂漠地帯が非常に暑く、莫高窟(ばっこうくつ)も混雑します。冬は寒さが厳しいですが、砂丘や丹霞の景色は晴天時には格別の美しさです。
Silk Road China itinerary collage showing Xi'an city wall, Zhangye rainbow Danxia hills, Dunhuang sand dunes, and Mogao Caves

ルート全体像:一目でわかる行程表

まずは旅程全体を表で確認しましょう。所要時間は現行の高速鉄道・航空便の実績に基づいています。

都市宿泊数見どころアクセス方法
西安(シーアン)2泊兵馬俑、城壁、回民街(イスラム街)、シルクロードの東の起点西安咸陽国際空港(XIY)へのフライト、または高速鉄道(中国版新幹線)で到着
蘭州(らんしゅう)1泊黄河沿いの街、蘭州牛肉麺(手打ち麺)、河西回廊への玄関口西安から高速鉄道で約3時間
張掖(ちょうよく)1〜2泊虹色の張掖丹霞地形、大仏寺蘭州から高速鉄道で約2時間
敦煌(とんこう)2〜3泊莫高窟、鳴沙山・月牙泉、玉門関高速鉄道+シャトル、または飛行機(DNH)

合計7泊(タイトに回る場合)〜8泊(張掖または敦煌に余裕を持つ場合)が目安です。ルートは西方向へ進み、終点の敦煌からは西安・蘭州・北京への直行便があるため、来た道を引き返す必要がありません。

1〜2日目:西安(シーアン)

西安(西安)は、秦・漢・唐など複数の王朝で都が置かれた古都で、シルクロードの東の出発点です。2日間あれば主要スポットをゆとりを持って回れます。

1日目:兵馬俑と城壁・回民街

午前中は市内から東へ約1時間の兵馬俑(Bīngmǎyǒng)へ。開館は8時30分ごろで、午前中の早い時間帯が比較的空いています。1号坑は等身大の兵士が整然と並ぶ圧巻の光景で、3つの坑と博物館をじっくり見るなら2〜3時間を見込んでください。アクセスは西安駅前からの路線バス(5路・306路)か、Didi(滴滴)のタクシーアプリが便利です。

午後は市内に戻り、全長14kmの城壁(城墙、Chéngqiáng)をサイクリング。城壁上でレンタサイクルが借りられます。夕方は回民街(Huímínjiē)へ。歴史あるイスラム系回族の商業エリアで、肉夹馍(ロウジャーモー、中国式ハンバーガー)・手打ち麺・羊肉串など、食べ歩きが楽しめます。

Evening food stalls in Xi'an Muslim Quarter with lamb skewers and crowds

2日目:歴史博物館とシルクロードの文脈を学ぶ

陝西歴史博物館(Shaanxi History Museum)は入場無料ですが、事前にオンラインで時間指定券の予約が必要です(パスポート番号が必要、1〜2日前には予約を)。西安とシルクロードの歴史を体系的に理解できます。その後、玄奘三蔵がインドから仏典を持ち帰り収蔵するために建立した大雁塔(Dàyàntǎ、大慈恩寺内)へ。市内中心部の鐘楼・鼓楼も時間があれば立ち寄る価値があります。

日本人旅行者への注意事項:陝西歴史博物館と兵馬俑はいずれも事前予約が必須です(パスポート番号が必要)。特にハイシーズン(4〜10月)は当日券がほぼ取れないため、日程が決まり次第すぐに予約してください。詳しい観光情報・グルメ情報は西安完全ガイド西安2日間モデルコースもご参照ください。

西安のおすすめ宿泊エリアと費用

城壁内・鐘楼エリアに宿泊すると、主要観光地や地下鉄駅へのアクセスが便利です。中級ホテルは1泊約2,500〜4,500円(¥250〜450)、ゲストハウス・ドミトリーは800〜1,500円(¥80〜150)が目安。宿泊予約はBooking Com Hotelで比較できます。地下鉄駅近くを選ぶとタクシー代が節約できます。

3日目:蘭州(らんしゅう)

朝に西安北駅から蘭州西駅まで高速鉄道(中国版新幹線)で約3時間。甘粛省の省都・蘭州は黄河沿いに細長く広がる街で、河西回廊の入り口となる重要な中継地点です。

1泊で十分回れます。メインは黄河沿いの散策。黄河(Huánghé)のほとりを歩き、1900年代初頭に架けられた黄河最初の永久橋中山橋(Zhongshan Bridge)と、母なる黄河像を見学しましょう。そして忘れてはならないのが蘭州牛肉麺(Lánzhōu niúròumiàn)。手打ち麺を澄んだ牛骨スープ・辣油・大根・パクチーで仕上げた蘭州名物の一杯で、地元の人は朝食に食べます。人気店は午後には売り切れることも多いので、早めに訪問を。

食べ方のポイント:本場の蘭州牛肉麺の店はシンプルで賑やかな大衆食堂です。カウンターで注文し、麺の太さ(細め・普通・幅広など)を伝えると目の前で手打ちしてくれます。打ちたてをすぐ食べるのが美味しさの秘訣です。

時間に余裕があれば、甘粛省博物館へ。シルクロード時代の青銅器「馬踏飛燕(銅奔馬)」が展示されています。蘭州の詳細情報は蘭州完全ガイドをご覧ください。

4〜5日目:張掖(ちょうよく)

午前中に蘭州西駅から高速鉄道で張掖西駅まで約2時間。張掖は河西回廊で最も絶景が楽しめるスポットです。

Zhangye rainbow Danxia landforms with red and orange striped hills at sunset

張掖丹霞地形(虹色の丘)

張掖丹霞(Zhāngyè Dānxiá)は、赤・オレンジ・黄・クリーム色などが縞模様に重なる丘陵地帯。数億年をかけてミネラルを含む砂岩が隆起・侵食されて生まれた、息をのむ絶景です。公式観光エリア内にはシャトルバスが運行しており、4か所の展望台を巡ります。

おすすめの訪問時刻:夕方の太陽が低い時間帯が最もカラフルに見えます。第4展望台が夕日の名所です。入場料は約¥55、シャトルバスは¥20。市内から車で約40分。Didi(滴滴)やタクシーで行けますが、光の条件を逃さずに回りたい方は現地ガイド付きの半日ツアーも便利です。Klookでプランを比較できます。

Map of the Silk Road route from Xi'an through Lanzhou and Zhangye to Dunhuang
⚠️ 注意:丹霞の色彩は晴天・低角度の光が当たるときに最も鮮やかになります。曇りの日は色がくすんで見えることも。スケジュールに余裕があれば、晴れた午後に訪問するのがベストです。また、岩の上には絶対に立ち入らないでください。地形は非常に脆く保護されており、レンジャーが厳しく管理しています。

張掖のその他の見どころ

市内にある大仏寺(Dàfó Sì)には、全長35mの西夏時代に造られた中国最大の室内土製涅槃仏が安置されています。2泊する場合は、丹霞エリア近くにある冰沟丹霞(Binggou Danxia)も訪問価値あり。よりダイナミックな渓谷地形が楽しめます。

訪問のタイミングや詳細は張掖丹霞ガイドをご参照ください。丹霞地形だけなら1泊、冰沟も含めるなら2泊がおすすめです。

6〜7日目:敦煌(とんこう)

張掖から敦煌へは、高速鉄道(中国版新幹線)で柳園南駅まで約2.5〜3時間、そこからシャトルまたはタクシーで約1.5時間。ドアtoドアで半日かかります。時間を節約したい場合は、蘭州や西安から敦煌空港(DNH)への直行便もあります。

敦煌はゴビ砂漠の縁に位置し、このルートの「クライマックス」と言える場所です。最低2泊、砂漠の関所まで足を延ばすなら3泊をおすすめします。

Exterior cliff face of the Mogao Caves in Dunhuang with rows of cave openings

莫高窟(ばっこうくつ)

莫高窟(Mògāo Kū)は、1,000年以上にわたって岩壁に掘られた約500の洞窟からなる仏教遺跡。洞窟内には精緻な壁画と仏像が残り、ユネスコ世界遺産に登録されています。芸術品保護のため見学は厳しく管理されており、事前に時間指定券の予約が必須です。

見学の流れは以下の通りです:

  1. ビジターセンターで2本の解説映像を鑑賞
  2. 셔셔틀バスで洞窟エリアへ移動
  3. ガイドの引率で約8つの洞窟を見学(洞窟は指定のため選択不可)

※洞窟内の撮影は全面禁止です。

チケットは約¥238(フルビジット)。公式の莫高窟チケットシステムで事前予約を。遺跡の保存・歴史については敦煌研究院の公式サイトも参考にどうぞ。

⚠️ 重要:4月〜10月の繁忙期は、莫高窟のチケットが数日前に売り切れることがあります。日程が決まり次第、すぐに予約してください。フルビジットが完売の場合は見学洞窟数が少ない「緊急チケット」もありますが、確実な見学のためには事前予約が不可欠です。

鳴沙山(めいさざん)と月牙泉(げつがせん)

市街地のすぐ外に広がる鳴沙山(Míngshā Shān)は、数百メートルの砂丘が連なる絶景スポット。その中に砂漠の中に何世紀も湧き続ける三日月形の泉、月牙泉(Yuèyáquán)があります。夕方に訪れて砂丘の頂上から夕日を眺め、らくだライド(観光向けですが景色は本物)も楽しめます。入場料は約¥110。砂が靴に入るので、砂よけカバー(現地でもレンタル可)を用意しましょう。

Crescent Lake oasis surrounded by sand dunes at Mingsha Mountain near Dunhuang

7日目:砂漠の関所(オプション)

3日目がある方は、ぜひ玉門関(Yùménguān)陽関(Yangguan)を訪問してください。シルクロードが北路と南路に分かれる漢代の西の国境です。さらにその先には、風に侵食された奇岩群「雅丹地形(ヤルダン)」があり、「幽霊の街」とも呼ばれる神秘的な光景が広がります。これらの観光地は広い砂漠に点在しているため、チャーターした運転手か現地ツアーの利用を強くおすすめします。

敦煌の夜市の楽しみ方や砂漠ツアーの手配方法は、敦煌・シルクロード完全ガイドに詳しくまとめています。

敦煌のおすすめ宿泊エリアと費用

敦煌は小さな街でほぼ徒歩圏内。夜市と鳴沙山通り周辺に宿泊すると食事と砂丘へのアクセスが便利です。中級ホテルは1泊¥200〜400、砂丘近くのデザートキャンプ系ホテルは割高になります。Agoda Hotelで空室を比較してみてください。

交通手段:乗り継ぎの全体像

このルートの骨格は、蘭州〜新疆を結ぶ高速鉄道(蘭新高速鉄路)です。以下の表で全区間の移動手段と費用をご確認ください。

区間交通手段所要時間料金目安(2等席)
西安 → 蘭州高速鉄道(G・D列車)約3時間¥170〜230
蘭州 → 張掖高速鉄道(中国版新幹線)約2時間¥110〜150
張掖 → 柳園南高速鉄道(中国版新幹線)約2.5〜3時間¥160〜230
柳園南 → 敦煌シャトル・タクシー約1.5時間¥30〜100
敦煌 → 西安 / 蘭州飛行機(DNH空港)約2時間 / 1時間15分¥600〜1,200

鉄道乗車の注意点(日本人旅行者向け)

  • チケットはパスポートで購入・改札通過。必ず持参してください。
  • 駅は大きく、セキュリティ・改札の手続きに時間がかかります。出発の45〜60分前には駅に到着しましょう。
  • 外国パスポートで自動改札が使える場合もありますが、エラーが出たら有人レーンへ。
  • チケットは中国鉄道公式サイト(12306)でも予約できますが、外国のクレジットカードが使いにくい場合があります。外国カード対応・英語表示のTrip Com Trainが便利です。詳しい予約方法は鉄道チケット予約ガイドをご参照ください。
早めの予約を:張掖〜柳園南の高速鉄道と敦煌のフライトは、ハイシーズンは早々に満席になります。日程が決まったら速やかに手配を。西安など各都市の地下鉄路線図のオフライン確認や旅程管理にはWaysChina アプリも活用してください。

飛行機を使うべき区間は?

高速鉄道は景色が良く安定しています。車窓から眺める景観の変化はこのルートの醍醐味の一つです。ただし、敦煌からの帰路は飛行機が最も時間を節約できます。敦煌空港から西安・北京への直行便を使えば、柳園南への乗り継ぎと長い折り返し移動を省けます。多くの旅行者が「行きは高速鉄道、帰りは敦煌から飛行機」というプランを選んでいます。

費用の目安(7〜8日間)

以下は1人あたりの概算費用(中国への国際線除く)です。人民元(RMB)表示で、¥7≒1米ドルの目安です。日本円換算はレートにより異なりますが、おおよそ¥1≒20円前後でご計算ください。

費用項目節約プラン標準プラン
宿泊費(7泊)¥700〜1,200¥1,800〜3,000
都市間交通費¥700〜900(全て高速鉄道)¥1,200〜1,800(鉄道+フライト1本)
観光地入場料¥500〜650¥500〜650
食費¥400〜700¥800〜1,400
市内交通・ツアー¥300〜500¥800〜1,500
合計(目安)¥2,600〜3,950¥5,100〜8,350

費用の差が出やすいのは、①敦煌への往復に飛行機を使うか、②丹霞地形と砂漠の関所にガイド付きツアーを使うかどうかの2点です。これらのエリアは車なしではアクセスが難しいため、ツアー利用を検討する価値があります。入場料だけでも莫高窟の¥238をはじめ相応の金額になるため、予算には余裕を持たせてください。

キャッシュレス決済について:この地域では屋台や小さな麺屋でもQRコード決済が主流です。出発前にアリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)を外国カードで設定しておくことを強くおすすめします。砂漠の遺跡など辺境エリアでは念のため現金も持参してください。設定方法は外国カードでアリペイを使う方法をご参照ください。

旅程のアレンジ方法

時間が少ない場合(5〜6日間)

蘭州の宿泊を省略し、列車の乗り換え時間を利用した「牛肉麺ランチ」だけに留め、張掖も半日観光に短縮。節約した時間を敦煌に充てましょう。敦煌は見どころが多いため、時間の余裕があるほど満足度が上がります。

もっとゆっくり旅したい場合(10日間以上)

張掖と敦煌の間に嘉峪関(かよくかん)を追加するのがおすすめです。万里の長城の西端に位置し、明代に建造された要塞が残っています。また、このルートを中国全体の旅程と組み合わせるなら、10日間中国旅行プランも参考に、西安〜北京・上海の接続方法をご確認ください。

手配が不安な方へ

丹霞地形と砂漠の関所はガイドと専用車があると格段に効率が上がります。China Highlightsなどの旅行会社はシルクロード全体をパッケージ化したツアーを提供しており、移動・ホテル・難アクセスエリアの観光をまとめて手配できます。初めての中国旅行で不安な方は、このようなツアーも選択肢の一つです。

中国旅行が初めての方には、西北ルートを決める前に初めての中国旅行ガイドも読んでおくことをおすすめします。

まとめ:西安〜敦煌ルートのポイント

西安〜敦煌のシルクロードルートは、各都市の個性が際立った中国屈指の地域ルートです。西安の王朝の歴史、蘭州の黄河と庶民グルメ、張掖の彩色丘陵、そして敦煌の砂漠遺跡と砂丘。7泊あれば余裕を持って回れ、8泊あればさらにゆったり楽しめます。

  • ✅ 日程が決まったら莫高窟のチケット陝西歴史博物館の予約を最優先で
  • ✅ ハイシーズンは敦煌のフライトも早めに手配
  • ✅ 帰路は敦煌空港からのフライトで時間を節約
  • ✅ 春・秋(3〜5月・9〜11月)が最適シーズン
  • ✅ アリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)を出発前に設定

最終更新日:2026年6月

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