ルート&旅程

江南水郷ルート完全ガイド:上海・杭州・蘇州

上海・杭州・蘇州を高速鉄道(中国版新幹線)で結ぶ4〜5日間の江南エリア旅行プランを徹底解説。日程別スケジュール、交通手段、水郷の選び方、リアルな予算まで日本人旅行者向けに詳しくご紹介します。

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長江デルタ地帯(长三角、チャンサンジャオ)には、中国で最も魅力的な3都市がコンパクトな三角形の中に集まっています。上海・杭州・蘇州は高速鉄道(中国版新幹線)でわずか30〜90分の距離にあり、中国国内でも最も移動しやすいマルチシティ旅行のルートのひとつです。世界的な大都市、千年にわたって詩人たちが詠み続けてきた湖、そして「江南」(Jiāngnán、「川の南」の意味)の名声を築いた古典庭園と運河の街——そのすべてをこのルートで体験できます。

本ガイドでは、4〜5日間の具体的なルートを駅から駅まで詳細に解説します。実際に乗る列車、各夜の最適な宿泊地、計画に使える予算の目安も網羅しています。時間に余裕があれば南京まで足を延ばすプランもご紹介します。

日本人旅行者へのポイント:このルートはJR東海道新幹線の「東京〜京都〜大阪」に似た感覚で旅できます。大都市・自然・古都という組み合わせが江南エリアの魅力です。
Jiangnan route triptych showing Shanghai skyline, Hangzhou West Lake, and a Suzhou canal town

ルート概要

基本ルートは「上海 → 杭州 → 蘇州 → 上海」の周遊型です。3都市はすべて頻繁に運行する高速鉄道で結ばれており、国内線の飛行機は不要です。

  • 上海 — 1.5〜2日間。主な到着地点(2つの国際空港あり)。現代的な旅の入口です。
  • 杭州 — 1.5日間。西湖、茶畑の丘、ゆったりとした雰囲気。上海から高速鉄道で約45〜60分。
  • 蘇州 — 1.5日間。古典庭園と水郷へのアクセス拠点。上海から約25〜30分。
  • 南京(オプション)— 1.5〜2日間追加。帝都の歴史と近現代史。蘇州または上海から約1.5時間。

このルート順の理由:蘇州は上海に最も近いため、最後に回すことで帰路の空港アクセスが簡単になります。杭州発で帰国する場合は、杭州と蘇州の順番を入れ替えてください。

💡 おすすめシーズン:江南エリアは春(3〜5月)と秋(9〜11月)が最適です。夏は高温多湿で庭園も混雑します。詳しくは中国旅行のベストシーズンガイドをご覧ください。

日程別プラン

1〜2日目:上海

多くの旅行者は浦東国際空港(PVG)または虹橋国際空港(SHA)に到着します。到着初日の午後はフライトの疲れを癒しつつ、夕暮れ時に外灘(バンド)(外滩、Wàitān)を散歩しましょう。片側に並ぶ欧風建築、もう片側に広がる浦東の高層ビル群が一斉にライトアップされる光景は、上海を代表する絶景です。東方明珠タワーや上海タワーを望むこのビューは無料で楽しめます。

2日目は新旧の上海を両方体験しましょう。午前中は豫園(Yùyuán)と周辺の商業エリアを見学した後、旧フランス租界へ。武康路や田子坊周辺の並木道、カフェ、1920年代の洋館が続くエリアを散策します。午後は浦東に渡って高層ビル群を間近で眺めるか、入場無料の上海博物館(室内観光がお好みの方に最適)を訪れましょう。

The Bund in Shanghai at dusk with the Pudong skyline across the river
地下鉄利用のコツ:上海の地下鉄は世界最大規模のひとつで、英語の案内表示も整備されています。各路線でQRコード入場が普及しており、アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)のQRコードでそのままタッチして乗車できます。詳しくは地下鉄利用ガイドをご参照ください。

宿泊は人民広場周辺か地下鉄2号線・10号線沿いが便利です。外灘にも虹橋駅にも短時間でアクセスできます。旧フランス租界エリアのブティックホテルは散策に最適なロケーション。Booking.comで各エリアの価格やホテルを比較してから予約することをおすすめします。

3日目:杭州

上海虹橋駅から高速鉄道で杭州東駅(杭州东站)へ。所要時間は便によって45〜60分です。荷物をホテルに預けたら、まず西湖(Xī Hú)へ直行しましょう。ユネスコ世界遺産に登録されており、多くの旅行者が杭州を訪れる最大の理由です。

湖全体を「制覇」しようとせず、エリアを絞って楽しむのがコツです。蘇堤(Sū Dī)沿いを歩くか自転車で走り、ボートで小島に渡り、雷峰塔から湖を見渡す眺めを楽しみましょう。夕方には西の丘にある龍井茶村(Lóngjǐng)へ。タクシーで短時間で行けます。段々畑の茶畑を散歩しながら、その場で栽培された緑茶を味わえます。

湖と茶畑を効率よく回りたい方には、Klookで半日ガイドツアーやボートチケットを事前予約する方法がおすすめです。中国語に自信がない方や現地交渉を避けたい方に特に便利です。

West Lake in Hangzhou with the Su Causeway, willows, and a boat on the water
杭州東駅での注意:杭州東駅は中国最大級の駅のひとつです。入口からホームまで20〜25分かかります。連休期間中はさらに余裕を持ってください。

4日目:蘇州&水郷

杭州から高速鉄道で蘇州へ(約1.5時間。一部の列車は上海経由)。蘇州は古典的な江南文化の中心地です。市内の古典庭園群はユネスコ世界遺産に登録されており、旧市街の中にいくつか点在しています。

拙政園(Zhuōzhèng Yuán)は最大かつ最も有名な庭園で、長い年月をかけて設計された池、東屋、額縁のような景観が特徴です。留園(Liú Yuán)や小ぶりな網師園(Wǎngshī Yuán)は比較的静かでゆっくり見学できます。急ぎ足で全部回るよりも、1〜2か所をじっくり鑑賞することをおすすめします。庭園は「ゆっくり眺めるほど味わいが増す」場所です。

A classical garden in Suzhou with pavilions, a pond, and framed views

午後は水郷訪問のベストタイミングです。時間の余裕や人混みの好みに応じて選んでください:

水郷蘇州からの距離特徴
同里(Tónglǐ)車で約30分昔ながらの運河と橋、庭園あり。人混みは比較的少なめ
周庄(Zhōuzhuāng)車で約40分最も有名で写真映え抜群。ただし観光客が非常に多い
木渎(Mùdú)車で約20分こぢんまりして静か。半日観光に最適
日本人旅行者へのアドバイス:周庄は「中国のベネチア」として有名ですが、週末や連休は非常に混雑します。平日訪問か、より穏やかな同里を選ぶのがおすすめです。

蘇州市内では、山塘街(Shāntáng Jiē)と平江路(Píngjiāng Lù)が運河沿いの歴史的な通りです。夜の散策に最適で、市内から出ずに水郷の雰囲気を楽しめます。時間が足りない場合の代替プランとして覚えておきましょう。

A water town near Suzhou with stone arch bridges over a canal and traditional houses

5日目:上海へ戻る(または次の目的地へ)

蘇州〜上海間はルート全体で最も短い区間です。高速鉄道で25〜30分、しかも数分おきに出発しています。浦東空港(PVG)から帰国する場合は余裕を持って行動してください。列車は上海駅または虹橋駅に到着しますが、そこからPVGまで地下鉄またはリニアモーターカーでさらに45〜60分かかります。

蘇州でゆっくりした朝を過ごしてから移動しましょう。フライトが夕方以降なら、2日目に行けなかった上海のスポットを再訪するのもおすすめです。

都市間の交通手段

高速鉄道(高铁、gāotiě)がこのルートの主役です。この距離なら飛行機より速く、快適で、頻繁に運行されています。目安の所要時間と2等席(普通席)の運賃は以下の通りです:

区間所要時間2等席運賃の目安
上海 → 杭州45〜60分約¥73〜90(約1,500〜1,800円相当)
杭州 → 蘇州約1.5時間約¥90〜160(約1,800〜3,200円相当)
蘇州 → 上海25〜30分約¥40(約800円相当)
蘇州 → 南京約1.5時間約¥100〜150(約2,000〜3,000円相当)

運賃は列車の種類と等級によって変わります。上記は参考値としてご活用ください。チケットは公式の12306(中国鉄道公式サイト)でも購入できますが、外国人旅行者には国際カードに対応し英語サポートもあるサードパーティサービスが便利です。最も広く使われているTrip.comではTrip.comから同じ列車を予約できます。高速鉄道の全体的な仕組みについては、高速鉄道完全ガイドもご参照ください。

⚠️ 重要:パスポートは必携です
チケット購入、駅の自動改札通過、乗車のすべてにパスポートが必要です。各高速鉄道駅では空港と同様のセキュリティチェックがあります。出発の30〜40分前には駅に到着してください。

各都市内の移動は地下鉄が基本です。主要観光スポットと鉄道駅をカバーしています。地下鉄が通っていない茶畑や水郷へはタクシーまたはDidi(滴滴)の配車サービスを利用しましょう。WaysChina アプリには上海・杭州・蘇州のオフラインマップと旅程プランナーが入っており、事前に各日の動きを計画するのに便利です。

予算の目安

国際線航空券を除いた、4〜5日間の旅程における1人あたりの1日の費用目安です。金額は人民元(RMB)で、範囲はバジェット〜ミドルレンジの選択肢を反映しています。

項目バジェットミドルレンジ
宿泊費(1泊)¥200〜350(約4,000〜7,000円)¥500〜900(約10,000〜18,000円)
食費(1日)¥80〜150(約1,600〜3,000円)¥200〜400(約4,000〜8,000円)
都市間高速鉄道(旅程全体)¥250〜350(約5,000〜7,000円)¥350〜500(約7,000〜10,000円)
市内交通費(1日)¥20〜40(約400〜800円)¥40〜80(約800〜1,600円)
観光・庭園入場料(1日)¥40〜100(約800〜2,000円)¥100〜200(約2,000〜4,000円)

おおよその合計として、4〜5日間の旅費は航空券別でバジェットなら1人¥2,000〜3,000(約40,000〜60,000円)、ミドルレンジなら¥4,500〜7,000(約90,000〜140,000円)が目安です。蘇州の庭園入場料は施設と季節によって¥30〜90(繁忙期は高め)。中国全土の予算詳細については中国旅行予算ガイドをご覧ください。

💡 モバイル決済の準備を忘れずに:到着前にアリペイ(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)をセットアップしておきましょう。駅のスナック、タクシー、庭園のチケット、屋台グルメのほぼすべてがQRコード決済です。ホテルや大型施設では現金や外国カードも使えますが、モバイルウォレットがあると格段にスムーズです。

ルートのアレンジ

3日間しかない場合:杭州を外して上海(2日間)+蘇州(1日間)のシンプルなプランにしましょう。蘇州は上海から30分なので日帰りも可能です。庭園と水郷はそのまま楽しめます。

6〜7日間ある場合:南京を追加しましょう。かつての首都・南京には明孝陵、城壁、南京大虐殺記念館、秦淮河沿いの夫子廟があります。蘇州または上海から高速鉄道で約1.5時間。詳しくは南京歴史都市ガイドをどうぞ。

中国をもっとじっくり旅したい場合:このルートは北部エリアの旅と組み合わせることができます。北京・西安・上海ルート7日間中国旅行プランと合わせてご覧ください。

A high-speed train at a station platform in eastern China

各都市の詳細プランは専用ガイドをご参照ください:上海完全ガイド杭州完全ガイド蘇州庭園ガイド

日本人旅行者がよく抱く疑問

Q. 中国語が話せなくても大丈夫?

上海・杭州・蘇州の主要観光地や駅では英語表示が整備されており、基本的には中国語なしでも旅行できます。ただし、水郷エリアの交渉ごとや地方のタクシーでは中国語が役立つ場面も。翻訳アプリ(Google翻訳やDeepL)を事前にダウンロードしておくと安心です。

Q. 宿泊届出(公安届出)は必要?

外国人は中国滞在中に宿泊先での宿泊届出(公安届出)が必要です。ホテルに宿泊する場合は自動的に手続きされますが、民泊(Airbnb等)利用の場合はホスト側に確認してください。手続き漏れがあると出国時に問題になる場合があります。

Q. VPNは必要?

中国ではグレート・ファイアウォールによりGoogle、Instagram、LINEなどへのアクセスが制限されています。VPNを使用することで日本と同様のインターネット環境が使えますが、信頼できるサービスを出国前にインストールしておく必要があります。現地ではVPNのウェブサイト自体にアクセスできない場合があります。

まとめ

江南トライアングルが優れているのは、都市間の距離が短く、各都市のコントラストが鮮やかだからです。上海のスカイライン、杭州の湖、蘇州の庭園と運河——4日間でハイライトを余裕を持って回れ、5日間あれば水郷でゆったりした午後を過ごす時間も生まれます。

ピークシーズンは1〜2日前にチケットを予約し、到着前にモバイル決済をセットアップし、パスポートは常に携帯してください(パスポートがID兼乗車券になります)。列車の時刻と運賃は季節やダイヤにより変わるため、予約時に最新情報を確認することをおすすめします。2日間余裕があれば、南京への足を延ばす価値は十分にあります。

最終更新日:2026年6月

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